「ディフィンド!」
魔法の刃がプロテゴを砕き、そのまま顔のすぐ脇を薙いでいったのが分かってゾッとした。
君とやるのは久しぶりだから楽しみだなんて始まる前は笑っていたのに、始まってみればこの殺気の籠もった攻撃はなんだ。初戦授業の決闘と甘めにしていたとはいえ、防御呪文を打ち破る威力なんて。セバスチャンの目を見ると、その真剣さはまるでフェルドクロフトでランロクの信奉者を相手にしているときのようだった。
「本気すぎない!?」
「君相手じゃ本気以外ないだろ。レヴィオーソ!」
得意の浮遊呪文でこちらの手を封じる気か。
「勘弁してよ…!」
細長い決闘台の上を前に転がって回避をする。身体能力のお陰で呪文を避けるのは得意だけれど、このやり方は相手の動きから目が離れるのが弱点だと分かっていた。それでもそう動いてしまったのは完全に癖で、下手を打ったとすぐに理解する。止まったところでセバスチャンに視線を戻すが、彼はこちらの動きを読んで次の呪文の軌跡を描き終えかけていた。
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