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    すず@ブルロ沼

    @cobaltnight0803

    凛潔にどっぷり沼って妄想小ネタを書き殴る場所。
    潔右固定。逆リバ、潔右以外の攻の他カプが地雷のため自衛してます。

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    すず@ブルロ沼

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    ワンライ
    rnis/凛潔
    お題:手紙
    未来捏造。プロ選手。作中に描写はありませんが潔は🇩🇪、凛は🇫🇷にいる設定。
    潔が一方的に送るだけの文通をしている二人の話。

    ##凛潔

    『凛へ

    こうやって手紙出すのも何度目かな? ま、お前は返事一回もくれなかったけどな!
    こうやって文通始めてから色んなことあったな。サッカーのこと。仲間のこと。家族のこと。そして、お前のこと。本当に、色々あって。その度にこうやってお前に手紙を出してた。
    お前は返事くれなかったけど、ちゃんと読んでくれてるのは知ってるよ。だってたまに話してる時、手紙にしか書いてないこと、ちゃんと把握してくれてたもん。
    あ、バレてたって知ったら、お前は怒るかな? 頼むからここで破り捨てないでくれよ。まだもう少しだけ続くんだから。

    あー、そういえば何度か送らなかったこともあったな。お前に熱愛報道があったりして喧嘩した時。流石にその時は俺も手紙送る気になんてなれなかったし。
    一度別れる寸前くらいまで大喧嘩した時のこと、覚えてるか? 今思えば何が原因だったかちゃんと思い出せないけど、結構派手に喧嘩して手紙もメッセージもしばらく送らなかった。このまま自然消滅するんじゃないか、って思うくらい全く会わなくて、その時間がすごく長く感じた。
    その時、最終的になんで仲直りしたか覚えてるか? 
    突然お前が俺の家に殴り込みに来てこう言ったんだ。

    「定期便、勝手に止めてんじゃねぇ」って。

    勝手に俺の文通を定期便扱いしてるし、そもそも返事出さないくせにさぁ。
    でも、何かおかしくて笑っちまった。そんで、なんか意地張ってるのも馬鹿らしくなっちゃって、そのまま仲直りしよって。
    本当にお前は不器用だよな。あ、やば。思い出したらちょっと笑い止まらないや。

    はー、笑った。
    でもさ、こうして振り返ってみると結構楽しかったな、この文通。



    でも。
    お前もわかってると思うけど、この手紙が最後。



    これからは────』






    最後の一文を書き終え、カタン、とペンを置く。
    丁寧に便箋を折りたたみ封筒に収める。少しだけ感慨深げに見つめて、封を閉じる。

    完成した手紙と筆記用具を鞄にしまい、潔はがらんとした何もない部屋を見回す。
    ドイツでプロとしてプレイし始めてから数年間。この部屋でずっと生活をしてきた。慣れない異国の地での生活は最初は苦労の連続で。楽しいことも苦しいことも、この部屋で色々あった。
    そんな苦楽を共にしたこの部屋とも、今日でお別れ。

    「今まで、お世話になりました」

    そう告げて、潔は玄関へ向かう。
    扉を開けると、外の暖かな陽気が流れ込んできた。バタン、カチリ。
    最後に扉を閉めて鍵をかける。

    そうして最後の仕上げを終えて、潔は歩き出そうと振り返った先によく知ってる人物の影を捉えた。

    「凛」
    「おせぇ」
    「待っててくれたのか、ごめんな待たせて」
    「迷子にでもなられたら困るからな」
    「そこまでお子様じゃねーし!」

    ぶっきらぼうに答える凛に駆け寄れば、すぐに行くぞ、と歩きだす。特に気を悪くするでもなく、潔は凛の隣に並んで歩調をぴったり合わせる。
    春の暖かな日差しが二人に降り注ぐ。

    「あ、そうだ凛。はい、これ」
    「あ?」
    「最後の文通」
    「わざわざこれ書いてたのかよ」
    「ちゃんと終わらせるならしっかり締めておかなきゃと思ってさ。あ! ここで読むなよ!」
    「そもそも読まねーよ」
    「ふーん、でも受け取ってくれんだよな」
    「……チッ」

    全てわかってますよ、と言わんばかりにくふくふ、と楽しそうに笑う潔に、凛は眉を潜めて仕返しに頬を抓ってやる。

    「いててて、引っ張るなよ」
    「うるせぇ」

    潔の頬から手を離して、そのまま今度は潔の手を握る。

    「へ?」
    「おら、さっさと帰るぞ。……俺らの家に」
    「!! おう!」

    凛の言葉に満面の笑みを浮かべて、潔は手を引かれるまま凛の隣にぴったりと並ぶのだった。




    『これからは────
    手紙じゃなくて、直接全部伝えるから。よろしくな。』






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