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    なつのおれんじ

    @orangesummer723

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    なつのおれんじ

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    オル光♀がハンドクリーム手ックスする話。自機の名前が出てくるよ。全年齢だけどちょっとだけいかがわしい。

    #オル光
    olLight

    オル光♀ / ハンドクリームの話 暖炉から薪が弾ける音が聞こえ、オルシュファンは微睡みから目を覚ました。ふと周囲を見渡すと、先程まで自らの隣に座っていた恋人・ユゥイの姿がない。オルシュファンは覚醒しきれていない意識のまま、ソファーからゆらりと立ち上がり、ユゥイの姿を探し始めた。
     耳を澄ませてみると、部屋に備え付けられた簡易的な厨房の方から、食器が触れ合う音がする。周囲をよく見れば、サイドテーブルに置いたはずのコップが二つと、イシュガルドマフィンを乗せていた皿が消えていた。自分が寝ている間に、彼女が片付けてくれたのだと気づき、オルシュファンは厨房へ向かった。
    「ユゥイ」
     驚かせないよう小さく声をかけると、ユゥイはくるりとオルシュファンの方へ振り向いた。
    「あれ、もう起きちゃったの? まだ寝ていてもよかったのに」
    「いや、もう十分仮眠は取らせてもらった。それに、お前だけに家事をやらせるわけにはいかないからな。私にもやらせてくれ」
     オルシュファンが流し台に置かれていた食器に手を伸ばそうとすると、ユゥイがそれを制止した。
    「これくらいすぐ洗っちゃうから、私に任せてくれて大丈夫だよ。オルシュファン、いつも忙しいでしょう? 今日くらいはゆっくりして欲しいな」
     ユゥイが眉尻を下げながら、へにゃりと笑う。忙しいのはお前もだろうと反論しようとしたが、ユゥイの好意を無下にも出来ず、オルシュファンは彼女に甘えることにした。
    「そうか……感謝する。ならば、次に機会があれば、私が洗うことにしよう」
    「うん、そうしてくれると嬉しいな」
     花のような笑顔を見届けて、オルシュファンがリビングへ戻ろうとしたその時、ユゥイが小さく悲鳴を上げた。
    「痛っ……」
     その声に、オルシュファンは弾かれたように踵を返す。
    「どうした⁉︎」
     慌てて厨房に戻ると、ユゥイが苦痛の表情を浮かべながら、指先を強く握りしめていた。
    「だ、大丈夫! 思ったより水が冷たくて、びっくりしちゃっただけ」
    「それにしては、随分と辛そうな顔をしているではないか。ほら、私に見せてみろ」
     オルシュファンに言われた通り、ユゥイがおずおずと手を差し出すと、その指先は真っ赤に染まっていた。
    「これは……凍瘡を起こしているな」
    「凍瘡?」
    「しもやけ、と言った方がわかりやすいか。冷たい環境で、水仕事などをすると起こりやすい。心当たりはあるか?」
     ユゥイはしばらく考え込んだあと、何かを思い出したかのように、はっと顔を上げた。
    「そういえば最近、仕事をする時は手袋を外しがちだったかも。今使ってるいる手袋、戦闘になると汗で蒸れちゃうから……昨日クルザスで仕事をしてた時も、暑くて外しちゃってた」
    「成程な。おそらくそれが原因だろう。今後クルザスで仕事をする時は、手袋を外してはいけないぞ。それと、蒸れない手袋に変えた方がイイ」
     わかった、と言いながらユゥイが大きく頷く。オルシュファンは微笑みながらユゥイの頭を撫でたが、痛々しい指先が視界に入り、眉間に皺を寄せた。
    「しかし、お前の美しい肉体が傷ついているのを見るのは堪えるな。なんとかしてやりたいものだが。……そうだ、あれを借りてくるとするか。少しここで待っていろ」
     オルシュファンはそう告げると、ユゥイをその場に残し、急ぎ足で部屋を飛び出した。

    「これは……塗り薬?」
     部屋に戻ったオルシュファンがユゥイに差し出したのは、乳白色の軟膏が入った小さなガラス瓶だった。
    「ああ。キャンプの炊事場担当に伝わる、特別製の軟膏だ。以前メドグイスティルが凍瘡になった際に、使っていたのを思い出してな。少しばかり拝借してきた」
     オルシュファンは小瓶の蓋を開けると、鼻先を近づけて香りを嗅いだ。
    「うむ、イイ香りだ。保湿効果のあるラテックスに蜜蝋、香り付けにラノシアオレンジの果汁が使われているらしい。イシュガルドは物資の流通が偏りがちだが、広く冒険者を受け入れている我がキャンプだからこそ、作ることができる成分というわけだ」
    「そんな貴重なもの、私なんかが使っていいの? それに、私……」
     ユゥイは申し訳なさそうな表情を浮かべたが、なにを言うか、と言ってオルシュファンは笑った。
    「お前は雪の家の、ひいてはキャンプ・ドラゴンヘッドの大切な仲間なのだ。遠慮の必要などどこにある」
     オルシュファンはまるで子供を諭すような柔らかい笑顔を浮かべ、ユゥイに手を差し出すよう促した。その笑顔に絆されたのか、ユゥイは固い表情を和らげて小さく頷いた。
     おずおずと差し出された小さい掌を片手で捕まえて、もう片方の手で小瓶から軟膏を掬い上げる。
    「それに今は、私の大切な恋人でもある」
     ユゥイがはっと顔を上げた時、オルシュファンの視線は熱を帯びたものに変わっていた。

     滑らかな軟膏を纏った指が、ユゥイの細い指を絡めとる。オルシュファンは赤く染まった指先を優しく握りしめると、親指の腹で軟膏を塗り込むようにして、ゆっくりと動かし始めた。
    「オルシュファン、これくらい自分で出来るよ?」
    「私がこうしたいのだ。悪いが、大人しく私に尽くされてくれ」
     オルシュファンの骨張った指が、ユゥイの肌の上をぬるりと滑る。手のひらの体温で温められた軟膏は、まるで潤滑油のように滑らかに広がった。その感触を気に入ったのか、オルシュファンが軟膏を塗り込むたびに、ユゥイは気持ち良さそうに目を細めた。
    「こうして、凍瘡を起こした場所に塗り込むのもイイが、保湿目的に使用するのもイイらしい」
     オルシュファンは、ユゥイの手のひらを中心に軟膏を塗り始めた。二人の手の大きさは、大人と子供ほども差があり、ユゥイの手はあっという間にオルシュファンに包み込まれてしまう。
     触れ合った肌から、互いの熱が伝播していく。ふにふにと親指の腹で押し込むように、オルシュファンはユゥイの手のひらを揉みしだいた。マッサージと言えば聞こえが良いが、その手つきはあまりにも情欲的だった。
    「お前はこんなにも小さな手で、武器を振るっているのだな」
     ふと、オルシュファンはハンドクリームを揉み込むのを止め、じっとユゥイを見つめたあと、人差し指で手のひらをなぞり始めた。
    「っ……!」
     ユゥイの身体がびくりと震える。オルシュファンは絶妙な力加減で手のしわを擦りながら、指先を何度も往復させた。ふとそれが止んだかと思えば、オルシュファンの指はユゥイの手の甲に移動し、骨の筋をゆっくりとなぞっていく。先ほどとは明らかに触れ方が異なり、ユゥイの瞳には戸惑いと期待の色が浮かび始めた。
    「オルシュファン、くすぐったい」
    「すまん、あまりにも触り心地が良くてな……癖になりそうだ」
     ユゥイの手は、凍瘡を起こしている箇所以外、まるで絹のように滑らかだった。その感触を確かめるかのように、オルシュファンの指先はユゥイの手を撫で続ける。そして指の谷間を掠めた時、ユゥイから溢れ出した小さな吐息を、オルシュファンは聞き逃さなかった。
    「お前はここがイイのだな」
     触れるたびに華奢な身体は揺れて、まるで迸る快楽を逃そうとしているようだった。片手でユゥイの手首を掴み、もう片方の手で指の側面を撫で上げる。人差し指と親指で細指を挟み、すりすりと上下に擦ると、ユゥイは肩を震わせながら、何かを堪えるかのようにぎゅっと目を瞑った。
     その様子を見たオルシュファンは、自らが唾液をゴクリと飲み込む音を聞いた。
     これ以上はまずい──咄嗟に理性が働き、オルシュファンは慌てて絡めていた指を解いて、行き場のない手を空中に漂わせた。明日はお互いに仕事があるので、今日はゆっくり休もうと、二人で決めたのは記憶に新しい。愛する人のため、今は我慢の時だ。そう自分に言い聞かせ、手を引こうとした次の瞬間、オルシュファンの理性はすぐさま崩壊することになる。
    「……続き、しないの?」
     消え入りそうなほど小さな声が、オルシュファンの頭の中で反響する。ユゥイは追いかけるように手を伸ばすと、自らオルシュファンに指を絡ませた。それがオルシュファンを情欲の沼に引きずり込んだのは、言うまでもない。
    「逃げ道を与えてやったのに、お前というやつは……」
     オルシュファンは呆れながらも、自らの中の欲望がむくむくと膨れ上がっていくのを感じていた。
     貝合わせのように指を絡め、お互いの手のひらの温度を確かめる。指先で手の甲をくすぐると、ユゥイは頬を赤く染めながら、照れくさそうに笑った。
    「オルシュファンの手、太陽みたいに暖かくて気持ち良いから、もっと触って欲しいの」
     そう正直に伝えてくる恋人があまりにも愛おしく、オルシュファンはまるで捕らえた獲物を離さない獣のように、ユゥイの手をぎゅっと握りしめた。
    「この手がイイと言うのならば、思う存分愛でさせて貰おう。ただし、私が手だけでは飽き足らなくなっても、文句は受け付けないぞ」
     オルシュファンが、ぎらついた視線をユゥイに向ける。冗談めかした悲鳴を上げるユゥイを抱きしめると、オルシュファンは小さな身体を寝室へと運んでいった。


    END



    ~~~ここから蛇足と補足~~~
    ・ユゥイちゃんはこの時点で白魔導士なので、本当はしもやけなんて自分であっという間に治せる。でもオルシュファンが自分のために手を尽くしてくれるのが嬉しくて甘えている。大人しい性格だけど、オルシュファンとえっちなことをするの時はとても積極的。(オルシュファンが大好きなので)
    ・ユゥイちゃんはアジムステップ出身で、しもやけとは無縁の生活だった。水仕事は強制的にさせられていたので、手が荒れることはしょっちゅうだったので、しもやけも対して気にしていなかった節がある。オルシュファンはユゥイちゃんの自分を大切にしない面を見抜いていて、過保護になる傾向にある。

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