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    春園ひなた

    @hinata_kr

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    春園ひなた

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    晶+フィガロ。サンリオコラボイベスト後日談。お互い感情はあると思うけどでもこれ地の文抜きで言動だけなら原作程度じゃない!?て気もする。

    ##pixiv収録済み

     賢者様の世界からやってきたかわいらしい人気者たちは、帰ってしまった後もしばらく魔法舎の話題の中心だった。確かにみんな魅力的で友好的だったから、子どもたちや動物に目がない者が魅了されてしまうのは無理もないだろう。だが、賢者様までいつになく興奮して、思い出すだけで目を輝かせるのはいただけなかった。
     そりゃあ、久々に目にした元の世界の住人、しかもいつも遠目にしか見ることのできなかったスターに、そもそも猫に目がないような人間が出くわしたら衝撃は大きいだろう。だからといってもう帰ってしまった相手を思っていつまでもうっとりされるのは面白くない。他の魔法使いとその話題で盛り上がるだけならまだしも、俺と二人きりで「仕事」をしているときでさえ上の空なのだから。
     俺の方がかわいいなんて言うつもりもないが、少なくとも今目の前にいるのは自分だということくらいは示してもいい気がして、俺は片耳だけを器用に動かしてみせた。さすがに気づいた賢者様が、確かに俺を見る。
    「……えっと」
    「あれ、反応薄いな。かわいくなかった?」
    「フィガロはそれがかわいいと思ってるんですか?」
    「あの犬がかわいいってはしゃいでたのは賢者様でしょ」
     本当にかわいいと思われるつもりでもなかったけれど、まるで意味が分からないというように問い返されるのも心外だった。きみが一番分かってるでしょう、目の前の俺そっちのけで浮かれてたんだから。とは言ってやらずに見つめると、賢者様は何故だかふふっと笑った。
    「フィガロがそんなことしてもかわいくないですよ」
     微笑ましいと言いたげな声色で告げられたあんまりなセリフに、さすがの俺も言葉を継げずにいると、賢者様はさらに続けた。
    「いつものフィガロが一番かわいいです」
     ふわり、という表現が似合いそうな笑みから、俺は一度目を閉じてため息をついてみせることで逃れた。
    「そういう口説き文句、どこで覚えてくるの……」
    「本心ですから」
     見た目よりも手強い賢者様は、まだにこにこと笑っていた。
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    春園ひなた

    DOODLE「猫の瞳」晶フィ
    ナンジャ第二弾かわいすぎたので、何番煎じかつ自分でも過去に書いてるんですが猫に変身ネタを書きました。
    重心としては猫以外の方に寄っていますが……。
     猫になったフィガロを見て、俺は目を輝かせてしまった。
    「わああ!」
     毛足が長くて、整った顔立ちをしている。ふわふわした尾を優美に振って、こちらに目配せしながら顔を洗ってみせる。サービスの良さも、きれいな榛と灰の瞳も、これがフィガロであることを物語っているのだが、そうやって意識しないと忘れてしまいそうなくらい、俺は目の前の猫に心を奪われていた。
    「触っていいですか? わっ」
     聞き終わる前に向こうから手にすり寄ってきてくれて俺は感動する。うっとりするほどやわらかくなめらかな毛並みだった。
    「はあ……ふわふわ……すべすべ……すごいねえ」
     一度触れてしまうと離すのが惜しくて、俺は両の手で猫を撫で回す。気持ちよさそうにゴロゴロと喉を鳴らしてくれるのがたまらない。しまいに腹を出してくれたので、かがみ込むように顔を近づけた。このまま頬ずりしてしまいたい。吸ってしまいたい。にゃあん、と甘く鳴かれる。いいよと言ってくれているんだろうな、と思いながらも顔をうかがって、改めてその瞳に見惚れた。
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    ツキシロ

    DONEガルシア博士×アシストロイド晶♀。パラロイ軸本編後、ラボに残った晶。約五十年後、博士が亡くなった後、旅に出ていたオーエンとクロエがラボを訪れる話です。捏造多数。晶はカルディアシステム搭載です。
    パラレルワールド・スターチス 博士のことですか?
     そうですね、とってもお優しい方でした。私たちアシストロイドのことも、友人のように扱ってくださいました。アシストロイド差別について、何度か講演などもしていらっしゃいましたが、あれは本当に、仕事だからやっていたのではなく、私たちアシストロイドのことを、生活のパートナーとして思っていてくれたことは、ラボラトリーの中の人間も、もちろんアシストロイドも、誰もが知っていることです。
     それ以外のこと? もうお亡くなりになった方のことを話すのは憚られますが……そうですね、博士が受けていらっしゃったお仕事ですから……とても、真面目な方でした。真面目、といいますか、本当に研究がお好きなんだな、と思うことが多々ありました。研究だけではなく、先ほどのような講演やメディア出演、ラボの中での会議など、寝る間もない時期というものが、一年の間に何回もありました。それでも、ご自分の興味があることを見つけると、目がきらきらと輝いて、そのことに集中して、三日も寝ない、ということもありました。ええ、そういう時は、私や、その他の博士の助手を務めていたアシストロイドが、無理矢理にでも寝室にお連れしました。脳波や呼吸、脈拍などを感知していれば、さすがにもう休ませたほうがいい、という潮時は、私たちアシストロイドにはわかりますから。そのために博士は私たちをおそばに置いてくださったのだと思います。
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