役目「——っあ!ん、はぁ……ッ、ぁ、もっと…!」
——嘘。本当は今すぐ終わりにして欲しい。
「すき、……あい、してる…ッ」
——嘘。そもお前の事なんて眼中に無い。
「俺は、何があったってお前の味方だから……」
——嘘。本当は今すぐにでも殺してやりたい。
「ずっと、ずっと……こうしてたい…
っんん、ぁ、アッ…!きもち、いっ…!」
——嘘。さっきから吐き気が止まらない。
「ぁう、あっ……あンッ…!……っは、そんな、事……おれに教えていいの……?嬉しい……」
——本当。やっと吐いたなゲス野郎。
この手の輩は、立場的な弱みを見せ懐に入り込めば、容易く手の内を明かす。
——全くもって馬鹿なやつ。
油断しきった獲物に、隠し持っていた刃を突き立てる。
「情報提供ありがとう。
最高に気持ちよかっただろう?それがせめてもの礼ってやつさ。」
悦楽に塗れた夢物語はこれで終わり。
血と白濁に塗れながら、ずるりと腰を引けば、物言わぬ骸を見下ろし、独特の匂いに軽く嘔吐きながら身支度を整える。
「——さて、気分は悪いがこいつを片して帰るとするか。
……皆、喜んでくれると良いな。」
身を汚すのは、自分だけで十分。
心は悲鳴をあげているが、それはそれだ。
ひび割れた心なんざ得意な嘘で塗り固めてしまえば良い。
『よくやった』と
温かく迎えてくれる仲間がいるのだから。
このくらい、なんてことは無い。