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    くこ。

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    くこ。

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    鶴宇佐と閣下
    宇と有は会話描写なかったと…思うんですが……(あったらすみません読み込みます)
    見守っていたりとかしていたらいいなぁという話。

    #鶴宇佐
    tsuruUzo

    それは穏やかな日だった。「さっきまでいたあの子は誰だい?」
    鶴見くんとの盛り上がる会話もひと段落つきふと気になっていたことへの疑問を呈した。会話の盛り上がるさなかで私は構わず話し鶴見くんも答えていたが、月島軍曹から呼ばれ鶴見くんに視線で促され渋々といったテイで離れた、それまでずっと、鶴見くんの傍にいた若者がいた。身なりから見て上等兵。
    「宇佐美上等兵です」
    どうかしました?ときょとんと尋ねるような瞬きは少しあざとい。
    「その上等兵は、どういう子なのかね?」
    鶴見くんの傍にいる間中ずっと、そのウサミ上等兵は鶴見くんを見ていた。一挙手一挙足すべてをひとつも逃すまいとするほどに。熱いあつい眼差しだった。
    鶴見くんを慕う部下は多いがあれ程熱烈なのは流石に珍しいだろう。

    「私に愛を教えてくれた子です」
    戦争では上官と部下の絆がより良い戦果を導く軍を作るのです。
    鶴見くんがそれを考える契機に何かその上等兵がかかわっているらしい。端的に述べられたそれは私がもってくる銃火器を讃えるときと似ていた。
    けれど。
    その目が一瞬。鶴見くんはわかっているだろうか。
    とても優しかったのを。
    家内が私に、たまに向けてくるのに似た、目だった。

    ウサミ上等兵の熱い視線をそのままにしていたのは彼からの愛を兵として使うためだと、言葉は語る。
    けれども。
    その愛がそんなものは関係なくただだだ嬉しいのだと、その目は語ったのだ。

    「良かったね!」
    鶴見くんの背中を叩き笑う。
    技術者としては楽しいがともすればすぐ頭の狂ったことを言い出すこの子が、人並みの愛に生きていると知れたのだ。それを上官として何をも言うことはないが、人生の先輩として「良かった」と思う。
    鶴見くんも、同じように笑った。







    「海に沈んだ、か」
    簡潔な訃報は詳細を語らない。
    わかるのは鶴見くんが列車を切り離したおかげで同じように沈まなかった部下がたくさんいた、ということくらいだ。

    そうして思う。

    愛に生きた君のことを
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    くこ。

    DONE九尾狐降+猫又景×人間風/プリクラ②
    右風開催おめでとうございます。
    なだちさんのイラストにおつけいたします小説(諸伏編)
    降風&景風なのですが、普段景風を書いている身のため。
    景風要素高めです。
    2022/12/16
    愛すべし可愛い人を「っ諸伏。……このこと、降谷さんには言わないでくれ」
     恥ずかし気に目元を淡く染め風見さんがオレに頼みこむ。眼鏡の奥、風見さんの瞳に写るオレが口角を上げる。

    『往生際が悪いぞ、風見』
    『無理です。勘弁してください……!』
     先日の風見さんの休日。たまには三人で出かけよう、と決めていたその日。
     三人で共に暮らすその家の日用品を買うだとか、ヒトの波を見るだとか、そういったことを楽しんだ後まるで今通りがかった偶然なのだとばかりにゼロが『あれがプリクラか』と声を上げ、『せっかくだから、三人で撮ろう』と提案した。それに反対したのは風見さんだった。
     最初は『男だけの団体でこういう店は入れないんですよ』と常識や則で説こうとしたがゼロは神格高い霊獣、九尾の狐だ。『僕が君たちと行きたいんだ。行けないわけがないだろう』ときょとんと小首を傾げ入っていき、それはゼロの力で人の則が一時的に歪んでいるのだけれど。ゼロにとってそれは呼吸に等しく故に、できるのが当然だ。こともなげに進んでいくゼロに顔を青ざめた風見さん、そんな風見さんをあやすようにオレが苦笑しつつ進んだ。……余談ながら、ゼロほど簡単ではないけどオレにもできるだろうとは思いつつ、とはいえ撮られたくない風見さんに強いてまで行きたいわけでもないよなとは考えていた。そもそもオレ自身、人の社会で普通に会社勤めをしているヒトの風見さんを専業主夫状態のゼロとは違う方向からサポート、と言えばいいだろうか。ちょっとした妖たる力で風見さんの会社に雇われてもいないのに『風見さんに懐く後輩社員』だと認識されるようにし『働いて』いるわけで、やりようでできるかとは思うのだ。
    1947