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    m_rotktn

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    ハッピースケベの星

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    みんな大好き魔力供給ネタ
    適当ふかしてるのでそこのとこよろしく

    #ひじこん
    #歳勇
    #ヒジイサ

    デアで手を繋ぐとこからはじまるやつ********
    多段ヒット全体A宝具持ちの近藤、周回終わりにもリチャージされた分の魔力を余らせがちで、そのままにしておくとどうも具合がよくない。...ので、「おまえが良ければ貰ってくれないか」というのを土方は二つ返事で引き受けた。
    「すまないな...、相変わらず手のかかる兄分で」
    「何、このくらい気にするこたぁねえよ」
    サーヴァント同士パスが通っているでもないので、大の男二人がひとの少ない談話室の隅で手など繋ぎ、なにくれとなく言葉をかわしながら過ごした。
    生前からの積もる話もあれば、この人理の砦に呼ばれてからの話もあった。近藤は己より先に召喚されていた土方に、これまでの道のりを聞かせてくれとねだり、そうかと思えばどこそこのなんとかいう英霊とまみえた、あの御人はすごい、と無邪気に語る。人に好かれる才は未だ顕在のようで、土方にはないこの兄分のそうした美徳がなんとも誇らしく思えた。
    とはいえ今はひとつところで暮らしている状況で、そうした時間も回数を重ねるうちにやがて互いに口数も減ってくる。決して沈黙が苦になるような間柄ではなく、土方自身はむしろ心地よさすら感じていた。他になにをするでもなく、ただ隣にいてじっと手だけを重ねている。生前、餓鬼の時分にすらありえなかったようなこのささやかな奇跡はどうにもこそばゆく、けれど手離し難い。
    「そろそろ頃合いか...」
    ではまた、と言いながら、筋張った手の感触が、温もりが離れてゆくのを名残惜しいと思った。正確には、そう思っていたことをこの時ようやく自覚した。
    そんなことは噯気にもださず、土方はいつも通りにおう、と返したつもりだった。

    それからしばらく、近藤からのお呼びは途絶えた。
    近藤が周回に駆り出されることがなくなったのかと思えばそうではないらしい。ただその後に土方に声がかかることだけがなくなったようだった。
    何故か、と考えることはしなかった。それ以外の時には、なにも変わらず旧知の連中たちとしょっちゅう屯しているからだ。他人の中にしか答えのない問いなどあまりに無為だと、狂戦士の理性は判断していた。

    「歳....ッ、とし....!」
    そうも切羽詰まった声に呼ばれることは珍しい。
    何があったと気配のするほうを振り向くと、伸びてきた腕に捕らえられ、有無を言わさず廊下を引きずられていく。土方自身も十分にむくつけき大男の部類ではあるが、純粋な力比べで勝てた試しのない近藤に腕尽くでこられては敵わない。思考が追いつくより先に微かな自動扉の開閉音を聞いた。
    「どうしたってんだよ、なあこんど....」
    遮るように近藤が深々と息を吐いた。
    どこぞの空き部屋に連れ込まれ、その壁際に押さえ込まれた格好の土方は、宥めるつもりで眼前に立ちはだかる男の肩に手を置いた。
    「......もっぺん聞くぜ。何があった」
    問うても近藤はゆるゆると首を振るばかりである。これでは拉致があかない。小さく舌打ちする土方に、近藤は伏せていた顔を向けた。
    「........と、し」
    非常灯の頼りない光があるばかりの暗がりでも、はっきりそうとわかるほど白い頬が紅潮している。どこか具合が悪いのか。やけに水気の多い両眼は、ごく短い間土方をとらえたものの、すぐにふらふらと泳ぎ出す。何かを言いかけてはやめるのを何度か繰り返した唇が、やがて意を決したように開いた。
    「.........こう、するほうが早いときいた」
    「あ?」
    誰に。何をだ。
    「歳」
    「....おう」
    「すぐに済ませる。後で俺を殴れ。.....今は何も言わないでくれ」
    言いながら、近藤は土方の後ろ頭に手をかけた。そしてそのまま。生前ついぞ勝てた試しのない腕力でぐい、と引き寄せられる。
    「......ッ」
    ほとんどぶつかる勢いで口と口が触れた。かっと見開いた眼のすぐ先で、昔馴染みのまつ毛が揺れる。
    開けろと促されたそこへぬるりと舌が捩じ込まれた刹那、頭の芯に雷が刺さるような衝撃に見舞われた。
    ──魔力、か。
    振るう刃に宿る白く清冽なそれが、交わる粘膜を伝ってだくだくと流し込まれてくる。なるほど、近藤の科白は腑に落ちた。だが事態はそれどころではない。
    脳髄がじりじりと焦げる。腹が熱い。
    直に味わう近藤の魔力は、舌が痺れるほどの甘美だった。
    邪神に侵食された霊基が再臨により反転した結果、元は人でありながら、近藤の魔力は神霊のそれに類似した性質を帯びているらしい。肌に浴びるには心地よかったものだが、口にするのはおそらく。
    ──拙かったな。
    とはいえ、時はすでに遅い。
    「........ん」
    近藤が小さく鼻を鳴らした。
    余剰分をあらかた譲渡し終えたのか、近藤の手指の感触が土方の後ろ頭からするりと離れていくのを感じた。
    させるか、と咄嗟に狂戦士の脳裏には浮かんだ。
    近藤の手首を掴み、ひと息に彼我の身体を入れ替える。浅葱を纏うひとを壁際に押し込め、唾液に濡れた己の唇をまだ痺れの残る舌で舐めた。ああ、何の味もしない。
    「....とし?」
    「悪ィな。........後で俺を殴ってくれ、近藤さん」
    だから今はなにも。
    手首を壁に縫い止め、じわりと指を絡める。
    閉じた瞼のすぐ先で、はたはたと長いまつ毛がはためくのを感じた。
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