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    nana_111015

    なな

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    nana_111015

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    サルベージしたのでちゃんと続き書こうね

    ドルパロ ペンライトで作られたキラキラの光の波。好きの詰まった幾千もの視線を集める。
     それはあくまでも非日常で。俺たちの日常はもっと平凡だ。
     
    「おさむ。おさむって」
    「んぅ……、あとごふん……」
    「そのあと5分が既に30分になろうとしてんだけど」
    「は!? え!? まじ!?」
    「マジ。早く起きろ」
    「なんで角名ちゃんと起こしてくれんねん!」
     なぜか理不尽な怒りをぶつけられて。治は洗面所へと走っていった。
     さてもう一人。
    「あつむー」
    「いや……もうちょっと」
    「ほら。遅刻するよ」
    「いややぁ……」
     こちらは治より眠りが深いらしく返答も力がない。
    「侑」
    「すなぁ」
    「うわっ」
     ベッドに乗り上げて布団を剥がそうとしたらそのふわふわの中へと引き摺り込まれた。兄弟揃ってパワーがゴリラなんだから。
    「すな、かた……」
    「当たり前じゃん」
    「ぅー……やらかくなって」
    「無理。ほら、遅刻するって」
    「ん~」
     ぎゅうっと抱きついてきた侑は抱き心地の悪い身体に文句を言う。当たり前じゃん男なんだから。起きる気のさらさらない侑は嫌だ嫌だと肩口に額を擦り付ける。
    「あー、浮気ー」
    「ほら。治に浮気って言われてる」
    「どっちも本命やし」
    「あ、こら。寝るな」
     洗面所から戻ってきたらしい治はチラリと寝室を覗いて冷やかしてきた。一応治とは付き合ってるはずなんだけど、見慣れた光景だからか嫉妬のかけらもない。侑の返答を別段気にするでもなくキッチンへと消えたから、やはりこいつを起こすのは俺しかいないらしい。
    「あとごふん」
    「それさっき治も言ってたから。お前らの5分は信用ならないからやだ」
     なんとか侑を振り解いて布団を剥がすと「ぎゃっ」と声が上がる。
    「さいあく。さむ」
    「侑」
    「わかったって。おきる……おきるから」
     渋々布団から出てきた侑の手を引いてリビングへ向かう。俺は幼児と暮らしてんのか?
    「お前らちゃっちゃと食べや。遅刻すんで」
    「双子のせいで遅刻しそうになってんだよ」
    「そんなこと言うてると角名の目玉焼きには塩胡椒したらん」
     うわ。その嫌がらせは地味に嫌だな。キッチンあんま入らないから塩胡椒どこにあるかわかんないし。
    「ごめんなさいかけてください」
    「ちゃんと謝れて偉いなぁ。角名のには治くんの愛もいっぱいこめたる」
    「朝からきしょい茶番やめぇや」
     どうやら侑も目が覚めてきたらしい。
    「ほら、ツムも早よ食べ」
    「醤油はー?」
    「目の前にあるやろ。目見えてへんのか」
    「見えとるわ。角名やあるまいし」
     流れでディスってくんのやめろ。でも今言ったら双子の口喧嘩に巻き込まれそうだったから大人しく席に着く。
     
     ⭐︎ダンス練習
    「じゃあこっから音楽に合わせるから」
    「いや待って」
    「全然ついていかれへん」
    「全然ついてこれてねぇからとりあえず音流した方がいいでしょ。お前ら身体で覚えるタイプだし」
    「今回むずない?」
    「まぁ先生はちょっとレベル上げたって言ってたね」
    「これ角名基準振付やん」
    「なんだよ俺基準て」
    「角名がギリできるレベルの振付。一般人にはむずすぎる」
    「侑も治も一般人じゃないし、普通の人より運動神経も音取るのも上手いんだからいけるって」
     そういうと二人とも少し嬉しそうな顔をしているのが見て取れた。わかりやすいなぁ、双子。
    「んじゃ。いくよ」
    「しゃあないやるかぁ」
    「確かに音有りのがええわ」
     さっきまでぐだぐだ理屈こねてたのにちょっと煽てればこれ。扱いやすくて助かる。
     
     ⭐︎非常階段でキス
    「ちょっと! おさむ!」
     大きな声で呼んでも治は全く振り返らない。
     多分原因はさっきの収録。
    「侑くんと角名くんて仲良いよね~」なんてフリに応えて、頬を掠めるようなキスをした。侑に。
     BL営業は侑とやってるしこんなのライブでも何回かやってる。
     でも仕事でも嫌という治の気持ちもわかる。
     
     人気のない非常階段まで連れてこられて壁に押し付けるようにしてキスをされた。
    「んっ、ふ……」
    「すな……ん…」
     縋るように抱きしめられて、少し胸が痛んだ。仕事だからと割り切っているし、侑に対して特別な感情がないからこそ仕事として恋愛ごっこに興じているけれど自分の恋人と兄弟がそんな事をしてモヤモヤしないわけがない。
     口の中に入ってきた舌に自分のものを絡めてやると、ぎゅうと力の入る腕。
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