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    なりひさ

    @Narihisa99

    二次創作の小説倉庫

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    なりひさ

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    ガンマト。ダイ大小説家ダイ君編を読んで思ったガンマト

    #ガンマト
    cyprinid

    うちの大魔道士が世話になったようだな「ふざけんなこの野郎! 騙しやがったな」
     チンピラは罵声を浴びせながらマトリフの襟首を掴んだ。偽造された証文をマトリフが燃やしてしまったからだ。いくら大魔道士とはいえ小柄な老人であるマトリフは、男に胸元を掴まれて体が傾く。しかしマトリフは危機感などまるでなく、涼しい顔をしていた。そのことにマトリフを掴んでいる男が苛立ちを覚えた。
    「このジジイ」
     しかし次の瞬間、チンピラは吹き飛んでいた。文字通り、体が弾け飛んで地面に転がっていた。
    「大魔道士に気安く触るな」
     チンピラを突き飛ばしたのは巨大な青いトロルだった。突然に現れたそのトロルに周りにいた者たちが驚く。トロルはマトリフに向き直ると、掴まれたせいで乱れた法衣を大きな指で器用に直した。
    「おーい、大丈夫か?」
     マトリフはチンピラに向かって言う。
    「指で弾いただけだ。脆弱な人間相手に本気になるわけがない」
    「おめえの力加減なんてあてになるかよ」
     チンピラはすっかり伸びてしまっているが、大きな怪我はなさそうである。
    「なんだよ師匠、ボディーガード連れてきたのかよ」
    「腕力で解決なんてオレ向きじゃねえのさ。得意な分野の奴に任せるのが得策だろ」
    「大魔道士、私の得意分野は呪文だ」
    「わかってるよ」
     じゃあオレたちは帰るわ、とマトリフはポップたちに背を向けて手を振る。青いトロルのガンガディアはマトリフを抱え上げるとルーラを唱えた。

     
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    kisaragi_hotaru

    DONE無自覚のままであろうとした両片想いガンマトが自覚させられるお話。欠損描写がありますが最終的には治りますけれど苦手な方はご注意くださいませ。謎時空なので深く突っ込んではいけない系です。魔王は祈りの間にて引きこもり中です。
     乱戦状態だった。一人ずつ探して回復していったのでは間に合わない。マトリフは冷静さを保ちながら素早く周囲を見回して、次いで傍らでモンスターを殴り飛ばしたブロキーナに視線を向ける。最近習得したばかりの回復呪文を使うにしても発動中は無防備になってしまう。詠唱のための時間稼ぎも必要だ。
     「よお大将! 全員を一気に回復させてやっからちょっくらザコどもの相手を頼むぜ」
     「いいよん」
     モンスターの大群相手にしながらもブロキーナは軽いノリで請け負った。
     そんな二人の会話を聞いていた一体のモンスターが不満をありありと孕んだ声色でもって割り込んだ。
     「ほう。君の言うザコとは私のことも含まれているのかな?」
     トロルの群れの向こう側から青色の肌をしたさらに巨大な体躯が現れた。眼鏡を中指の鋭利な爪で押し込んで歩み寄ってくるその理知的な動作とは裏腹に額には幾つもの血管が盛り上がっていた。
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