anpk79話妄想 イーブイの進化系エーフィ、ブラッキーに会いにゴウとサトシとジョウト地方を訪れた。その帰りのこと――。
「ゴウ、サトシ、お待たせ!」
帰り支度を終えてイーブイと一緒に二人の元へ向かった。
「ああ、行こうぜ」
サトシは私に声をかけるが、ゴウは私に歩み寄り、じっと私を見つめる。どうしたんだろう……?
「……ハルヒ、だろ?」
「えぇーっ! 何で分かったん!?」
実は私、ううん、うちはハルヒ。顔も名前も瓜二つなコハルと服を変えとったんやけど、ゴウにはバレてしもた。さっきおばあちゃんは間違うてたんやけどなぁ……。
「まあ、一日一緒にいればさ……何て言うか雰囲気がやっぱり違うなって」
「へー、さすがゴウだな」
ゴウは今日一日うちらと一緒にいてうちとコハルの違いが分かって来たと言う。なんぼ似てても時間が経つと分かってくるもんなんやなぁ。
「ハルヒー!」
うちの服を着たコハルがうちのエーフィとブラッキーと一緒に走って来た。
「そろそろ帰る時間だから、服、戻さないと」
「ごめん、ごめん。じゃ、うちら着替えて来るわ」
「ごめんね、ちょっと待ってて」
コハルと一緒に着替えに向かう。
「ああ」
「ここで待ってるから」
と、うちらを見送るサトシとゴウを見て気づいた。コハルを見るゴウの目がさっきうちと話しとった時と違うこと。コハルに対しては何か穏やかっていうか優しいっていうか、そんな感じがした。
「なぁ、サトシとゴウってコハルの友達なん?」
コハルと服を着替えているときに聞いてみた。
「うん。二人ともお父さんの研究所でリサーチフェローっていうのをやっていて。あと、ゴウは小さい頃からお父さんの研究室によく遊びに来てたから」
「へー、ゴウとは小さい頃から一緒なん?」
「そうだね。ゴウ、サトシに会うまで友達がほとんどいなかったから、お父さんの研究室で私と一緒にいることが多くて」
「なるほどなぁ」
コハルの話を聞いて納得した。ゴウは小さい頃からコハルとずっと一緒におって、コハルのこと大切に想ってるんやなって。
「コハル、あんた愛されてるなぁ」
「えっ、何のこと?」
「何でもない。ほら、二人待たせとるし、行くで」
着替え終わったコハルの背中を押して、待たせている二人の元へ向かった。
「ゴウ、サトシ、お待たせ!」
今度こそコハルが二人に声をかける。
「ああ」
ゴウはやっぱりさっきと同じような目でコハルを見ている。そして、
「今度はやっぱコハルだな」
と、コハルに安心したような笑顔を見せていた。ゴウが一日でコハルとうちの違いが分かって来たように、うちもゴウのコハルに対するその目が分かって来た。そして、コハルもまたゴウには気心知れた様子を見せている。
「何かええなぁ……あの二人」
「あの二人? 誰のことだ?」
同じく見送りにやって来たカツキに聞かれた。
「何でもない。コハル、みんな元気でな! それから――」
二人ともずっと仲良くな。