ドルパロ ペンライトで作られたキラキラの光の波。好きの詰まった幾千もの視線を集める。
それはあくまでも非日常で。俺たちの日常はもっと平凡だ。
「おさむ。おさむって」
「んぅ……、あとごふん……」
「そのあと5分が既に30分になろうとしてんだけど」
「は!? え!? まじ!?」
「マジ。早く起きろ」
「なんで角名ちゃんと起こしてくれんねん!」
なぜか理不尽な怒りをぶつけられて。治は洗面所へと走っていった。
さてもう一人。
「あつむー」
「いや……もうちょっと」
「ほら。遅刻するよ」
「いややぁ……」
こちらは治より眠りが深いらしく返答も力がない。
「侑」
「すなぁ」
「うわっ」
ベッドに乗り上げて布団を剥がそうとしたらそのふわふわの中へと引き摺り込まれた。兄弟揃ってパワーがゴリラなんだから。
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