オル光♀ / ハンドクリームの話 暖炉から薪が弾ける音が聞こえ、オルシュファンは微睡みから目を覚ました。ふと周囲を見渡すと、先程まで自らの隣に座っていた恋人・ユゥイの姿がない。オルシュファンは覚醒しきれていない意識のまま、ソファーからゆらりと立ち上がり、ユゥイの姿を探し始めた。
耳を澄ませてみると、部屋に備え付けられた簡易的な厨房の方から、食器が触れ合う音がする。周囲をよく見れば、サイドテーブルに置いたはずのコップが二つと、イシュガルドマフィンを乗せていた皿が消えていた。自分が寝ている間に、彼女が片付けてくれたのだと気づき、オルシュファンは厨房へ向かった。
「ユゥイ」
驚かせないよう小さく声をかけると、ユゥイはくるりとオルシュファンの方へ振り向いた。
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