ベビーパウダー目の前には野郎の胸、俺の膝に乗っかるようにヒゲ面の垂れウサミミ、もといライナーは両膝をソファーに付け腰を引き俺の足に体重が乗らないようにしているが、不安定な体勢のせいか若干プルプルしている。ウサミミも相まって大の男が小動物のように見えてしまう。
「おい、とりあえず俺の膝に座れ、震えられてる方が気が散る」
そう言うと、ライナーは手を俺の肩に掛けゆっくりと座り「ありがとう」そう小さく呟いた。
「本題だが、あの宗教団体については誘拐された少年から事情聴取で唯一少年が見覚えがあった当時の州知事が誘拐実行犯として逮捕されたが、本人は黙秘を貫き、他の幹部は不明、ユミルって教祖様も不明のまま団体は解体。これ以上捜査仕様がなく打ち切りとなっていた。」
「ああ、あの後母さんは神に背いたと騒ぎおかしくなったからな。」
どうやら家庭内にだいぶ事情がありそうだが、俺はこれ以上余計な首は突っ込まないことにした。
「本来この手の宗教団体にはユミル様と呼ばれる教祖様だが存在が全く見えない。検討さえつけば調べられるが、まだそこまで情報はない。悪いな。」
「いや、俺は宗教団体を解体させたいとかじゃないから気にしないでくれ。」
とりあえず必要な情報交換だけ遣り取りすることで意見は一致した。
「お前、オーナー曰く人気があるらしいな」
「そうなのか?」
自分のことなのにまるで興味がないのかどこか他人事のように質問が返ってくると思っていなかった俺は思わず真正面からライナーを見上げると、どうやら本当にわからないらしい。困惑した顔をして不安そうに目が揺らいでいる。
「無自覚かよ。そりゃあ尚更苛立つだろうな」
殴っていたスポーツマンの理由がなんとなく分かり同情する。
何か情報に繋がればと、あの事件の頃を思い出しながら話をしていたらあっという間に時間が過ぎていた。
「そろそろ仕事に戻らねぇと編集が間に合わない、今日が最終日だからな。」
「あっ……そうか今日までだったな。その、ありがとう、俺なんかと話をしてくれて」
どこか寂しそうな顔をしている姿に本当にこいつには垂れミミが付いているんじゃないかと錯覚する。
「連絡する」
自然とそう口にしていた。
「何か収穫あった?」
裏に来た俺にピークが聞いてきたが、収穫らしい収穫はないので首を横に降る。ピークの方はインタビューを撮り終えたらしい。聞けばオーナーの太鼓判をして協力してもらったらしい、相変わらず人使いが上手い。
オーナーが連れてきた人達のインタビューも撮れたし後は帰ってから編集作業に取り掛からなければならない。
店が閉まった後のミーティングでキャストやスタッフ全員に取材協力のお礼の挨拶した後、放送日まで数日しかなかった為、すぐさま職場に戻り編集と打ち合わせに時間を追われ、気づけば三徹。限界を迎えた俺はやっと自宅に戻り直ぐシャワーを浴びた後泥のように眠りについた。
目を覚ませば辺りは真っ暗やみの中、携帯の点滅する光がある。昼間帰ってそのまま寝たことを思い出す。携帯を確認すれば、ライナーから放送を見た旨の報告とインタビューを受けた幼馴染みに驚いたこと、お店のより良い印象に感謝が綴られていた。
(律儀な奴)
垂れミミ付けたライナーが焦りながら感想を伝えてくる姿が簡単に想像出来てしまい思わず笑ってしまった。
スクープを追いかけている間もたまにライナーとはメッセージの遣り取りをしていた。もちろん情報交換だが、たまに他愛のない話をするぐらいにはなっていた。
ある日『見せたいものがあるから店に来てくれ』とライナーからメッセージが届いた。
なんとなくメッセージに違和感を抱いたが、収穫があるかもしれないと久しぶりにあの店を訪ねることにした。
「あれ、お兄さんいらっしゃい」
出迎えてきたのはスポーツマンだった。
「ライナーはいるか?」
「あ~、まだ来てないけど、先に案内する」
そう言って、VIP席に案内され部屋に入ると何故だかスポーツマンも一緒に入ってきた。
「味見は色々した方がお得だぜ」
そう訳のわからないことを言ったかと思えば、突然ピチピチの黒いパンツを脱ぎハイレグのような際どい紐パン姿になる。
「はぁー!!?」
あまりの出来事に大声を出した俺に構わず、膝をついて指で輪っかを作り口を開けフェラチオの真似をし、「俺の方が上手いと思うぜ」と言ってくる。
固まる俺を無視してさらに「それともここに突っ込みたい?」
そう言ってテーブルに座り自らの足を広げて見せてきた瞬間、自分の中で急激に何かが冷える。
俺は脱ぎ捨てられたパンツを投げつけ忠告する。
「着ろ、俺がお前を殴る前に」
「………悪かった。悪乗りしすぎた」
険悪な雰囲気を察してか、すぐにパンツを履きながら素直に謝ってくる。
「監視カメラある中よくやるな、クビになりたいのか?」
イライラしながら問い詰めれば、怪訝な顔をしながら「は~?そんなもんねぇよ。VIP様専用だぜ?」と言ってきた。
(どういうことだ?ライナーは監視カメラがあるって言っていたはずだ)
俺が詳しく話を聞こうとする前に部屋の扉が開き、焦ったライナーが入ってきた。
「彼は客じゃないって言ったはずだ」
ライナーが詰め寄ると、スポーツマンは「なにもしてねぇよ。」とめんどくさそうに言いさっさと部屋を出ていってしまった。
「すまない。携帯を事務所に忘れてて、出勤して確認したら勝手にメッセージが。……巻き込んでしまってすまない。」
「はぁ?あの野郎!何がなにもしてねぇだ。メッセージ送ったのアイツだろ!くそっ殴っときゃ良かった!」
後から真実を知り怒りが再熱する。
「俺が忘れてしまったから……すまない。」
シュンッと聞こえてきそうな垂れミミ姿に怒りが縮む。
「チッ………監視カメラ付いてたら証拠になったが……。アイツが言っていたが監視カメラは付いてないらしい」
知った情報を伝えれば、ライナーはサッと青白い顔をする。
まさか……知っていた?
「おい、まさかお前」
その瞬間、青白い顔から真っ赤に染まる。元々白い肌だから隠し通せるはずはなく、わかりやすい反応に思わず腕を掴み引き寄せる。
「!!?」
怒られると思っているのかライナーは不安そうに俺を見る。
こいつがなぜ人気なのか分かる。こいつは男の中にある雄の本能を呼び起こす。自分より大きく強い者を支配出来る快感、その欲望を掻き立てるのだ。そして何より、こいつ自身が支配されることを赦している。それが分かってしまうのだ。
「あっ、す、すまな「なぁ、もしかしてお前、俺に気があるのか」
腕を掴みソファーに押し倒し、顔を真っ赤にしたライナーの言葉を遮り、言い逃がれ出来ないようストレートに聞く。
「あっ」
あからさまに動揺し言い淀むライナーに確信した俺はライナーの顎を掴み目線を合わせ、命令を下す。
「だったら俺をその気にさせてみろ」
前をはだけさせ、パンツを脱ぎ紐パン姿になったライナーは床に四つん這いになりソファーに座る俺のチャックを外し、まだ萎えたままの性器を取り出す。
目を伏せ、胸で俺の性器を挟み揉み込みながら先端を舐め、鈴口に吸い付く仕草に目が離せない。
口をすぼめて咥え込み、味わうようにゆっくり舐めながら揺れるライナーのデカいケツが更に劣情を煽ってくる。
「もういい。」そう言って口から反り立つ性器引き剥がせば、糸を引いて床に落ちる。先走りと唾液でベタベタになった口元を舌で舐める仕草も扇情的だった。
ライナーを引き寄せ跨がらせ、ベビーパウダーの匂いがするピンク色の乳首にしゃぶりつく。片方はしゃぶり、もう片方は揉みしだく。
胸を舐めている間もライナーの手は俺の性器を扱く。しゃぶりつく音と扱く音だけが部屋に響く。
思わずライナーをソファーに押し倒せば、ライナーは俺の顔に触れ、「ここでは本番は出来ない、 だから口に出して」
そう言って、性器を喉元まで咥え込みジュボッジュボッと下品な音を立て頬張り、苦しいのかうっすら目に涙を溜めながら、激しくディープスロートする姿に射精感が高まる。
「くっ!」
ライナーの喉の奥に精子を流し込む。
「ん''ん''」ゴキュ
ライナーの喉元が動く、飲み込みきれなかった精液が口から顎に伝い床に落ちた。
「はぁはぁはぁ」
発散したはず熱はまだ籠ったままだ。
「もし、気が向いたら……」
ライナーに渡された紙には住所と部屋番号が書かれていた。
ブーー。
マンションの呼び出しボタンを押せば、すぐ扉は開かれた。
時間は明け方4時。エレベーターで上り、部屋を軽くノックすれば直ぐ様開かれる。
玄関先で噛みつくようにキスをすれば、直ぐに腕を首に回してきた。
「はっお待ちかねかよ」
ライナーからは石鹸の匂いが漂い、お風呂上りだとすぐわかる。そして準備していただろうことも。
玄関先で靴を足蹴に脱ぎ、ライナーを押し倒す。
お互いもう我慢する必要がないことに興奮していた。
キスを深めながら繰り返しているとライナーがオレ自身に手を添え抜き始める。直ぐに固くなった其れを導き耳元で「欲しい」と囁く。
指をアナルへ宛がえば、ぷっくりとした縁にローションだろうか粘着物が指を濡らす。
「大丈夫だから入れてくれ」
そう囁いたライナーに遠慮せず突っ込む。
グチュッ
「んぅあ!」
「はっ!きっつ」
入り口はキツイのに柔らかく包みこむナカの感覚に腰が止められない。
ライナーの腰を抱え込みより深く奥へ潜り込む。
奥深く差し込んだままナカを味わっていると刺激が足りないのか足でおれを抱き込み軽く揺すってきた。
望み通りストロークを与えてやる。
パンっパンっパンっパン!
乾いた音を奏でながら、ライナーの気持ちいいとこを探して角度を変えながら打ち込めば、「んぁっあ」ナカがキュウッと締まり良い場所に当たったらしい。
集中してそこばかり叩けば、声を抑えきらなくなったライナーから気持ち良さそうな声が漏れでる。
「あっあっあっんぁっ、あっもう」
震えるライナーの男性器を握り抜いてやれば、ビクビクッと震えピュッと小さく射精する。
今どんな顔をしている?
ライナーの顔を見たくて、まだ勃起したままの自身を抜き取り、移動しようと抱き抱える。
「ぁっなに?」
「床じゃ痛えだろ」
そう言い部屋に案内させ、ベッドへ移動させる。
明け方のうっすらした光の中、ベットに横たわるライナーは蕩けた瞳で自ら膝を抱え俺を待ちわびる。
ひざ裏を掴み、顔の横へ曲げちんぐり返しすれば先ほどまで咥えこんでいた入り口がぽっかり口を空けたままテラテラと粘着物が光っている。
「エロいな」
思わず声に出して言えば、「あんまり見ないでくれっ」小さく懇願する声に、舌舐りする。
グチュ、ジュボ♡ジュボ♡ジュボ♡
真上から叩き込むように打ち付ければ、「んぎぃっ!深っ!い!あぁ!」激しくベットが軋む音とライナーが深いピストンに鳴き声をあげる声が合わさる。
ギッ!ギッ!ギッ!ギッ!
グボッ♡ジュボボッ♡ジュボッ♡グヂョッ♡グボボッ♡
ローションが泡立ち挿入音が汚ならしく鳴り響く。
「い''ぃ''!!!イクッ♡イクッ♡」
ライナーが声を上げ 、触っていない性器からビュクッビュクッと液が飛び散りライナーの顔を濡らす。
イッた反動でナカがキュウゥッと締まり更にナカに誘うように激しく蠢く感触に包まれ射精が近い。
「はっはっ!俺もイきそう」
「い''っあ''っもう無理だっまたイッちゃ」
イく寸前、ライナーの奥深くに射精するようにピッタリと肌を合わせねじ込むようにグイグイと精液を流し込むように奥へ奥へと押し込んだ。
けたたましくなる目覚ましの音に目を覚ませば、ぐちゃぐちゃになったシーツのまま寝たらしい。横には死んだように眠るライナーがいた。俺がイッた後、中イキしたらしく痙攣したかと思えば、肢体から力が抜け気絶するように眠っていた。
眠ったライナーの身体を拭き、すぐ寝てしまったことを思い出す。
急展開で正しい関係がわからない。
だが、繋がりがあり、身体の相性も良い、好かれている自信もある。なら俺が言うべきことは一つしかない。眠ったままのライナーを腕の中に抱き込み微かに香るベビーパウダーの匂いを胸一杯に嗅ぐ。
ライナーが目覚めたら今度はカメラ越しではなく生身の人間として二人の関係性を築こう。そう考えながら俺はまた眠りに落ちた。