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    huzituba_bmb

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    つむら参の開催おめでとうございます!

    こちら文章展示となります

    ー注意事項ー
    ・フの単純さ具合
    ・頭空っぽで楽しむ用作品


    本を出そうとしていたネタの『アイドルパロ』から描きました。
    拙作ではありますが、お楽しみいただければ幸いです。

    Maplemoon活動日誌「モクマさんとは正反対なタイプだと思いますが、上手くやれていますか?」
    そうインタビュアーの男性から聞かれた。男性の横にいる先輩女性が肘でごついている。
    その状況に爽やかな笑顔を崩さないようにしながら答える。なに、予想内の質問だ。
    「そうですね。モクマは積極的に声をかけてくれるタイプなので、仲良いですよ」


    「フウガさんとタイプの違うお二人ですが、現在の仲は良好でしょうか?」
    そう向かい合うインタビュアーの女性に聞かれ、悩んで見せる。事務所から想定される質問リスト上位なので、よく印象に残っているんだ。
    「うーんとね、フウガと俺、仲良いですよ?この前にはフウガの部屋に遊びに行って……」


    お互い同じ時間にインタビューが始まったが、モクマのほうが20分長引いた。
    「わーごめんねぇ!白熱しちゃった!スケジュール大丈夫?」
    マネージャーに謝りながら問うモクマに、マネージャーは長引くことを想定して予定組みしていたらしい。
    モクマは尊敬していたが、事務所は優秀なマネージャーを付けたのだと私は知っていた。
    恐る恐るモクマが本を開く私に近づいてくる。
    「フウガも、待たせてごめんね」
    「なに、本の続きが気になっていたからな」
    「優しいー!」
    丁度いいところでパタンと本を閉じ「それで、何に白熱していたんだ?」と何気なしに聞いてみた。
    「ほら、仲良いかって聞かれてさー。この間のフウガの部屋の話したんだよ」
    「ふーん…………ん?」
    「あの場でダウンロードのスマブラ買ったじゃん」
    「まさか」
    「それでフウガのキャラの幾度とない落ち具合を話してた」
    「おっお前ーーーーー!」
    思わず絶叫していた。私のイメージが!!!
    「えっ?駄目だった?」
    「えっいや、モクマお前、私のイメージというものをだな……」
    私は思わず頭を抱えるも、モクマはマイペースに「フウガはフウガじゃん」と笑顔で返して来たのだった。


    ーーー


    フウガとモクマは、二人ユニットのアイドルだ。「Maplemoon」として大活躍している。
    クールで知的な雰囲気のフウガと、運動神経抜群で若者らしいモクマを組み合わせることによって相乗効果を期待したグループは功を奏し、一躍人気アイドルとなっている。
    私はそのマネージャーだ。
    いやぁ……眼福眼福……。
    顔面が良いということなのは当たり前として、ふたりが仲が良いことが"眼福"なのだ。

    車移動中のこと。
    「ねぇ、フウガ。この前の柴犬の……」
    「モクマ」
    「え、なに?」
    「その話をテレビとかでするんじゃないぞ」
    「え、柴犬クッションの話?」
    「それ!だ!するんじゃあないぞ!」
    「なんでよ!柴犬クッションをゲットしただけじゃん!」
    「だからだ!私のイメージが崩れる」
    「えぇー素のフウガ、皆知りたいと思うけどなぁ」
    「いやだからなぁ…これはこれ、それはそれだ」
    「えぇーカワイイじゃん。柴犬クッション撫でてるのとか」
    「だから!それが!駄目なんだ!」
    「えぇーー」
    この会話が10分ほど続き、遂に現場に到達するタイミングで「この話は終わりだ!」とフウガの方が話を切る。
    カバンを持ちながらモクマは「えぇーいいじゃん、もー」といつもの区切りに納得行かないようだった。
    「終わり!だ!」
    「もーはぶらかす」
    「つぎ行くぞ」
    「あーはいはい……」
    結局はフウガの流し勝ちな結果となったが、このあとの収録で柴犬のクッションゲットだけの情報は公開してしまった。そのときのフウガの顔といったら“もうどうにでもなれ“と呟きそうな顔を影でしていたことを私は見逃さなかった。
    マネージャーという立ち位置はお得だ。フウガとモクマ。このふたりの眼福な関係を目撃できるのだから!

    それにしても、だ。
    フウガには、モクマへの貢ぎ癖があるのだ。
    最初はお菓子だった。フウガは食べてもグミや飴のみだったが、今ではすっかりバウムクーヘンだの煎餅だのを持ち歩くようになった。自分では食べないのだ。移動中に全てモクマに渡している。
    「モクマ、いるか?」
    「わ!煎餅!アイスクリーム後の煎餅助かる!いいの!?」
    「私はお腹いっぱいだ。ほら」
    「やったーありがとう!」
    といった具合だ。
    他にもある。最近思いの外、フウガが服やバックを与えるのだ。モクマは無頓着な服装をするため、私服紹介の仕事が来たらどうしようかと頭を悩ませていたが、フウガのお陰で難を逃れた部分はある。
    思い返せば最初は「斜め掛けバック」だっただろう。
    あまりにボロボロなのを使用し続けるのを見かねて「ほらモクマ、プレゼントだ」と楽屋で無理やり渡していた。「いやいいよ、勿体ないよ」と言うモクマに「お前のために買ったんだ」と言い、モクマは渋々貰い受け、数日使い続けて良さを実感しフウガに「あれいいよ!ありがとうね!」と言っていた。
    そこから味をしめてしまったのかもしれない。
    頻繁ではないものの、フウガは買い与えているようだ。ある時はふたり外出時に。ある時は楽屋にて紙袋を突き出して。それを繰り返すとどうなるというと、驚くほどにモクマの服装が洗練されていくのだ。フウガの見立てがとても良く、モクマの着やすさにも配慮しているためモクマ自身意識せず着ている。所謂シンプルなストリートファッションと仕上がってきているのだ。
    だが最近弊害が生まれた。モクマの気兼ねない発言だ。
    「これはフウガが……あ、これもフウガがくれたやつ。これは一緒にお店は行ったときのやつ」と暴露したのだ。これにはフウガも……と思い、顔を見ていたが寧ろ涼しくドヤ顔していた。もはや「服装を見立てるのが好きで」と付け足す始末。
    もう止まらないのだろう、と私は察してしまった。
    今でももうダダ漏れだろうに。更に一層、世間に「フウガがモクマのことを強く好意を抱いている」ことが知れ渡るんだろう。もはや確定事項だ。
    一方で、モクマには伝わらないままである。



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