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    mostkik

    @mostkik

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    mostkik

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    キスの日(ネタ未満)
    アイマヴェではないがグレーなアイスとマヴの話。
    (ルスマヴェになる)

    グースを失って持ち直したように見えて、ときどき戦地から帰っては危うい顔をするようになった。アイス以外は気づいていないぐらい、顔色に出るわけでも態度がおかしいわけでもなく、ただふいに揺らぐように遠くにいる気がする。
    あるとき無理にでも引き戻してみるかと肩を掴んで引き寄せたら、びくりと跳ねた後に断罪を待つみたいに目を伏せた。殴るとでも思ったのかと腹が立って、逆に殴らせてやってもいいというつもりで触れるだけのキスをした。ばちんと開いた緑の目が鮮やかに戻ってきたのを見て、殴られる甲斐があると思った。
    ゆらゆら揺れたあと、ほっとしたように伏せられた睫毛が思いのほか繊細に震えていて、ただ冷たい人形に息を吹き込むみたいに何度か子どもじみた口づけを重ねた。それからときどき、そういうことがあった。アイスが始めることもあれば、マヴが懐に潜り込むようにしてすくっていくこともあった。
    色も情もなく、キスと呼ぶのもためらうほどただ形を確かめるだけのような、絶対に誰も来ない閉じられたドアの内側だけで起こる出来事だった。アイスが婚約した後、帰任したマヴは手が届く距離にさえ近寄らなくなった。揺らぐ瞳に少しでも手を伸ばそうとするとわずかに後ずさって、まぶしげに、困ったように少し笑ってみせた。自分には触れる資格がないものを見るみたいに。
    "あの子"との断絶が起きたとき、死にかけの星のように暗く光る瞳がおそろしくて伸ばした手は、明確な動きで避けられた。乾いて色をなくした唇は、誰にも触れられることのない陶器の人形のようだった。


    というようなことがあったのを、ルスに「ほんとに男としたことないの?キスのひとつも?」と聞かれて、「うーん……キス……ではなかったような……?うーん?」と思い返して首をひねるマヴと「なにそれあるって言われるより余計に気になるんだけど!?!?」ってなるルス
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    recommended works

    yuinos7

    DONE🎴お誕生日おめでとうございます~
    観用少年シリーズです。
    前回の🔥さんのお誕生日おめでとうSSの対になる物語がなんとか形になりました。
    こちらは、後で紙媒体である、log本3に収録予定です!
    感想等あったらよろしくお願いしますm(._.)m ペコッ
    反応ないの寂しいです!!!

    前作は、こちら!
    https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19857088
    観用少年との戀2 煉獄家に《ドール》である炭治郎がやって来てから、初めての七月。そう、梅雨明けを迎える時期となった。
     最初は、十歳にも満たない姿であったが、杏寿郎の誕生日に彼は自ら大きくなることを選び、十五歳ぐらいの姿になったのだが……ここで《ドール》としての不具合が生じたために、彼を購入するきっかけといった《蝶屋敷》へ急ぎ赴くことに。
    「あらあらまあ。これは、予想外のことになってしまいましたね? 炭治郎君」
     《蝶屋敷》への最初の里帰りは、なかなか衝撃的なものだと店主である胡蝶しのぶは、にこにこと微笑んだままでいた。しかし、その笑顔の裏側には静かな怒りの感情が隠されているではないか。
     その怒りの感情を直ぐ様読み取った炭治郎は、ゾクリとしたものを感じていた。一方、杏寿郎は、そんなことも知らずに「すまんな!」といつもの大声を発し、ぺこりと頭を下げた状態だ。
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