無防備に晒さないで「きゃーココくんのエッチー!なんてもの着てるんすか!?」
「それはこっちの台詞だ!」
「痛!頭叩いた!今絶対脳細胞何個か死にましたよ〜!」
両手で頭を覆う花垣は涙目で九井の睨む。花垣に睨まれてもそれほど怖いとは思わないが、別な意味でぐっと言葉に詰まる。
頭を覆う両手の、腕の、平均より細い二の腕のその付け根。
やたら袖口の空いたノースリーブから脇と側胸部が無防備に晒されていた。脇に至っては腋窩が丸見えで毛の処理が甘いのかそれとも処理していないのか、ふわふわの濃い産毛みたいな腋毛が腋窩の窪みからこちらを覗いていた。ごくりと思わず喉がなる。
「──花垣、お前こそなんて衣装着てるんだよ」
もうそれしか言えなかった。
「え、そんな黒のハイネック着てるココくんが言いますか?あのですね、オレレンタルDVD屋の店長やってた……ゲフンゲフン、いや、夢見たことあるからわかるんですけど」
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