夜のナイフ両親を看取ったら、自分は死ぬことを目標に生きてきたはずなのに、今すぐにでもと思う時がある。
正直、人がひとりいなくなってしまっても他の人の人生はいつもと変わらないまま続くのだろう。
ただそれだけのこと。
きっと、すぐに忘れてしまう、あんな人もいたなーという記憶ですら。
それでいいんだ。
誰かに悲しんでほしいわけじゃない。覚えていてほしいわけでもない。
そう思っていたのに、夜になって考え始めるとそれがたまらなく恐ろしくて涙が出てしまう。
自分は誰の何者でもないのだ、そう夜にナイフを突きつけられているようで。