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    @momo820531

    主垢@f27223534

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    羽兎@hato_ht

    DONE支部から移動二つ目。
    イザ武。
    首輪の先はベッドの中人が一人いなくなった所で、世界は淡々と流れていく。それはニュースになる事もないから、誰の記憶にも残る事はない。誰か訴えでもしない限り。それが武道だったとしても、彼を知る人間は、もう誰もいない。この世には。武道を残して死んでいった。

    「……ああ、今日、満月なんだ」
    武道の呟く声は、誰にも届かない。ここには誰もいないから。否、この部屋を知る人間は、誰もいない。たった一人を除いて。そのたった一人は武道を置いて出かけていった。仕事だと言って機嫌悪そうな顔で出ていったのは、数時間も前の事。否、どれ位の時が経ったのだろうかと、武道は部屋にあるたった一つの窓に手を伸ばすと、ジャラリと音が鳴った。武道が動く度にその音が部屋に響く。それこそ、白いシーツの海に映える事もなく、酷く重い。それこそ起き上がる事が億劫だと、寝返りをうつのも邪魔だと、音を鳴る代物―鎖を引っ張った。引っ張った所で取れる事はない。武道の首とベッドヘッドに繋がれているから。いつからそれが繋がれているのか武道には分からない。気が付いたらこの部屋にいた。それこそ、あの時、銃で撃たれた筈だった。死に際に直人の手を掴んで、彼をトリガーにして、タイムリープをする筈だった。筈だったのに、気が付けばここに居た。そして、首に鎖があった。そう、鎖。お前はイヌだと、この部屋の主が言ったから武道はそれに頷いた。今が昼なのか、夜なのか、分からないままに、ただ、飼い主の帰りを待つイヌのように、首輪をつけて部屋の出入り口を見るだけの生活になった。けれど、時々、頭が痛い。直人が、過去を変えてくれといったから。直人って、誰だっただろうか。頭がぼんやりとして、ドアを開くのを待つだけ、その人が俺の飼い主なんだと、誰かに教えられた様な気がした。
    2142

    96noScull

    DONE三天戦争直後の話。どらくまという忍者バトル(語弊はない多分)漫画に冥銭の話が絡めてあって、いつかネタにしたいな~と思っていたので。日本の三途の川の渡し賃とギリシャ神話のカロンの川の渡し賃、真田の六文銭が有名ですが、カロンの渡し賃は1オボロス=オボロス6枚で1ドラクマ=掌いっぱいのという意味。冥銭の文化があるとこは大抵燃やすみたいだけど日本とギリシャだけ『渡し賃』なの面白いですよね。
    カロンの畔にてごうごうと音を立てる濁流の前に、頼りなげな金髪の少年が立っている。
     やめろ、そっちへ行くな。
    「ねぇ、ココ君――」
     やめてくれ。

     君は冥銭を稼いでいるんだね。
     そう宣ったのは情報源の一つだった、大陸系の占い師の爺だった。
     死者があの世で困らないように、弔いのために燃やす金。
     赤音さんのことを知っている、そしてイヌピーのことも知っているという脅しだろう。
     これからも御贔屓に、と流暢な日本語で握手を求められた。食えない爺だった。
     握手をしながら片手ではその手を切り落とすための刀を握りしめているのが大陸流だ。
     関東卍會として動くようになって、金の使い方も派手になった。兵隊は金がかかるし、ましてやチンピラどもは鬱憤が溜まればどこぞになびきかねない。
    1621

    mdrm222utut

    DONEタケミっちが千冬くんに告白して、その告白の返事に悩んだ千冬くんがマイキーに相談する話。
    キーワードは「嫉妬」と「覆水盆に返らず」です。
    二部作の予定で今作は第一部です。
    第一部:千冬くん視点、第二部:マイキー視点を予定しています。

    ※この作品では誰も救われません。
    ※添え野菜程度に事後描写があります。
    『愚人どもの恋罪』 --「恋は曲者」-- 『嫉妬とは、愛の保証への要求である。』
    《レフ・トルストイ著『アンナ・カレーニナ』の一節より》


    卍卍卍


    「オレ、千冬のことが好きなんだ」

    そう言った相棒、もといタケミっちの顔は熟れすぎた苺みたいに真っ赤だった。多くの犠牲を出した関東事変も終焉を迎え、マイキーくんの妹や横浜天竺の総長である黒川イザナ、場地さんの仇である稀咲の死を目の当たりしてもしかしたら自分やオレが死んでてもおかしくなかったと感じ、この気持ちを伝えようと思い至ったらしい。
    オレのどこに惚れたのか訊くと、「ありすぎて一つずつ挙げると日が暮れる」とタケミっちははにかみながらある未来でタケミっちとオレが反社をしていて、その時命を張って自分のことを守ってくれたことがきっかけだったと思うと言った。それから未来から来たという傍からすれば戯言を馬鹿にすることなく信じてくれたこと。場地さんの未来を知ってて救うことが出来なかったことに対してタケミっちを責めることなく、誰からも褒められることもねえのに一人で戦ってすげえともっと胸を張れと背中を押してくれたこと。全てを受け止めた上で相棒でいてくれたこと。…など穴があれば出来るだけここから一番遠い場所まで潜って逃げちまいてえと思える自分でも小っ恥ずかしいエピソードをタケミっちは嬉しそうに、まるでずっと大切にしてきた宝物の包装を一つ一つ解いて開いていくかのように丁寧に優しく語って聞かせてくれた。
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