十歳からはただの人城の壁のそばで小さくうずくまっている真っ白い布の塊を最初、ゴーストかと思った。布はそよ風にゆらゆらと揺れて、そのはためく布の端からチラチラと見える小さな指先が地面を掻いているのが見えた。
ナックルシティは古い街だし、ナックル城は昔からゴーストがいると言われていたから、やっと会えたのかとワクワクした。音をたてないようにそっと歩いて布の塊に近づく。そぅっと、そぅっと……。
「捕まえた!」
「うひゃあ!?」
体全体で体当たりをするように白い布の塊に突っ込んで、逃がさないように両手でぎゅうっと抱き締めた。途端に、甲高い悲鳴をあげる塊。そして自身の手や胸やくっ付いたところ全部にポカポカとした熱を感じ、オレは首を捻った。
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