過去の軌跡グラりと地面が揺れるのを感じたかと思えば見知らぬ大学の前に立っていた。
いつもの探偵事務所に居たはずだが…そう芝腹が考えていると誰かとぶつかった。
「すみません、大丈夫ですか?」
毎日聞いているはずの声が聞こえて顔をあげれば知っている人間ではなく、オールバックのいかにも遊んでいそうな男が立っていた。
男はサングラスを軽く上に上げて蜂蜜色の瞳を細めれば慣れた手つきで芝腹の頬を撫でる
「…ぼーっとしてどうかしました?」
緩く首を傾げる男はなんだか見覚えがあるが、返事をしないと不審がられてしまうと声を出した
「え、と、大丈夫「みけ」
はずだが…誰かの声に邪魔されてしまう。
振り返り邪魔をした本人を見れば、この男も聞いたことある筈の声なのに見た目が少し違う。
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