花喰らい 八王子を主な拠点として活動し、三代目総長に就いた男。名を荒師慶三という。螺愚那六総長として君臨し、その大きな体格の見た目に違わず重い拳打。それを以って敵チームの荒くれ者達を次々と薙ぎ倒して気がつけば、西関東の殆どに影響力を及ぼすまでになっていた。
夥しい返り血で巨躯が赤く染まることから、ついた渾名は〝赤壁〟だ。読みは〝レッドグリフ〟であるので、花垣からは「北欧神話?三国志?」という問いかけをされているのだが、気にしたら負けである。
第一〝螺愚那六〟はその旗にあるように三代目であれば、己はチーム名を引き継いだだけであって、名付けてはいない。第二に〝赤壁〟も他人が付けた通称だ。
荒師には関係のないことなのだが、それを指摘して首を傾げた者こそ、目の前で困ったように笑う花垣武道である。
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