ふぁんすく次元の未来の司と。 薄く汚れた、イカ臭い匂いの漂う、暗い、とある都内の倉庫。
そこでは一人の青年が泣き叫び、中年の不潔な男たちがそれを囲んで、マワし、笑っていた。
「も、やぁ”、たす、いや”、離してッ…くれ…!」
≪いやいや司ク~ン?wアイドルなんでショ?こんくらいでへばらないでヨ~w≫
≪あ、そうだ記念に写真撮ろ!ホラホラw司クンおちんちんなめて♡ピースして♡≫
青年にはもう彼らの声が人間の物とは思えなかった。
顔中に男たちの欲望をぶちまけられたせいもあるが、それ以上に、自身のこんな目に合わせる彼らを、青年は『自身のファンの人間』だと思いたくなかった。
「やだ、しゃしん、ぅあ”、とらない、で…!あいどるが、できなくなってしま、う”」
≪ン~?司クンっておぢさんたちに断れる立場だったけ?妹チャン、どうなってもいいのカナ?≫
「っひ、ぁ、や、おねがいだ、さきには、ぇう、なにも…!」
≪じゃあおぢさんたちの言ってることに従ってネ♡お、じゃあおぢさんのシャセイと同時に司クンのイったお顔撮っちゃお~♡≫
≪いくヨ~?はい、チーズッ!≫
びゅるるるっ‼
「お”ぁ、や、ぁ”………!」
≪…て、アレ?司クンもしかしてトんじゃった?w≫
「………」
≪ま、いっかもう。司クンの穴結構ガバガバになっちゃったもんネ~≫
≪オ、そーだ。いいこと思いついちゃった♡ンート、司クンのお指拝借~♡せっかくだしこの記念写真、司クンのファンのみーんなにも見てもらわない?w≫
≪いいネwww最高すぎw同担乙~ってナw≫
≪お、一番フォロワー多いし公式マークついてるし、この垢じゃないノ?ンート、『ファンのみんなこんばんわ!♡今日は俺のおぢさんたちとのラブラブな絶頂写真でも見て楽しんでくれ♡もちろん俺のケツマンコはおぢさんたち専用だがな♡』っと…≫
≪やばおまwwwww構文最低すぎだろwww≫
≪司クンが起きたらどんな反応するか楽しみだネ~wじゃあネ司クン♡さすがのおぢさんたちも特定されちゃったら洒落にならないからサw≫
≪後処理、起きたら頑張ってネ~?w≫
男たちは自分たちのモノをテッシュで拭き、そのテッシュを倒れたまま動かない青年に投げつけると、下着とズボンをはいてどこかへ行ってしまった。
そしてその空間に残っているのは、青年と、白く汚い、男たちから放出された欲望と、汚く丸められたテッシュと、
永遠にヴー、と、通知のバイブ音を鳴らしながら、いろんな人たちの感情が、批判が、混乱が、文字となって暴れられ、薄暗い倉庫内を気味悪く照らしていた。