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    ほでな

    @hodenass2

    水柱をコマす。
    ついったにそのまま上げにくい美妙な絵など
    CPは錆義、炭義、義実義、しのぎゆ、その他義受け

    おかたししました!スタンプをありがとう!!❤️

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    ほでな

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    文章書けない癖に無理して書いた文、、、
    義勇がおつかいから帰るだけ。
    錆くん出るとこまで書けてないです。

    夏っぽい錆義を書こうとした 新緑の田園を真っ直ぐに突っ切る、白い畦道が何処までも続いていた。歩き始めてたったの一里ほどだと言うのに、随分と景色が変わる物だ。
     麓の町での用を済ませ帰路についたのは、もう日が傾き始めた頃だった。先生に言いつけられた仕事は、本来なら半刻ほどで済む物だったのだが、なにぶん不慣れな土地であったため、随分と時間を要してしまった。急ぎでは無いのだが少々不甲斐ない。
     緩みかけた風呂敷の結び目を解き、背負い直してきつく結ぶ。この荷は大して重くはない。せいぜいが乾物や薬、小物の類だからだ。それよりも、帯に挟み込んだがま口巾着の中で、今朝よりも増えてしまった小銭がチャリチャリと揺れるのが気になった。
    「もし、生活に必要なものがあれば、これで買ってきなさい」
     そう言われ、そこそこの大金を持たされたのだが、必要なものと言われてもピンと来ず、結局指示された買い物だけで済ませてしまった。

     更に歩き続ける。風景はどこまでも変わらないように思えた。家々はまばらなまま、距離を詰めるでも離れるでもなく転々と現れる。
     額をつう、と汗が流れた。
     夕刻になり日差しが柔らかくなったとは言え、夏の盛りの暑さは堪える。それに朝から歩き詰めだ。流石に疲れてきた。そういえば町には茶屋があったな。寄って休んで来れば良かったなどと後悔しても、もう結構な距離を歩いてきてしまったのでしょうがない。
     どこか、休めないだろうか、日陰のある場所は、と辺りを見渡す。

     すると、分岐した畦道の先で木陰の下にしゃがみ込む数人の人影が見えた。自分よりももう一回り幼い位の子供達が三人。近寄りつつ様子を伺ってみると、全員地べたに座り込んで、何やらパチン、パチンと弾き飛ばしている。あたりに点在する家々の、その内どこかの子供だろう。
    「見て、知らない子だよ」
    「何処からきたの」
    「ねえ一緒に遊ぼう」 
     気づかれた途端、口々に声を掛けられた。
    「でも、俺は」
     おつかいの途中だから、と断ろうとすると、
    「私のビー玉貸してあげる、ほら」
     少女が手を取り、空色に輝くそれを手のひらに握り込ませてくれた。淡く透き通る色味に、つい視線が釘付けになってしまう。
     まあ、休憩がてらだ。少しは良いだろう。荷を下ろして、同じく地べたにペタンと座り込む。子供たちの輪の中心を覗き込むと、地面に描かれた円の中に、色とりどりのビー玉が転がされていた。
    「これはどうするんだ?」
     先ほどの少女が身を乗り出す。
    「教えるね。この輪の中が天国で、こっち側は地獄・・・・・・」

     そうやって、久方ぶりに他愛もない子供の遊びに興じていると、ついつい時間が経つのを忘れる。辺り一面に溢れていた蝉の声が次第に落ち着き、やがてヒグラシの声が響き始めた。
    もうじき日が暮れる頃だ。子供達はまたね、と声を掛け合い散り散りに家へ帰っていく。
     さて、俺も家へ帰らなきゃ。姉さんが待ってる。
     荷物を背負いなおし、帰り道を振り返る。ふと見ると、昼間真っ白だった畦道は今や深い草木の陰で覆われて細まり、その先には真っ黒い山々が視界を覆いつくすように広がっていた。

     急に、全く見知らぬ場所に迷い込んだような、奇妙な感覚を覚える。

     呆けたように立ち尽くしたまま、果ての見えない道の先を見やる。この細長い、見覚えのない畦道はいったいどこに繋がっているのか。ここを進んだ先は、果たして自分の帰る場所なのだろうか。
     じっとりと汗で濡れた襦袢が肌に張り付くのを感じ、そう言えばこの着物も自分のものでは無かったと思い出す。夏着を持って来なかったので貸してもらった、波模様が入った紗の着物。朝方に羽織った時は涼しく心地良かったのに、ひやりとした感触が今は妙に余所余所しい。

     やがて、ぬるい風が吹き抜けた。
     かぶりを振って奇妙な考えを追い払う。大丈夫。俺は迷子では無い。この先にあるのは自分の家では無く、姉さんもいないけれど、道は正しいのだと自分に言い聞かせ、黒い山々に向かって歩き始めた。
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