白昼夢その時、俺は広間に向かう回廊にいた。
あぁ、また夢か。俺は回廊の柱や天井を見回しながら直ぐにピンときた。普段忙しくて走り回ってる文官が一人もいないから、これは夢だ。
最近やけに、現実味が強い夢をよく見る。怪我をしたり、水に触れたり。感触だってある。
それと、夢でよく会う奴もいる。
「あ、李典殿、こちらにいらっしゃったのですね」
「楽進」
案の定。俺の夢は都合がいい。
突然現れた楽進は如何にも夢らしく、戦に出るかのような鎧をきちんと着て俺に声をかけてきた。
俺は楽進のことが好きだ。無論、そういう意味で。
だから楽進が夢に出てくるのは嬉しい。
昨日は一緒に遠駆けに出た。夢の中だけど、風を感じて確かに楽しかった。おとといは、何だったかな。毎日夢に楽進が出てくる。
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