2024/07/01 あの物語に蛇足をつけるということはとても出来ることではなく、私にはただ、もどっかしい文を打ちたいという感情だけが残るのです。
誰かが幸せと感じる物語も、生やす気は起きません。
しいて出来ることを考えました。
何もできやしません。
一つありました。
あの骨は牢屋の中で、透明になっていました。
共にいることしか、出来ませんでした。
肉の中から支える骨として、喋ることも出来ませんでした。
大切な人と、共に逃げようと、言うことも、出来ませんでした。
骨は静かに、己の肉体の声を聴いていました。
「.................つつ、罪、から、は、逃げない。」
「..........きき、っき、気持ち、だけ。あ、りがと。」
静かに、聴いていました。
静かに、聴いていました。
一つだけ、骨が言わなかったことがあります。
これぞ、真の蛇足です。
かの冒涜的な世界に、死後があるのなら。
彼は、こう言うでしょう。
『一緒に生きてくれて ありがとう』
お太鼓叩いて 笛吹いて
あどけない子が日曜日
畳の上で
遊びます
お太鼓叩いて 笛吹いて
遊んでゐれば 雨が降る
櫺子の外に
雨が降る