マーキング『ご相伴に与りたく…』
と言う道満の言葉を丁重にお断りし藤丸立香はマイルームのシャワー室内で昨夜の事を思い返し赤面しながらも身体を洗い流す。
お湯の温かさとはまた違った火照りを感じながらもふと、鏡を見れば自分の鎖骨辺りに赤黒い発疹の様な痕に気付く。
「…痣?」
(何処かで身体をぶつけた…?)
しかし更に身体を見回してみれば首筋や胸元、お腹周りや太ももにまで“コレは我が物ぞ”と縄張りを主張せんばかりの痕跡が点々と続いている。
中には歯形の様な痕まであり流石に立香も気付き始めて恥ずかしさと怒りも含めてまたも赤面し、顔が熱くなる。
──。後にお灸を据えられるのだがそんなことは何処吹く風。
反省の色も全く見られず終始笑顔の道満が居るのであった。
326