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    natsu_wan1

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    2話進捗

    情報部は本日も、多忙な一日を送っていた。

    「ああクソ、上層部はいつも唐突だ」

    というのはノアの愚痴である。
    第十三部隊が壊滅したという報せを上層部から受けた情報部は、書類作成に追われていた。
    帝国陸軍の戦闘部隊は第一部隊から戦績順に4名ずつの兵士で構成されている。一つの部隊が綺麗さっぱり壊滅したのだから、本来ならば部隊の繰り上がりだけで済む。
    それならば情報の書き換えだけで済んだものを、ここが上層部の悪い所である。良い機会だから全戦闘員の戦績を改め全戦闘部隊兵を各部隊へ振り分けろというのだ。
    無茶な話だ。一国の兵の情報を集め検討し書類にする。莫大な仕事量にさすがの情報部も疲れ果てていた。

    「情報部には戦闘訓練が無いからってさ、ちょっとハードスケジュールすぎるよね」

    眠気を飛ばすドリンクを片手に、セシリオが呟く。
    この部署室にいる情報部四名全員、いまだ昼食を摂ってはいなかった。時計は午後一時を指している。
    ちょうど先鋭部隊などは昼休みが終わりまた過酷な訓練へと戻る時間だ。エトワールとシャルロッテは何の気なしに訓練場の見える窓を眺めていた。
    セシリオはその二人を見て、そうかそういえば彼らは元先鋭かと思い出す。セシリオの記憶力は秀逸で、一度知った帝国軍人の情報を忘れることはなかった。
    元先鋭の二人を見ているのは何もセシリオだけではない。ノアの方を向くと、頬杖をついた彼と目が合った。

    「なんだよ」「ううん、何も」

    ノアはそこでまた書類作業を再開させる元エリートたちとは違い、戦闘部隊出身だ。
    それでも第一部隊に所属していたのだから、充分強いと言える。第何十部隊だったかはっきりと記憶していない──いや、実のところ覚えているのだが、思い出したくないと言うのが正しいのだろう──雑魚と呼ぶべき立場にいた自分がセシリオは少し恥ずかしくなった。
    戦闘センスというものは生まれ持つものなので仕方ない。うんうん。
    第一部隊に所属していたノアは、脚をなくして今ここにいる。情報部は戦えなくなった軍人を再利用するための場というわけだ。

    「そうだ、そういえば彼がいたね」

    無駄話もここまでとセシリオは自分のデスクに山のように積まれた書類を手に取っていたが、ある一枚の紙を見てはそう声を上げる。
    集中しようとしていたノアがまた顔を上げる。エトワールも顔をあげたが、話題の「彼」が顔見知りでないことを知るとまた手元へと視線を落とした。

    「ブレンダン・チェイス。第一部隊のメンバーで、ノアくん、君の元パートナーだよ」

    名前を知っているのか、シャルロッテは首を傾げた。

    「なんでその男の名前が出るんだ?戦績は充分第一部隊に見合うものだし、部隊の異動は必要ないだろう」

    「違う違う、そうじゃないよ。彼は第一部隊で確定だ。ただね、第一はほら…長らく穴が開いていただろう」

    穴、といってセシリオはノアを見る。
    ブレンダン・チェイス、彼はノアとのパートナー解消後、誰ともパートナー関係を組めないでいた。

    ―――――――――

    「はぁ、それでこの機会にパートナーを再度あてがおうと?無理だろ、あいつは相当な人見知りだ」

    昼下がり、大方の軍人が出払ってしまった食堂にて。ノアがどこか不満そうに昼食の載っていた空の皿をカンカンとスプーンで叩く。行儀が悪いですよとエトワールが一喝している。
    おそらく今日の昼食はスープの類だったのだろう…とセシリオはパスタを口に運ぶ。情報部は若干遅い昼ご飯へと突入していた。

    「むぐ、んむむぐもごご」

    「食べながら喋らないでください」

    さすが常識人。先ほど叱られた腹いせにかそう囃すノアを無視して、エトワールはセシリオの代わりにと口を開く。
    エトワールの昼食はパンだったようだ。それにしては填めている白い手袋が汚れていないので、カトラリーでも使ったのだろうか。手袋を外して食事に臨んだとは考えにくい、エトワールはそういう男だ。
    テーブルマナーの悪さはどちらも同じくらいということだ。

    「人見知りでも、どうしようもありません。パートナー制度は例外なく、帝国軍人であれば誰にでも適用されます」

    俺だってこんな人とパートナーになるとは思いませんでしたけど、とエトワールはセシリオを横目で見る。
    エトワールに喋るのを任せて、セシリオは優雅に昼食タイムだ。

    そもそもパートナー制度とは、上層部が決めた制度である。
    帝国軍のすべてを取り仕切る組織がそうと決めたのだから、従うしかないのだ。
    パートナー制度。本当の恋仲や夫婦、相棒のように仲睦まじく支え合い、時には切磋琢磨をする。
    そう言うと聞こえはいいが、制度なのだ。パートナーと呼ばれる相棒的立ち位置の人間は上層部が勝手に決めるし、たとえ軍学校時代仲のいい人間がいたとしてもそれとパートナーになるとは限らない。
    言ってしまえば上層部の独断と偏見というわけだ。
    情報部にはそのパートナー制度の相手候補を選出する権利がある。ずっと安定したパートナーの居ないブレンダンの名前が情報部で挙がるのはそのためだった。
    一生モノとも呼べるそのパートナーを、上層部と情報部に勝手に決められるのだ。人見知りにはたしかにキツいものがあるのかもしれない。
    覚えがあるのだろう、エトワールはどこか遠い目でため息を吐いていた。
    食べ終わったセシリオがぽんぽんとエトワールの肩を叩く。エトワールの心労は計り知れない。

    「それにしたって。誰をパートナーにするんだ?社交性のあるあの男は三か月で駄目、レンと同じ趣味の男は一か月、元パートナーと同じ性格の男ならとあてがわれた大雑把な性格をした男はなんと三日だ。…誰が大雑把だ」

    ブレンダンのことをレン、と呼ぶほどにはノアと彼は仲がいい。パートナーを解消してからのレンのパートナー歴をつらつらと唱えてみせて、ノアは「これ以上誰が適任だっていうんだ」とセシリオを睨む。
    実際は睨んでいないのだろうが、ノアのきりっとした精悍な目元は見る人を委縮させた。眉目秀麗という語が誰よりも似合うという言は伊達ではない。
    ブレンダンのパートナーは自分以外あり得ないとでも言いたいのだろう。いや、自覚こそしていないだろうが。

    「だから、次は逆に考えてみよう。レンくんに絶対見合わない人を選ぶんだ」

    「しかしセシリオ。見合わない人間かつ第一部隊にふさわしい人間となると、そう居ないんじゃないか?」

    一人静かに食事を済ませたシャルロッテは、セシリオへ話を持ち掛ける。今日の昼食は…シチューにパン。うんうん、至って普通だろう。視界の端に入った酒瓶は見なかったことにするとして。

    「それがね、いるんです。レンくんとは絶対相性が悪くって、今は第三部隊所属だけど第一のメンバーとも引けを取らない戦績を最近上げてる人が」

    セシリオは何処からか一枚の書類を取り出す。若干パスタのソースで汚れていたが、ゆくゆくは処分するものなので多めに見よう。シャルロッテは頭を抱えていたが。

    「フェルナンド・コルテス。スペイン出身の帝国軍人、僕と同じ25歳で階級は大尉。特筆すべき問題点は特にないけれど…彼は、規律が全ての男だ」

    セシリオの読み上げたフェルナンドの経歴は、まさに真面目、頑固、といったふうで、帝国軍人というにはいささか固いように思えた。

    「まだ顔写真は貼ってないけど、経歴を見ればわかるだろ?明らかな真面目くんだよ」

    書類をセシリオが振るたび、カルボナーラの香ばしい香りが広がる。

    ぺらぺらと音を立てる紙を眺めるエトワールの視界の先に、一人の黒髪の男が映る。

    セシリオとはまた違う、若干茶色がかった色。光の加減で赤色にも見えそうだ。眼鏡の奥で琥珀色の瞳が真っすぐにセシリオを見つめている。

    「貴方たちは情報部でしょうか。よければ相談をしたいのですが」

    「えっ、相談?」

    セシリオが近しい階級なのだと気づいたのだろう。二本の袖章をちらりと見た男は、砕けた口調で話し続ける。

    「ああ。どうにも、仲良くできる気がしないんだ」

    情報部にお悩み相談という仕事が追加されたことは記憶に新しい。しかしセシリオたち情報部はあろうことか全員が忘れていた。
    ここ連日の激務で完全に忘れていた。
    その証拠にシャルロッテはまた頭を抱えている。いやあれは二日酔いかもしれない。身体も強くないしそろそろ歳なのだから飲酒は控えてほしい、との言葉はエトワールのものだ。

    「えっと、とりあえずお名前を」

    セシリオは記憶力が卓越している。名前を一度聞けば、その軍人が誰なのかすぐわかってしまうのだ。
    しかし、その名前を知らないと言う者は、少なくともこの場には一人もいなかった。
    ひと房だけ黄色に染めた髪が眼鏡へとかかる。真面目そうな風貌にそのメッシュはミスマッチに見えた。

    「フェルナンド・コルテス。第三部隊所属で、階級は大尉だ」

    ―――――――――

    「君がフェルナンドくん?」

    「そうだ。…情報部に目を付けられるようなことをした覚えはないんだが、俺はなにかしてしまったのだろうか」

    場所は変わって情報部の部署室。情報部のメンツと一緒に並んで歩く第三部隊員は異色に見えたらしく、普段の倍は視線を感じた。神経質なエトワールは居心地の悪いような感じがして、とうとうため息をついた。
    エトワールの心労は計り知れない。セシリオは何も気にせずにデザートのお菓子を口に運んでいた。エトワールの心労は本当に計り知れない。

    「違うんだ、丁度君の話題が出ていて」

    「やっぱり悪いことをしてしまったのだろうか…すまないが、何をしでかしてしまったのか教えてはくれないか」

    なんとしてでも償うという意思を感じる。真面目だ。
    不真面目の割合が多い情報部で、この真面目は見ていて胸やけがする。
    ノアなんて部署室に着いてからは一言も喋っていない。ついにはアイマスクを取り出した。
    ノアは不真面目といえど、客人や依頼人のいる場で寝ることはない。
    そのせいで普段の居眠りが幻肢痛を誤魔化すためのものだということを、セシリオは知っている。

    「本当に違うんだよ。ほら…第一の、ブレンダン・チェイスって知ってるかい」

    依頼を受けるのは、一番人当たりのいいセシリオ。
    コミュニケーション能力の高さならばシャルロッテも引けを取らないが、この真面目な男に上司に相談しろといっても委縮してしまうだけだろう。

    「チェイス。知っている、たしかずっとパートナーが決まってないという」

    「彼と君をパートナーにしてみればどうだろう、って話をしてたんだよ」

    フェルナンドが唖然とした顔をする。鳩が豆鉄砲を食ったような、とはよく言ったものだ。
    琥珀色の瞳が蛍光灯を反射してきらきらと輝く。そういえば似たような名前の飴があった気がする。
    目を見開いた後、フェルナンドは苦虫を噛み潰したような顔をする。思っていたよりも表情豊かだ。

    「…そうだ、そういえば、しっかりと相談内容を伝えていなかったな。俺の相談を聞いてくれないか」

    取り乱したというのを自覚したのか、フェルナンドは眼鏡を上げる。相当度が強いものなのだろう、覗き込んだだけでセシリオは頭が痛くなるのを感じた。

    「俺は、仲良くなれないんだ。今の同僚と、そして上司と、部下とも」

    「どういうことだ?」

    邪魔をするまいと黙っていたシャルロッテがフェルナンドに問いかける。仲良くできないのならばまだ分かる。きっとそういう性質なのだと理解できる。
    しかし、仲良くなれないとなると話は違ってくるだろう。仲良くなろうとしても、なることができない。
    シャルロッテは回答を促すように、フェルナンドの方へと目線を向けた。

    「ストックホルム症候群。俺が罹っている病気の名前だ」

    そこでようやくセシリオは、彼の舌に彼の瞳と同じ琥珀色のピアスが着いていることに気付いたのだった。

    ―――――――――

    ストックホルム症候群とは、かみ砕いて言うと愛してはならない者を愛してしまう精神面の病気だ。
    誘拐や監禁などの加害者と被害者の間に、プラスの感情が生まれてしまうこと。
    被害者側のそのプラスの感情を、病気と呼ぶ。
    フェルナンドの話を大人しく聞いていたセシリオとシャルロッテは、彼が口を閉じたタイミングで同じように相槌を打った。

    「つまり、その当時の加害者を愛しすぎたせいで人を素直に愛せないと。そういうことですか?」

    書類の山を少しずつ片付けながら、エトワールはフェルナンドの話したことを要約する。フェルナンドは大体合ってる、と頷いた。

    「今まではシウが俺の担当医としてカウンセリングをしてくれていたんだが、最近医務班ができただろう。そっちに引き抜かれてしまって、あまり話し合う時間が取れなくなってしまってな」

    医務班の新設によるパートナー不在の帝国軍人。数か月前まで情報部でも話題になっていた問題である。
    今までは上が手配した老齢の医師が帝国軍人を診ていたのだが、医療技術の発展と共に新しい技術を持った若い医師が必要となってきていた。
    そこで上層部は医療の知識のある人間を医務班へと異動させ、それぞれの官位を医官へと統一させたのだ。
    上層部が唐突に言い出したせいで医務班へ異動となった帝国軍人たちのパートナーは宙ぶらりん状態だったのである。

    だがしかし、最近といってもカレンダーで見ると結構前のことだ。
    セシリオたち情報部も、パートナー不在の帝国軍人がブレンダン・チェイス以外に未だに残っているとは思ってもみなかったのだ。

    「お前もパートナーが居なかったんだな、丁度いいじゃないか」

    シャルロッテが声を弾ませる。もしフェルナンドにパートナーがいたら、また色々と面倒な手続きが掛かってしまう。鬼のように書類仕事の溜まっている情報部にとって、それは避けたかった。

    「ええ、新しいパートナーを充てがってくれるのは嬉しいです。前のパートナー…シウと離れたことで、俺の病気は悪化はしないものの改善することはなくなったんだ」

    上司の上機嫌そうな声を無視できるような男ではないだろう。頷いた後フェルナンドはセシリオの方に向き直って、どうにかならないだろうか、と眉を顰めた。本人的には、結構深刻らしかった。

    「だったら大丈夫だよ。第一はどの戦闘部隊よりも団結力が高いから」

    そこで声を上げたのはセシリオだった。第一には夫婦とまで呼ばれたあの有名な仲良しパートナーがいる。セシリオはにっこりと笑い、エトワールはため息をついてみせた。

    「セシリオさん。まさか第一までついて行ってフェルナンドさんをサポートするつもりですか?俺は反対ですよ」

    「どうして?」

    セシリオはきょとんとした顔をしてみせた。
    まるで幼子のような無垢な反応に若干の気まずさを感じながら、エトワールは続ける。

    「だって、ほら。第一にはあの人が」

    フェルナンドのことを考えるがあまり、自分と第一の関係性をおろそかにしていた。
    そうセシリオが後悔したのは、第一の部署室の前に来た時だった。

    「セシリオ!」

    低く耳当たりのいい声が扉の外から聞こえる。いや正しくは扉の内か。
    なぜ扉を開ける前からセシリオが第一を訪ねてきていると気づいているのだろうか。恐ろしい限りだ。セシリオはエトワールの気苦労をほんの少しだけ理解できた気がした。

    「チカさん、久しぶり。今日はちょっと相談があって来たんだけど」

    「情報部に来た依頼人、第一の方で処理していただくことって出来ませんか」

    チカに軽い挨拶をするセシリオの前に、立ちはだかるようにエトワールが立つ。
    彼の方がセシリオよりも背が高いのでセシリオは視界が真っ黒になって不便だったが、
    セシリオは人の気持ちを汲めない人間というわけではない。大人しく口をつぐんでおいた。
    チカと呼ばれたその黒い髪をした男は、エトワールの後ろにすっぽり隠れてしまったセシリオを一瞥した後、依頼人?とエトワールの方に向き直った。
    蛍光灯の光を彼の襟元のバッジが反射する。左官以上の者にしか付けることを許されていないそれは、チカが第一にいることの異常性を言葉は無いにせよ力強く語っていた。

    「はい。パートナーが決まってない方です」

    「そうか、うちのレンのパートナー候補を連れてきたということで良いか?」

    チカは第一のリーダーである。先鋭を抜けば戦闘部隊のトップに立つ彼は、戦闘能力はもちろん頭もよく回る。話が早い、とエトワールはYesの意味で頷いてみせた。

    「フェルナンド。フェルナンド・コルテスです。アオノ大佐」

    それまで大人しく黙っていたフェルナンドが一歩前に出る。
    チカはフェルナンドに手を差し出し、よろしくと一言呟いた。

    「チカで良い。敬称もいらない」

    垂れながらも厳しそうな目尻を緩めチカが笑う。真面目なフェルナンドには受け入れ難い提案をしながら。
    フェルナンドは苦々しく笑い、上官命令なのだと自分を無理やり納得させながらチカ、と彼を呼ぶ。チカは満足そうだった。

    「これからお前は第一の仲間だ。よろしく、ルナ」

    ルナと呼ばれたフェルナンドは、よろしくお願いします、と改めて笑ってみせた。
    今度は安堵の色が混じっていた。

    「…いや、レンくんの許可は…?」

    セシリオは人の気持ちを汲めない人間ではない。
    今この場にいない人間にも適用されるそれは、結果的にこの場の空気を読まないものになった。

    「今から取りに行く。レンだってそろそろ観念しているはずだ」

    チカに言わせてしまうと、ブレンダンがまるで反抗期の子供のようだった。
    まあ確かに気難しい人であることに間違いはない。
    エトワールもセシリオも、ブレンダンという人間と話したことがないにも関わらず、そう確信するのだった。


    ―――――――――

    「君たちが情報部?」

    華やかな声がセシリオたちの耳を抜けていく。
    背後からした声に一番最初に振り向いたのはルナだった。

    「俺は、「うん、情報部だよ。こっちの黄色い人は違うけど」…」

    遮られた上台詞をすべて奪われたルナはセシリオに恨みがましい目を向けている。この短時間で随分と打ち解けたようだ。
    エトワールは呆れたようにそれを眺めていた。

    「俺はアルベルト、周りからはアルって呼ばれてるね。
    チカから聞いたよ、レンの新しいパートナーになるかもしれない人って、君?」

    冷静そうで、黄色で、強そうな男…とだけ聞いていたのだろう。
    セシリオ、ルナ、エトワールの三人の中からアルは、
    大人しくて金髪で一番背の高いエトワールを選んでみせた。
    うちの子だよ、と言おうとしてやめたのはセシリオだ。
    勘違いをされて戸惑っているエトワールを横から見るのも悪くない。

    「いえ、俺です。フェルナンド・コルテス。
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