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    なりひさ

    @Narihisa99

    二次創作の小説倉庫

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    なりひさ

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    ガンマト。ガンガさんを燃やしたマト

    #ガンマト
    cyprinid

    あそこに燃えてるものが見えるかね 目が覚めたときに、真っ先に感じたのは匂いだった。生き物が燃える匂い。それはここら一帯に広がっており、既にマトリフの体に染みついていた。
     マトリフはわざと見ないように顔を背ける。何が燃えたのか、まさか忘れたわけではなかった。
     それよりも先を進んだ仲間の心配をしなければと、頭を切り替える。殺した好敵手に手向けるものは何もなかった。
    「……どうした、マトリフ」
     幼子に手を握られて、よほど自分が酷い顔をしているのだと気付く。顔を背けてもその燃えた亡骸が無くなるわけではない。視界の端には黒く燃え残った塊があった。
     それはもはやガンガディアではなかった。燃え尽きた亡骸は煙すら上がっていない。その輪郭は崩れ、吹き飛んだ体の破片は灰になっていた。
     マトリフは思わずその灰に手を伸ばしていた。だがそれは掴んだ途端に脆く崩れる。柔らかな感触だけを手のひらに残して、風がガンガディアだったものをさらっていった。
    「いったい誰が燃えたのかね」
     背後から聞こえてきた声にマトリフは返事をしなかった。影もない体がマトリフの横に並ぶ。
    「これほど燃えてしまったら、元の形もわからない」
     巨軀が身を屈めて燃えかすを眺める。まるで他人事だ。
    「……お前だよ」
     燃えたのはお前だよガンガディア。オレが燃やしたんだ。その美しい青い体を、全て台無しにした。
     ガンガディアは振り返ってマトリフを見る。その口元に笑みが浮かんでいた。
    「私を殺して嬉しくないのかね」
     ガンガディアの冷たい眼差しが体の奥深くまで突き刺さる。じゃあお前はオレを殺したら喜んでくれたのかよ、とマトリフは小さく呟いた。
    「誰と喋っているんだマトリフ」
     怯えたように手を握る幼子に、マトリフは小さく頭を振った。死んだばかりだというのにガンガディアはお喋りだった。
    「私を殺してどんな気持ちになったのかね大魔道士。教えてくれないか」
     最悪だよと胸の内で呟けば、ガンガディアは嬉しそうに瞳を輝かせた。
     



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    kisaragi_hotaru

    MAIKINGガンマトとハドポプが混在している世界線のお話の続きです。マトポプは師弟愛です。ひたすらしゃべってるだけです。
    ダイ大原作と獄炎のネタバレを含んでおりますので、閲覧の際には十分にご注意くださいませ。
    捏造と妄想がかなり激しいです。いわゆる、何でも許せる人向け、となっております。
    このシリーズは一旦ここで完結という形を取らせていただこうと思います。続きを待ってくれておりましたなら申し訳ないです……。
    大魔道士のカミングアウト 5 「――ハドラー様は10年前の大戦にて亡くなられたと聞き及んでいたのだが」

     本日二度目のガラスの割れる音を聞いた後、ガンガディアから至って冷静に尋ねられたポップは一瞬逡巡して、ゆっくりと頷いた。

     「ああ、死んだよ。跡形もなく消えちまった」

     さすがにこのまま放置しておくのは危ないからと、二人が割ってしまったコップの残骸を箒で一箇所に掻き集めたポップは片方の指先にメラを、もう片方の指先にヒャドを作り出し、ちょんと両方を突き合わせた。途端にスパークしたそれは眩い閃光を放ち、ガラスの残骸は一瞬で消滅した。

     「そうか……ハドラー様は君のメドローアで……」

     なんともいえない顔でガンガディアはそう言ったが、ポップは「は?」と怪訝な顔をして振り返った。
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    なりひさ

    DONEガンマト「時の砂」その後の蛇足。弟子に会いたくて未来へ来ちゃったバルゴート
    なにこれ修羅場じゃん ポップは焼きたてのパイを持ってルーラで降り立った。アバンの料理教室で作った自信作である。折角なのでマトリフと一緒に食べようと温かいうちに持ってきた。
    「師匠ぉ〜ガンガディアのおっさん〜お邪魔するぜ」
     呼びかけながら入り口をくぐる。しかしいつもなら返ってくる返事がなかった。人の気配はするのに返事が無いとは、来るタイミングが悪かったのだろうか。ポップはそろりと奥を覗く。
    「えっと、これどういう状況?」
     ポップは目の前の光景に頭にハテナをいくつも浮かべながら訊ねた。
     まずガンガディアがマトリフの肩を抱いている。優しく、というより、まるで取られまいとするようにきつく掴んでいた。ガンガディアは額に血管を浮かべてガチギレ五秒前といった雰囲気だ。そのガンガディアに肩を抱かれたマトリフは諦念の表情で遠くを見ている。そしてその二人と向かい合うように老人が座っていた。ポップが驚いたのはその姿だ。その老人はマトリフと同じ法衣を着ている。かなりやんちゃな髭を生やしており、片目は布で覆われていた。その老人がポップへと視線をやると立ち上がった。
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