Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    なりひさ

    @Narihisa99

    二次創作の小説倉庫

    ☆quiet follow Yell with Emoji 🌠 🐣 🍩 💕
    POIPOI 301

    なりひさ

    ☆quiet follow

    ガンマト。ダイ大小説家ダイ君編を読んで思ったガンマト

    #ガンマト
    cyprinid

    うちの大魔道士が世話になったようだな「ふざけんなこの野郎! 騙しやがったな」
     チンピラは罵声を浴びせながらマトリフの襟首を掴んだ。偽造された証文をマトリフが燃やしてしまったからだ。いくら大魔道士とはいえ小柄な老人であるマトリフは、男に胸元を掴まれて体が傾く。しかしマトリフは危機感などまるでなく、涼しい顔をしていた。そのことにマトリフを掴んでいる男が苛立ちを覚えた。
    「このジジイ」
     しかし次の瞬間、チンピラは吹き飛んでいた。文字通り、体が弾け飛んで地面に転がっていた。
    「大魔道士に気安く触るな」
     チンピラを突き飛ばしたのは巨大な青いトロルだった。突然に現れたそのトロルに周りにいた者たちが驚く。トロルはマトリフに向き直ると、掴まれたせいで乱れた法衣を大きな指で器用に直した。
    「おーい、大丈夫か?」
     マトリフはチンピラに向かって言う。
    「指で弾いただけだ。脆弱な人間相手に本気になるわけがない」
    「おめえの力加減なんてあてになるかよ」
     チンピラはすっかり伸びてしまっているが、大きな怪我はなさそうである。
    「なんだよ師匠、ボディーガード連れてきたのかよ」
    「腕力で解決なんてオレ向きじゃねえのさ。得意な分野の奴に任せるのが得策だろ」
    「大魔道士、私の得意分野は呪文だ」
    「わかってるよ」
     じゃあオレたちは帰るわ、とマトリフはポップたちに背を向けて手を振る。青いトロルのガンガディアはマトリフを抱え上げるとルーラを唱えた。

     
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    なりひさ

    DONEガンマト「時の砂」その後の蛇足。弟子に会いたくて未来へ来ちゃったバルゴート
    なにこれ修羅場じゃん ポップは焼きたてのパイを持ってルーラで降り立った。アバンの料理教室で作った自信作である。折角なのでマトリフと一緒に食べようと温かいうちに持ってきた。
    「師匠ぉ〜ガンガディアのおっさん〜お邪魔するぜ」
     呼びかけながら入り口をくぐる。しかしいつもなら返ってくる返事がなかった。人の気配はするのに返事が無いとは、来るタイミングが悪かったのだろうか。ポップはそろりと奥を覗く。
    「えっと、これどういう状況?」
     ポップは目の前の光景に頭にハテナをいくつも浮かべながら訊ねた。
     まずガンガディアがマトリフの肩を抱いている。優しく、というより、まるで取られまいとするようにきつく掴んでいた。ガンガディアは額に血管を浮かべてガチギレ五秒前といった雰囲気だ。そのガンガディアに肩を抱かれたマトリフは諦念の表情で遠くを見ている。そしてその二人と向かい合うように老人が座っていた。ポップが驚いたのはその姿だ。その老人はマトリフと同じ法衣を着ている。かなりやんちゃな髭を生やしており、片目は布で覆われていた。その老人がポップへと視線をやると立ち上がった。
    2209