星に願いを社会人になって2年が過ぎて、もうすぐ3年目。
俺も大学を出て24歳になった。クリスマス1週間前、今日俺は男の恋人に振られた。
鼻水と涙が花粉症のこどく流れる。大学のサークルの先輩に告白して、大学を卒業と同時に付き合った。しかし、先輩は女に取られてしまった。精神的にダメージを受けているのに、さらに先輩は俺の心を抉る。
『あ〜……なんて言うか、ぶっちゃけあんまし好きじゃなかったし、それに男ともやってみたかっただけなんだよなぁ〜。まぁそう言うことだからそろそろお前も、現実を見た方がいいぞ』
先輩は、そんな言葉を残して俺の前から消えた。俺はいつ戻ってきたのか、覚えていないくらい既に家にいた。そして先輩からかけられた言葉が、俺の心を締めつける。"あの時"のように……。
「いや、いや!最後に言うことがあれかよ!あぁ?『現実を見た方がいいぞ』だぁ?ふざけんな!そんな事を……とっくに分かってんだよ……。分かって……」
男がそんな事を呟いていると、いきなり天井が軋み耳を破裂させるような音を立てて、目の前に男が降ってきた。
「えっ!?はっ?何だ?!」
「イテテテテ……」
そう言いながら、落ちてきた男は立ち上がる。
俺は思わず、呟いていた。
「お、男……?なんで屋根から?」
そんな俺に気づいたのか、男は全く悪びれもせず言う。
「いや〜本当すみません〜!俺、公園で寝てたんですけど黒服の人に見つかって追い出されちゃて……」
そこで言って男は、俺から視線を外そうとしなかった。俺はハッとなって今、やっと自分が泣いていることに気づいた。
俺は、急いで涙を拭いていた。その時、いきなり目の前が暗くる。そして男は小さく呟く。
「大丈夫です。あなたに涙など似合いません……。ですか今は何もかも忘れて、僕の腕の中で眠って下さい。大丈夫ですよ紅夜さん……」
そんな優しい言葉で言われて、俺はいつの間にか眠りにつく中紅夜は、思った。
(なんでこいつ……、俺の名前知ってんだ……?)
翌日、紅夜は目覚まし時計の音で目を覚ます。ふっと何気なく隣に目をやると、見知らぬ男が寝ていた。
「なっ!?何で俺の隣に男が寝てるだよ!?」
男は、ん〜……と言いながら、目を覚ます。
「あれ?ここ……公園じゃない?いつもなら野良猫が起こしてくれるんだしけど……?」
紅夜は、額に青筋を浮かべさせながら男に言う。
「おい、起きろ!なんでお前がここで寝てるんだ!?」
紅夜はそう言って、今も寝ぼけている男の頭を殴る。
「痛っ!」
男は頭を押さえがら、体を起こす。
「痛いじゃないですか!俺、何かしましたか?!」
「何かしましただぁ?何かしたわ!何で、俺の隣で寝てんだよ!誰だよお前は!!」
男は、頭を押さえがら紅夜に説明する。
「だから言ったじゃないですか!公園で寝てたら、黒服の男たちに見つかって追いかけられたって!!」
「俺は、そんな事を聞いてるわけじゃねぇよ!何で、"お前"が自分の家のこどく寝てんるんだって言ってんだよ!」
男は何かを思い出したかのように、いきなり土下座をした。
「自己紹介が遅れました!俺は、龍崎雷人(りゅうざきらいと)って言います。それともう一つ、何も聞かずに俺を、ここに置いて下さい!!」紅夜は、少し雷人を見つめていた。そして、紅夜は雷人に言う。
「はぁ……今は、とりあえず何も聞かないでおく。その代わり、いつかは話してもらうからな」
それを聞いた雷人は、笑顔で紅夜に抱きつく。
「ありがとうございます!ありがとう!!」
「だあー!もう分かったから、離れろ!」
紅夜が必死に雷人を引きはがそうと、やきになっている時、いきなりドアが凄まじい音を立てて開いた。ドスの効いた声が響いた。
「ゴラァ!いつまで待たせんだ!お姉様が呼んでんだから、コンマ1秒で来んかぁー!!今度あたしを待たせたら、容赦なくテメェの金玉潰すぞ!」
「あに……」
「あぁ?」
「お姉様……」
紅夜の声で我に返ったのか、その人物は紅夜たちをじーと見つめる。そして、ようやく状況を把握した。
「あら?あたし、お邪魔だったかしら?ごめんなさいねぇ〜紅夜〜」
そう言って女は、何を勘違いしのか部屋を出て行った。しかし、紅夜は女を止める。
「ちょっ!待ってよ、兄貴!!これは、誤解だって!!」
それを聞いた女は、紅夜のもとへ戻ってきて、笑いながら紅夜の首元を鷲掴みにしながら言う。
「誰が兄貴って呼べつったよ?あぁ?お姉様だろ?お・姉・様。今度また、あたしのこと兄貴なって呼んだらあんたのケツ掘るわよ」
「あ、はい……。ごめんなさい、お姉様……」
女は満足したのか、持ち上げていた紅夜を下ろし、今の状態を聞く。
「それで、何を勘違いしてるって言うのよ?」
紅夜は息を整えながら、説明する。
「勘違いしないでくれ、俺はこいつに押し倒されたわけじゃない。それと、俺とこいつは昨日が初対面だ!ほら、昨日のことお姉様に説明してくれ」
紅夜は、雷人に説明するように言う。
雷人はまず、自分の説明から入った。
「龍崎雷人です。えーと……」
「紅夜だ」
「紅夜さんのお姉様、実は……昨日俺が倒れてるところを、紅夜さんに助けて頂いたんです」
雷人は昨日とは全く違う説明した。それを聞きいた女は、嬉しそうに紅夜に言う。
「あら〜!偉いじゃない紅夜!!それでこそあたしの弟よ!あっ、あたしは黒柳優也(くろやなぎ ゆうや)と申します。大丈夫でしたか?うちの弟がむでにしませんでしたか?」
優也は雷人の嘘を間に受けていた。その後ろで、紅夜は苦笑いを浮かべさせながら優也に聞く。
「あのさ……あに、お姉様はここに何しにしたんだ?」
優也は、それを聞いてなぜ自分がここにいうかとことを、思い出した。
「あっ!そうそう、昨日父さんから電話あったのよ。あんたに話があるって言ってたから、来いって言ってたわよ」
「あ……うん。分かったって言って……」
「了解。あっ、雷人君いつでもいていいからね!」
と言って家を出ていった。
優也が出ていった後紅夜はボソッと言った。
「自分の家じゃないんだから」
雷人はじーと紅夜の顔を見つめていた。
「自己紹介が遅れました!俺は、龍崎雷人(りゅうざきらいと)って言います。それともう一つ、何も聞かずに俺を、ここに置いて下さい!!」紅夜は、少し雷人を見つめていた。そして、紅夜は雷人に言う。
「はぁ……今は、とりあえず何も聞かないでおく。その代わり、いつかは話してもらうからな」
それを聞いた雷人は、笑顔で紅夜に抱きつく。
「ありがとうございます!ありがとう!!」
「だあー!もう分かったから、離れろ!」
紅夜が必死に雷人を引きはがそうと、やきになっている時、いきなりドアが凄まじい音を立てて開いた。ドスの効いた声が響いた。
「ゴラァ!いつまで待たせんだ!お姉様が呼んでんだから、コンマ1秒で来んかぁー!!今度あたしを待たせたら、容赦なくテメェの金玉潰すぞ!」
「あに……」
「あぁ?」
「お姉様……」
紅夜の声で我に返ったのか、その人物は紅夜たちをじーと見つめる。そして、ようやく状況を把握した。
「あら?あたし、お邪魔だったかしら?ごめんなさいねぇ〜紅夜〜」
そう言って女は、何を勘違いしのか部屋を出て行った。しかし、紅夜は女を止める。
「ちょっ!待ってよ、兄貴!!これは、誤解だって!!」
それを聞いた女は、紅夜のもとへ戻ってきて、笑いながら紅夜の首元を鷲掴みにしながら言う。
「誰が兄貴って呼べつったよ?あぁ?お姉様だろ?お・姉・様。今度また、あたしのこと兄貴なって呼んだらあんたのケツ掘るわよ」
「あ、はい……。ごめんなさい、お姉様……」
女は満足したのか、持ち上げていた紅夜を下ろし、今の状態を聞く。
「それで、何を勘違いしてるって言うのよ?」
紅夜は息を整えながら、説明する。
「勘違いしないでくれ、俺はこいつに押し倒されたわけじゃない。それと、俺とこいつは昨日が初対面だ!ほら、昨日のことお姉様に説明してくれ」
紅夜は、雷人に説明するように言う。
雷人はまず、自分の説明から入った。
「龍崎雷人です。えーと……」
「紅夜だ」
「紅夜さんのお姉様、実は……昨日俺が倒れてるところを、紅夜さんに助けて頂いたんです」
雷人は昨日とは全く違う説明した。それを聞きいた女は、嬉しそうに紅夜に言う。
「あら〜!偉いじゃない紅夜!!それでこそあたしの弟よ!あ、あたしは黒柳優也(くろやなぎ ゆうや)と申します。大丈夫でしたか?うちの弟がむでにしませんでしたか?」
優也は雷人の嘘を間に受けていた。その後ろで、紅夜は苦笑いを浮かべさせながら優也に聞く。
「あのさ……あに、お姉様はここに何しにしたんだ?」
優也は、それを聞いてなぜ自分がここにいうかとことを、思い出した。
「あっ!そうそう、昨日父さんから電話あったのよ。あんたに話があるって言ってたから、来いって言ってたわよ」
「あ……うん。分かったって言って……」
「了解。あっ、雷人君いつでもいていいからね!」
と言って家を出ていった。
優也が出ていった後紅夜はボソッと言った。
「自分の家じゃないんだから」
雷人はじーと紅夜の顔を見つめていた。
「自己紹介が遅れました!俺は、龍崎雷人(りゅうざきらいと)って言います。それともう一つ、何も聞かずに俺を、ここに置いて下さい!!」紅夜は、少し雷人を見つめていた。そして、紅夜は雷人に言う。
「はぁ……今は、とりあえず何も聞かないでおく。その代わり、いつかは話してもらうからな」
それを聞いた雷人は、笑顔で紅夜に抱きつく。
「ありがとうございます!ありがとう!!」
「だあー!もう分かったから、離れろ!」
紅夜が必死に雷人を引きはがそうと、やきになっている時、いきなりドアが凄まじい音を立てて開いた。ドスの効いた声が響いた。
「ゴラァ!いつまで待たせんだ!お姉様が呼んでんだから、コンマ1秒で来んかぁー!!今度あたしを待たせたら、容赦なくテメェの金玉潰すぞ!」
「あに……」
「あぁ?」
「お姉様……」
紅夜の声で我に返ったのか、その人物は紅夜たちをじーと見つめる。そして、ようやく状況を把握した。
「あら?あたし、お邪魔だったかしら?ごめんなさいねぇ〜紅夜〜」
そう言って女は、何を勘違いしのか部屋を出て行った。しかし、紅夜は女を止める。
「ちょっ!待ってよ、兄貴!!これは、誤解だって!!」
それを聞いた女は、紅夜のもとへ戻ってきて、笑いながら紅夜の首元を鷲掴みにしながら言う。
「誰が兄貴って呼べつったよ?あぁ?お姉様だろ?お・姉・様。今度また、あたしのこと兄貴なって呼んだらあんたのケツ掘るわよ」
「あ、はい……。ごめんなさい、お姉様……」
女は満足したのか、持ち上げていた紅夜を下ろし、今の状態を聞く。
「それで、何を勘違いしてるって言うのよ?」
紅夜は息を整えながら、説明する。
「勘違いしないでくれ、俺はこいつに押し倒されたわけじゃない。それと、俺とこいつは昨日が初対面だ!ほら、昨日のことお姉様に説明してくれ」
紅夜は、雷人に説明するように言う。
雷人はまず、自分の説明から入った。
「龍崎雷人です。えーと……」
「紅夜だ」
「紅夜さんのお姉様、実は……昨日俺が倒れてるところを、紅夜さんに助けて頂いたんです」
雷人は昨日とは全く違う説明した。それを聞きいた女は、嬉しそうに紅夜に言う。
「あら〜!偉いじゃない紅夜!!それでこそあたしの弟よ!あ、あたしは黒柳優也(くろやなぎ ゆうや)と申します。大丈夫でしたか?うちの弟がむでにしませんでしたか?」
優也は雷人の嘘を間に受けていた。その後ろで、紅夜は苦笑いを浮かべさせながら優也に聞く。
「あのさ……あに、お姉様はここに何しにしたんだ?」
優也は、それを聞いてなぜ自分がここにいうかとことを、思い出した。
「あっ!そうそう、昨日父さんから電話あったのよ。あんたに話があるって言ってたから、来いって言ってたわよ」
「あ……うん。分かったって言って……」
「了解。あっ、雷人君いつでもいていいからね!」
と言って家を出ていった。
優也が出ていった後紅夜はボソッと言った。
「自分の家じゃないんだから」
雷人はじーと紅夜の顔を見つめていた。
「な、何だよ…?」
「いや、何もお礼してないなぁと思って…」
何がいい?と雷人は紅夜に聞いた。
「んなもんいらねぇよ。それより、なんで嘘ついたんだよ」
「だって、俺が屋根から落ちてきたなんて言ったらまるで、泥棒みたいじゃん。だから…」
「だからじゃあねぇよ。いつまでいる気だ?」
雷人はん〜と唸りながらボソリと呟く。
「いつまでだろ…?」
紅夜はため息をついてとりあえず、会社へ行くことにした。
「おはようございます」
紅夜の仕事は漫画の編集の仕事だ。
紅夜の受け持つ作家は、必ずしも売上が1位になる。
今まで受け持ってきた作家は、宮内れいな、水野琉奈、城之内京介。そして今波にのっているのが世にも珍しい男性の恋愛作家、上条明だ。
この上条明の書く漫画のテーマは『切ない恋』タイトルは"君の心の中の僕"だ。
君僕は男女問わず人気だ。
それは上条明が考えた、男も女も恋を諦めるなということらしい作品だ。噂では、上条本人の恋愛経験を元にしてるらしい。
この君僕は紅夜も好きな漫画だ。
これがあったから先輩と付き合えたのだとも思えてくる。
だが、先輩に振られてもこの本を嫌いにはなれなかった。
この本を読むとまた恋を諦めきれないからである。
だから今でも上条ファンなんのだ。
紅夜が原稿をチェックしようとしたその時、編集仲間の夏居桃子が声をかけてきた。
「紅夜、さっき上条先生から電話があったよ。『原稿できたから取りに来くれ』だってさ」
「分かりました、ありがとうございます。では、原稿取りに行ってきます」
そう言って紅夜は、上条のところに原稿を取りに行った。
紅夜はとりあえず声をかけた。
「すみませんー。上条先生、原稿取りに来たました。黒柳紅夜です」
だが、返事は帰ってこなかった。
紅夜はお邪魔しますと声をかけて中に入った。
「上条先生?どうしたんですか?つーかどこのにいるんですか?」
紅夜は上条がいそうな所を探してみたがどこにもいなかった。
(もしかして、疲れて寝てるのか?とりあえず、声かけてから原稿を持ってこう)
そう思いながら、寝室のノブに手をかけたその時、部屋から2人分の声が微かに聞こえてきた。
「ね〜もう終わりにしょ?」
「えっ?いいじゃん。もう一回ヤろう?」
「ダメだって…。そろそろ編集の紅くん来ちゃうもん」
「来てもいいじゃん。なんなら、3人でする?」
1人の声は、上条だと分かった。だが、もう1人の方はどうやら男の人のようだ。
紅夜はものすごく迷っていた。
(どうしたら!?しかも何、3人って!?とりあえず3択だ!
1・客と漫画のネタを話している
2・寝言を言ってる
3・セっ………
ぎゃあああああああああ!ごめんなさい!ごめんなさい!!上条先生ごめんなさい!!!)
結局紅夜は、机に置き手紙を置いて原稿を持って帰ったのだった。
次の日、上条から電話があった。
『ごめんね!あの時、お茶ぐらい出せれば良かったんだけど……』
「いや、そんなことしなくていいですよ!先生、徹夜だったんですから」
『ま、まぁそうなんだけどね……』
上条は苦笑いをする。それから、上条と紅夜は約3時間ぐらいその話と今後の原稿の打ち合わせをしていたのだった。
紅夜はようやく帰宅に着いた。
「ただいま〜。って、誰もいなんだった……」
誰もいないと分かっていても、癖で言ってしまう。そんなことを、呟きながら靴を脱いでいると、部屋から2人分の声が帰ってきた。
「「おかえり」なさい!」
紅夜はまさかと思いつつ部屋開けると、案の定紅夜が思っていた通りの人物がいた。
「やっぱり……」
「ちょっと!やっぱりって何よ!やっぱりって!!」
「そうですよ!せっかく優也さんが遊びに来てくれたのに!」
雷人と優也は、紅夜にブーイングをしながら言った。
それを聞いた紅夜は、ため息をつきながら言う。
「はぁ……。何で、いんの?」
「そんなの決まってるじゃない!」
優也は、親指を立てて言い放つ。
紅夜はボソリと決まってないとツッコミを入れる。
「暇だったからよ!」
それにつけたすように、雷人は続ける。
「そうです!暇だったから、俺が呼んだんです!」
二人は声を合わせて、「ねー!」と言う。
そんな二人を無視して紅夜は、自分の部屋へと着替えに行った。そして、着替えを終えて戻ってきた紅夜に、優也は突然言う。
「ねぇ、紅夜?」
「ん〜?」
「あんた達はいつ、SEXするの?」
それを聞いた紅夜は、危なく持っていた買い物袋を落としそうになる。
「なっ、何言ってんだよ!そもそも何で、俺がこいつとセ、セックスしなきゃなんねぇだよ!」
「だってあんた、無意識に雷人くんのと誘ってる?というか、恋してる?ていう顔」
優也が何を言ってるのか分からないという顔をしている紅夜に、優也は続ける。
「だって、そうでしょ?あんた昔から気に入った人をずっと家に置いたりしないじゃない。だから雷人くんのこと好きなんでしょ?」
その言葉を聞いて、紅夜の鼓動が早くなる。
(そうなのか……?確かに、先輩に振られて落ち込んでるはずなのに、先輩に振られたことすら忘れていた。さっきだって、兄貴とこいつが仲良さそうに話して時なぜか、胸がズキンと痛かった…。ん?ズキンってなんだ……?)
紅夜がそんなことを思っていると、いきなり優也の声がしてびっくりする。
「……夜!ねぇ、紅夜ってば!!」
「えっ?」
「も〜う!聞いてなかったの?あたし、そろそろ帰るって言ったの」
優也は、荷物を持ちながら言う。紅夜は、慌てて優也に声をかける。
「あ、待って姉さん。父さん達に……よろしく言っといて……」
優也は、優しい笑顔を浮かべながら「分かった」と言って紅夜の家を出て行った。
優也が、帰ってから紅夜と雷人はそれぞれ食事をし、一緒に寝ると駄々をこねる雷人を自分のベットの横に布団をしいて二人は眠りについた。
その夜紅夜は、珍しく夢を見た。
それは、中学一年生ぐらいの男の子が城みたいな屋敷を眺めている。
男の子は、隣にいる姉らしき女の子に聞いた。
『ねぇ夕姉ちゃん、ここには誰が住んでるの?』
女の子は、誇らしげに言った。
『はぁ?紅夜知らないの?ここには、大金持ちの人が住んでるのよ!』
男の子はさほど興味のない声で答える。
『へぇー。そうなんだ』
それを聞いた女の子は、すぐさま男の子のほっぺたをつねる。
『いはぁいいはぁい』
『へらず口は、どの口かしら?この口かしら?えぇ!?』
二人がそんなことをしていると、その屋敷から小学生ぐらいの男の子が出てきた。
『僕の家の前で、何騒いでるの?近所迷惑きまわりないね』
二人は驚いた。小学生の男の子がそんな難しい言葉を使うとは思っていなかったからだ。
それが初めてでもっとも最悪な、紅夜と雷人の出会いだった。
そんな出会いから、数日。二人は一緒に遊ぶ中になった。紅夜は高校生に、雷人は中学生になっていた。そんなある日、雷人から何か話があると言われ、二人は屋敷の裏にある小さな小屋に来ていた。
『ねぇ…、紅くんは好きな人いる?』
それを聞いた紅夜は、少し照れながら答える。
『……いるよ』
『えっ!?誰、誰?』
紅夜は、一呼吸置いてから答える。
『それは……』
『紅夜ーー!』
紅夜が答えようとしたその時、運悪く優也に呼ばれてしまった。
『ごめん。姉さんに呼ばれてる。行かないと、あとから文句言われるから行かないと…』
『あはは……。優ちゃん怒ると怖いもんね。僕のことは気にしなくていいから、行ってきなよ』
雷人は、苦笑いを浮かべながら言う。
そんな、雷人に申し訳無さそうに、紅夜は『ごめんな……』と言って優也の元へと走って行った。
紅夜は、ふっと思った。
(結局、高坂くんは何が聞きたかったのだろう……?もしかして、学校で好きな人が出来てその相談とか?まぁ良いか、次の日また会ったら話を聞いてみるか)
その日結局、一日中優也にこき使われ続け頭の中にあった相談は、頭から消えていた。
次の日、二人はまた屋敷の裏にある小屋に来ていた。雷人は、話始める。
『ねぇ、紅くんのお姉さんって優しい人だよね。怒ると怖いけど』
それを聞いた紅夜は、あきらかにこいつ何言ってるだ?という顔をしていた。
『えっ……。そんなあきらかにこいつ、バカか?みたいな顔をしないでよ……』
『ごめん……つい……』
紅夜は、フッと思ったことを雷人に聞いた。
『そういえば、高坂くんにはお兄さんやお姉さんっていないのか?』
それを聞いた雷人は、苦笑いをしながらごまかした。
『いるけど……。兄様はいろいろ忙しい人だから、あんまり僕とは合わないんだ……』
『そうか……。ごめんな、変なこと聞いて……』
二人の間には、気まずい空気が流れる。そんな気まずい空気を払うように雷人は話始める。
『ううん、良いだよ。だって僕には紅くんがいるもん』
そう言って雷人は、紅夜にキスをする。
そこで夢は終わっていた。紅夜は、隣で寝ている雷人を見つめ続ける。
(あの時の男の子は、こいつだったのか。でも次の日にはもうあいついなくなっていた。俺はあいつに"ずっと一緒"だと言いたかった……)
日曜日紅夜は、雷人に"全て"を聞くことにした。
「お前には、"全て"話してもらうぞ」
「えっ……?全てってどいうことですか……?」
雷人は、何かに怯えた声で言った。まるで、秘密がバレてしまった犯人のように。紅夜は、静かに話始める。
「雷人……いや、"高坂くん"」
雷人は、目を見開いて驚いた。そして雷人は、全てを話すことにした。
「思い出しんですね……。俺のこと……。紅夜さんの家に来たのは偶然じゃないんです」
「偶然じゃない?」
「はい……。紅夜が兄様……海斗と付き合ってると聞いて……」
全て察した。
「そして、俺が先輩に振られたことを知ってここに来たっていうことか」
雷人は、そのまま話を進める。
「それだけじゃないです……。俺、逃げてきたんです。婚約者から……、お父様から……」
雷人の話によると、ある日雷人の両親は離婚したらしい。それで兄の海斗は母親に、弟の雷人は父親にそれぞれ引き取られたらしい。
母親と海斗はそのまま北海道の実家へ。父親と雷人は海外に行ったという。そして、日本の大学へ通うべく日本へ帰って来れば、紅夜と海斗が付き合ってることを知ったという。
その時の雷人は、竜崎グループを継ぐために必要なのは"妻"ということで、竜崎グループと同じぐらい権力を持つルナシェイド・フォン・ロードのご令嬢、ルビア・フォン・ロードと婚約をさせられたそうだ。
「それで、お前はどうしたんだよ?」
雷人は、勢いよく立ち上がり叫ぶように言う。
「もちろん!!失礼のないように、お断りしました!!……でも、無理でした……」
最後は、苦笑いを浮かべながら言った。そして、雷人は、ゆっくりと立ち上がって紅夜に言う。
「すみません……、こんなことに巻き込んでしまって……。俺、帰りますね……!今までありがとうございました」
そう言って雷人は出て行こうとしたその時、いきなり紅夜に後ろから腕を掴まれる。
「ま、待て!!俺も行く!!」
えっ!?と思った時には遅く、紅夜によって雷人は車に乗せられた後だった。
「ちょっ、紅夜さん!?行くってどこに!?」
「決まってるだろ!俺がお前の親父さんに言ってやるんだよ!」
紅夜は、1番いい笑顔で雷人に言った。
紅夜達は、竜崎邸に着くなり使用人達に止められるのを阻止しながら進んで行く。
「困ります!雷人様!!今、ご主人様には誰もお部屋に入れるなとおっしゃっていましたので!」
「八雲さん、ごめんなさい!それでも、お父様に会わないと行けないんだ!」
紅夜達は、勢いよくドアを開ける。
そこには、白髪でスーツ姿の紳士の男が椅子に座っていた。
「何の用かな?」
重く低い声が、重しとなって紅夜達の動きを止める。
「お父様……」
「いい、俺が言う」
雷人の言葉を紅夜が遮る。紅夜は、雷人を落ちつかせるように笑う。そして、先程の白髪の紳士な男に向き直り言う。
「いきなりご挨拶もなく、失礼致しました。私、黒柳紅夜と申します。いきなりではありますが……」
紅夜は、1度間を置いて言う。
「雷人を……息子さんを俺に下さい!」
それを聞いた、雷人の父碧人はいきなり笑い出す。
「ふははははは!黒柳君と言ったかな?君は、面白いことを言う男だね。私のもう1人の息子……海斗と付き合っていたのは知っているよ。その時も私の財産目当てだったようだが、今度は雷人を利用してまた狙っているようだね」
雷人は、すぐさま碧人を殴りかかりそうな勢いで叫ぶ。
「なっ!お父様それは考えすぎです!!だって、紅夜さんはそんなことをする人ではっ!!」
そこで、紅夜に話を止められる。
「あなたから見れば、そう見えるでしょう。ですが、俺が1番欲しいのは財産じゃ無い。ここいる、雷人だ」
「紅夜さん……」
「たとえ雷人が金持ちの息子じゃなくても、俺は、雷人を選んでいた」
紅夜は、雷人の手を握りしめる。紅夜の手は、震えていた。雷人は、その手を握り返す。もう二度と離れないというように。
「思い出したんだ、"あの日の記憶"。だから、お前の全てを俺にくれないか?俺も……全てやるから……」
紅夜は、優しい笑顔で雷人に言う。雷人は、ボロボロと涙を流しながら言う。
「うん……!俺……、紅夜さんに全てをあげる……。俺も、紅夜さんの全てを欲しい……!」
「雷人……」
紅夜は、子供のように泣きじゃくる雷人の頭を優しく撫でる。やがて、雷人は泣きやみもう一度碧人に向き直って頭を下げる。
「ごめんなさい……お父様……。そして、俺たちの事を認めて下さい……!!」
「認めてやれば?」
そういきなり、雷人の後ろから男の声が聞こえた。二人は振り向くとそこには、見覚えのある人物がいた。
「兄様!」
「海斗さん!?」
二人はそう、同時に叫んだ。
「何だよ?2人して。俺がここに来ちゃダメだったか?なぁ、優也?」
その名前に一早く気づいた紅夜は、叫んだ。
「えっ!?海斗さん、今優也って……!」
それに答えたのは、海斗では無かった。
「そうよねぇ、海斗もここの人だものね」
そう言って、海斗がいる入口から出てきたのは紅夜の兄の優也だった。
「なっ、何であんたがここにいるんだよ!?」
それを聞いた優也は、紅夜のもとに行って紅夜の耳をつねながら、聞き返す。
「あら?何?あたしがいちゃ悪いって言うの?」
「痛ててててっ!そいうことじゃなくて!!何で、海斗さんといるだって聞いてんだよ!」
優也はようやく、紅夜から手を離して言う。
「そんなの、決まってるじゃない!あたし達が、友達だからよ」
優也の言葉を引き継ぐように、海人は言う。
「そうなんだよ。紅夜、黙っててすまなかったな」
そう言って、海人は紅夜の頭を撫でる。
「い、いいえ……、大丈夫です。ただ、びっくりしました。俺の、お姉様と友達だったなんて知りませんでした……」
今まで黙っていた碧人は、海人に聞いた。
「海人……、お前はこの事知っていたのか?」
「ええ。知っていましたよ。分かっていた事だったのでは?雷人のことぐらい」
それを聞いた碧人は、いきなり笑い出した。
「ふはははは!海人に言われてしまっては、認めなくてはならないな」
雷人は、自分の耳が都合よく聞こえてしまったのか雷人は、碧人に聞き返す。
「えっ……?今何って……?」
「認めると言ったのだよ。黒柳君と幸せになりなさい、雷人」
それを聞きいた雷人は、すぐさま紅夜に抱きついた。
「紅夜さん、やったよ!お父様が俺たちの事、認めてくれた!」
そんな雷人の頭を紅夜は、優しく撫でながら微笑む。
「ああ、そうだな。碧人さん、ありがとうございます!俺、この人と一生一緒にいます!絶対に離れませんから」
「いいや、こちらこそ、雷人をよろしく頼む」
「はい!」
こうして、雷人の長い片想いは実った。
雷人の長い恋が実って1週間がたった。あれから、雷人は紅夜と一緒に住むことになった。
「なあ、雷人……」
「ん?どうしたの紅夜さん?」
雷人は、ソファーに座る紅夜の隣に座って聞く。
「お前さ……、親父さんに殴られたりしなかったか?」
「うーん、まあまあかな?でも、ちゃんと話すことが出来たよ!紅夜さんのおかげだね!」
雷人は、嬉しそうに笑いながら紅夜の肩に頭を乗せる。
「おい、重いぞ。離れろ」
「嫌だね!ずっと、こうしていたいな……」
「……馬鹿野郎」
紅夜は、雷人から顔を逸らす。雷人は、紅夜の顔を見ようと覗き込む。
「ねえ、紅夜さん顔赤いけど……熱でもあるんじゃない?」
「うるさい!!何でもない!!」
紅夜は、雷人から離れようとするが雷人が紅夜を抱きしめて離さない。
「こら!離せ!」
「やだ!だって、紅夜さんが可愛いんだもん。俺、紅夜さんのそういうところ好きだな……」
「……ッ!!」
「俺も、紅夜さんと同じ気持ちだよ?だから……」
雷人は、紅夜の唇にキスをする。
「もう、我慢しないから」
そう言った雷人の瞳には、獣のような鋭い光が宿っていた。
「もう……、お前の好きにしろ……」
「うん、分かった」
雷人は、紅夜の服を脱がそうとする。だが、紅夜はそれを止めた。
「待て……、俺もお前の服脱がす……」
「えっ!?ちょっ……!紅夜さん!?」
紅夜は、雷人の服を全て剥ぎ取る。そして、自分も裸になって雷人に覆い被さる。
「お前だけだと思うなよ……?俺も……、お前が欲しいんだから」
「うん……!」
雷人の返事を聞くと、紅夜は自分の舌を雷人の口の中に入れていく。
「んっ……!ふぅ……っ!」
「あっ……!んん……!」
二人は、お互いを求め合うように何度も角度を変えながらキスを繰り返す。やがて、紅夜は口を離すと二人の口から銀色の糸が引く。
「紅夜さん……、凄くエロいよ……?」
「それは……、お前だろ?」
二人は見つめ合って笑うと、再び深いキスをした。
それから、二人はお互いの体を触り合い始めた。紅夜の胸を揉みながら、乳首を摘まんでいく。
「紅夜さんのここ……、固くなってる……。感じてるの?」
「ちがっ……!違う……!これは……!お前が……!ああぁっ!!」
紅夜は、雷人の手を押さえようとしたが逆に押さえつけられてしまう。
「紅夜さん、嘘はよくないよ?こんなにしておいて、違うとか有り得ないから」
「だってぇ!ひゃっ!ああん!」
紅夜の体は、ビクビクと震えていた。紅夜は、潤んだ目で雷人を見る。
「雷人ぉ……!お願いぃ……!下も……!してよ……!」
雷人は、紅夜の言葉を聞いてニヤリと笑った。
「いいよ……」
そう言って、紅夜の足を開かせて指を入れる。
「ああああああ!!!!」
「まだ入れたばっかりなのに……イっちゃったの?」
「だって……、お前が……激しくするから……!」
「へえ……?じゃあ、もっとしてあげる」
雷人は、二本目の指を入れて紅夜の中を刺激した。
「やあぁ!!だめぇ……!またイク……!」
「いいよ……、何回でもイッて?」
「やっ……!ああっ!ダメ……!もう無理……!」
紅夜は、連続で達してしまった。雷人は、紅夜の秘部から手を抜くと、紅夜の両足を持ち上げる。
「紅夜さん、入れるよ?」
「はっ……!早く……!」
雷人は、自身のモノを取り出すと紅夜の中に挿入していく。
「ああ!入ってるぅ……!熱いぃ……!」
「紅夜さんの中も、熱くてトロけちゃいそうだよ……!」
「雷人!動いて!めちゃくちゃにしてくれ!」
「言われなくても!」
雷人の腰の動きが激しくなる。紅夜は、雷人にしがみついて快楽に溺れていった。
「ああ!雷人!雷人!気持ちいい……!」
「俺もだよ!紅夜さん!好きだ!」
「俺も好きぃ……!」
「紅夜さん……、出すよ……!」
「出して……!中に……いっぱい……ちょうだい……?」
「紅夜さん……愛してる……!」
「俺も……!雷人を愛してる……!ああっ!んんーーーー!!!」
「んっ……!」
二人は同時に果てると、雷人は紅夜の上から退いた。
「雷人……?」
「ごめん、紅夜さん。大丈夫?」
「ん……、平気……」
そう言うと、紅夜は起き上がって服を着始める。その様子を見ていた雷人も、慌てて服を着る。すると、紅夜は雷人の方を向いた。
「雷人……」
「どうしたの?」
「あのさ……、もう一回しないか?」
「えっ!?でも、紅夜さん疲れてるんじゃないの?」
「いいんだ。俺は、お前としたいんだよ。嫌か?」
雷人は、首を横に振って答える。
「嫌じゃない!むしろ、嬉しいよ!」
「そっか……」
紅夜は、嬉しそうな表情をして雷人の方に向かってきた。そして、そのまま雷人に抱きつく。
「雷人……」
「紅夜さん……」
二人は、軽くキスをする。雷人の手は、紅夜の胸へと向かっていき優しく揉んでいく。それに合わせて、紅夜も雷人の股間に手を伸ばして撫でる。
「紅夜さん……」
「雷人の……固いな……」
紅夜は、自分の胸に雷人のものを挟んで上下に動かしていく。
「うわ……!これヤバいよ……!」
「気持ち良いだろ?ほら、我慢しないで出せよ」
紅夜は、雷人のものを口に入れて吸い上げながら舐め回す。雷人の限界はすぐに訪れた。
「紅夜さん……!出る……!」
「いいぞ……、全部飲ませてくれ……」
「うん……!」
紅夜は、雷人の出した精液を飲み込むと妖艶な笑みを浮かべる。
「美味しかったよ……?」
「ありがとう……、紅夜さん……」
二人は、もう一度キスをしてから眠りについた。それから1週間後、碧人が帰ってきた。そして、すぐに二人は呼び出された。
「二人とも、この一週間何をしていたんだ?」
「それは……その……!」
「二人でイチャイチャしていましたけど?」
「……ッ!?」
雷人は、恥ずかしがっているが堂々としている。
「お前……!何でそんなことを……!」
「だって、事実だし。ねっ?」
「ああ、まあな……」
紅夜は、顔を赤くしながら答えた。
「それより、話があるんだろ?」
「ああ……、実はお前達の婚約の話なんだが……」
「やっぱり、無くなったんですか?」
「いや、無くなってはいない」
「どういうことだ?」
紅夜は、不思議そうな顔で聞く。
「親父から、お前達に直接聞いてこいと言われたんだ」
「そういうことですか」
「だから、明日家に来てくれないか?そこで、正式に決めるから……」
「分かりました。行こう?紅夜さん」
「ああ……」
翌日、二人は実家の前に立っていた。
「ここに入るのか……」
「緊張する?」
「当たり前だろ?こういうことは初めてなんだから……」
「大丈夫だよ!何かあったら、俺が守るから!」
「お前が守ってくれるのは分かってるよ」
そう言って、紅夜は微笑む。雷人は、紅夜の手をギュッと握った。
「じゃあ、行くよ?」
「おう」
二人は、家の中に入っていった。
「ただいま戻りました」
「失礼します……」
リビングに入ると、そこには父と母がいた。
「おお!来たな!久しぶり!」
「お帰りなさい。元気にしてたかしら?」
両親は、笑顔で迎えてくれた。
「はい、とても楽しく過ごしてましたよ。ねっ?」
「ああ……」
紅夜は、ぎこちない返事をした。
「そうか!良かった!じゃあ、早速本題に入ろう!」
「ちょっと待って下さい。まず、紹介させて下さい。こちらにいる方が、俺の恋人の紅夜さんです」
「初めまして……。赤神紅夜と言います……」
紅夜は、深々と頭を下げて挨拶をする。
「そして、隣にいるのが俺の婚約者の雷人さんです」
「よろしくお願いします。雷人といいます」
雷人も、丁寧に自己紹介する。
「紅夜君に雷人君か……、よし覚えたぞ!それで、二人の馴れ初めはどんな感じなのか?」
「えっと……、雷人とは、高校一年生の時に出会いました。雷人は、優しくてカッコよくて……俺の憧れの存在でした。でも、雷人はモテていたので不安だったんです。俺なんかより可愛い女の子の方が雷人には似合うんじゃないかとか色々考えちゃったりして……」
「紅夜さん……」
「その時に、雷人に告白されたんです。最初は驚きましたけど、凄く嬉しくて……!それから付き合い始めました」
「そうかそうか!幸せそうで何よりだ!」
「はい!」
「ところで、紅夜君はどうして雷人君のことが好きなの?」
「それはですね……雷人は、いつも優しくしてくれて、困っている時には助けてくれるヒーローみたいな存在なんです。それに、雷人は本当に素敵な人で……」
「もういいよ!紅夜さん!」
紅夜の言葉を聞いて、雷人は照れた様子を見せる。「あら、ごめんなさい。つい熱が入り過ぎてしまったわ」
「いえ……、気にしないでください」
「そういえば、二人はいつまでここにいるつもりなんだ?」
「一応、一週間は滞在する予定です」
「そうか!ゆっくりしていきなさい!」
二人は、再び両親の元へ戻ると、今度は雷人が話し始めた。
「実は、父さんと母さんに相談したいことがあるんだ……」
「どうしたんだ?急に改まって……」
「実は、紅夜さんと結婚したいと思ってるんだ」
「結婚だと!?」