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    SALVA.

    一次創作、低頻度稼働中。
    小説、メモ、その他二次創作など。
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    SALVA.

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    うちの子の話。
    テライさんの羽が無くなる話。
    自己満だからね。注意。

    僕が守る理由夕方17時頃。
    質素なアパートの一室。
    大きな物音を立てないよう気をつけながら、僕は行き場の無い快楽に身を捩らせていた。

    僕が股がっているこの人の名前は、サト。
    僕が御守り型として守ることになった、可哀想なお方だ。僕が来るずっと前からうつ病という病気で、閉鎖的な暮らしをしてきた。その詳細を教えていただいたことは無いけれど、彼が居ない時にこっそり家の中を探索しては、彼の詳細について少しでも知ろうと努力してる。
    そして発見したものから、彼がどのような人なのかを理解しようとしてる。
    だから可哀想な人だということだけは理解出来るんだ。

    では僕が来てからはどうか。
    少しでも明るくなっただろうか。

    残念なことにその変化は目に見えない。相変わらず表情は暗いし、笑ってくれることなんて1度もない。笑顔という分類で見ればたまに笑ってくれることもあるけど、決していい笑顔ではない。要は嘲笑うような、暗くてどうしようもないネガティブな顔だ。

    だからこの方が笑ってくれるように僕が努力する。
    僕が頑張ることでこの人は満足してくれる。
    僕が言うことを聞けば、少しは気が楽になると、そう仰ったから。

    「おい、悪魔」
    僕が腰をうねらせていると、下でじっとしていたサト様が不機嫌そうに口を開いた。
    「っ…………はい」
    僕が苦し紛れに返事をすると、サト様は相変わらず顔を顰めたまま言う。
    「俺が苛ついているのは分かるな?」
    「…!は、はい」
    「なら何故苛ついていると思う?」
    僕はそう問われ、思わず動かしていた腰を止める。もうじき絶頂が近かったので、なんとも言えない焦れったさが下半身を包み込んでいる。

    「…………あ、き、気持ちよく…ないから…です、か?」
    そう答えた僕を怖い目で見つめたまま、サト様は鼻で笑った。
    「気持ちよくねえのはいつもの事だ。テクがねえんだよお前には。動きも雑、声もキモイ、俺が言ったことを少しも活かせてない。」
    いつもの罵声だ。何度言われたことか。
    僕も僕なりに人間の体について勉強して、どうしたら気持ちよくなるかを沢山考えて、色々挑戦しているのに。
    それでも気持ちよくないのは確かなのだから、僕の勉強不足なのだろう。

    「これが、顔にあたんだよ」
    サト様は僕の背中から生えている帯状の羽を強く引っ張った。

    悪魔の羽。
    悪魔の治癒力及びあらゆる精力の源となるもの。
    形や長さ、強度は家系や遺伝によって異なる。
    基本的に悪魔の羽は柔らかく、紐のように下に垂れ下がっているものが多いが、緊張したり、驚いたり、そして必要に応じて飛ばなくてはいけない時などに硬化し、その硬さは、僕の知る人間界の何よりも硬い。例えばダイヤモンドとか。

    そして羽には、精力を貯める力がある。
    この貯められる精力の量や質によって、個人の持つ能力とかも変わってくる。
    僕の家系の羽は他よりも少しその力が強くて、それぞれの能力にも影響してる。
    例えば僕は触れたものから触れてる間だけ精力を吸い取って、羽に貯めることができる。人間でいえば魂を吸い取る…要はそういうやり方で苦しむことなく殺す事とかが出来る。
    自身の能力で人を殺せる悪魔は少ない。
    でも、残酷な能力だ。この指一本で人を殺せてしまうなんて、運命を決める天使みたいで皮肉っぽい。

    死んでも使わない。こんな力。

    話を戻すと、逆に羽を失った悪魔は悪魔としての地位が落ちるだけではなく、地獄社会における立場がなくなるのと同じ。そういう奴らを「堕凶魔(だくま)」と言って、一生差別を食らうことになる。

    だから羽は、命と同じくらい大切なものだ。


    「………あ、…それなら結びま、しょうか」
    有無を確認する前に、僕は自分の羽を持ち上げて前に持って来る。
    僕の羽は計6本、普段も少し引きずる程の長さで、うねりなどもない真っ直ぐな形をしている。これが、サト様の体に当たってしまうのだろう。
    羽が邪魔となる時はいつも羽を束ねて結んでしまう。多少痛いけど、こうする他にないのだ。

    しかし、サト様は不愉快だったようだ。

    「結んだところで鬱陶しいだけだ。

    切ってしまえ、そんなもの」


    今、なんと言った?
    今サト様は、僕に僕の羽を切るように言ったのか?

    ……………そんな

    僕は体を硬直させ、思わず言う。
    「ダメです…それ、はできません!」


    言ってから、ハッとする。

    しまった。
    恐怖に囚われ、肝心なことを忘れてしまった。
    サト様の仰ったことを…否定してしまった。

    まずい。


    「……………………んだと?」

    サト様の顔が変わる。いつもよりずっと怖い顔。
    眉間に寄るシワもなくなり、大きくその目が見開かれ、顔に血管が浮き出る。

    「…………ぁ…………ごめん、なさ」

    反射的だったが、咄嗟に謝ろうとした。
    しかし、もちろん許してもらえるわけがなかった。

    体を殴るように押され、根元まで入っていたそれを引き抜かれる。
    ベッドから僕は転がり落ちる。
    「ゔっ……………」
    僕が体を起こそうとすると、頭に激痛が走る。
    お怒りになったサト様が僕の頭を鷲掴みにして無理やり起こす。

    サト様の綺麗な顔が目の前に来る。
    怒っているし、恐ろしい形相だけど、それでも綺麗だ。
    「何が、ダメだと?」
    至って冷静に聞こえるサト様の声。
    そう、この静かな声の時、サト様は本気で怒ってらっしゃる。

    僕は固唾を飲んで震えながら答える。
    「も、申し訳…ござ、いません…で、でも…………羽だけ…は」

    いくらサト様とはいえ、この羽がないと地獄にも帰れない。
    誰か他の悪魔の力を借りなくてはいけない。しかし、羽のなくなった悪魔を、誰が助けてくれるだろうか。

    サト様はいっそ穏やかな顔で僕に言う。
    「いつからそんなに偉くなったのだろうな」

    そして、いつも僕を甚振る時に使うナイフを持っていた。

    背中がゾッとする。
    羽が、ピシッと硬化する。

    「おい、なんのつもりだ」
    サト様の声が低くなる。
    でも、恐怖で妙に力が入って、羽を緩められない。
    これじゃ逆撫でなのに。

    切れるわけない羽の1本に、サト様がナイフを当てる。
    硬化しているせいで、滑って僕の背中に刺さるのではないかと不安になる。

    「元に戻せ、クソが」
    サト様の怖い声が聞こえる。この声で怒られるのは、苦手だ。
    だって本当に殺されるんじゃないかって思うくらい、ずぅぅぅんと重たい声だから。
    「ごっ………めんなさい…体が竦ん、で…上手く、戻せ、なくて」
    戻したくても戻せない。恐怖で身体が硬直して、妙に力が入ってしまう。

    その時。
    さっきまでの余韻をぶり返すように、下半身に衝撃が走った。
    何があったのかと後ろを見ると、サト様がまた僕に挿入していた。
    広がりきっていたから痛みはほとんど無い。
    ただ、苦しいくらい気持ちよくて…
    「ゔぅっ………!!あっ……」

    腰が、震える。
    力が、入らなく…


    あれ…
    背中が、熱い…いや、痛い…?

    痛……………いた、痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!


    力が抜けた僕の羽はまた柔らかくなっていた。
    そして、それを待っていたかのようにサト様は僕の羽をギコギコと切っていた。

    背中が熱い。僕の血が背中に拡がって、黒い床に垂れているのが見える。そして切り落とされ、床に落とされた羽が、まるでタコの足のようにゆっくり動いているのが見える。

    いやだ、いやだ!!
    おねがい、もう切らないで!!
    お願いします!!

    「ぁっ…っ…」
    暴れる僕を、サト様は押さえつけた。すごい力だ。
    僕の方が体は大きいのに、いつも力では敵わない。

    やめてなんて、サト様に声をかけることは出来ない。
    そんなこと言っても、サト様はやめてくれるわけないだろう。
    痛みと恐怖が体を蝕んで、息ができない。

    ギリギリ、ギュリッ、ブチッ。
    僕の体の一部がちぎれる音がする。
    そして僕が悲鳴をあげる。
    また切れて、また悲鳴をあげる。

    次に切ったら、今度は悲鳴すら出なくなって。

    僕は気絶した。




    目を覚ましたのは、もうすっかり暗くなった頃だった。部屋の電気は付けっぱなしで眩しい。僕は体を動かすだけで背中が痛み、思わず「ぅ」と唸る。
    あの後気絶して、僕はどうなってしまったんだろう。

    頬に当たる感触は柔らかい。ベッドの上だ。
    気絶した時は床にいたから、きっとサト様が寝かせてくれたんだ。
    それに、裸になっていた僕の体に、雑ながら包帯なんて巻いてくれて。
    ほら、なんて優しい方…
    僕のこと、完全に嫌いなわけじゃないんだ。

    ふと、寝息が聞こえたので振り向いてみる。僕の隣ですやすやと眠るサト様は、やっぱり苦しそうで。
    そして、目を疑ったのは、彼が僕から取った羽を握っていたこと。

    ほらね、サト様だって、僕が居なきゃダメなんだ。
    さっきは地獄に戻ることを考えたけど、良く考えればこの先もきっと長いことサト様といるんだから、羽がなくても大丈夫なのかもしれない。
    ちゃんと、御守りしなきゃ。

    …ん?ちょっと待て。

    僕の羽は全部で6本のはずだ。
    何故サト様は5本しか持ってないんだろう。

    …まさか。

    僕はベッドから降りて、痛みに耐えながら洗面所へ向かう。
    電気をつけて、鏡に背を向けて背中に手を伸ばす。
    包帯を巻いていても激痛だ。恐る恐る触っただけなのに刺されたような痛み。

    でも、やっぱりそうだ。
    サト様は、僕の羽を1本だけ残してくださった。

    …まあ、1本だけじゃもう飛べないけど。
    回復力が完全に無くならなくて済んだ。
    これなら、時間はかかるけど怪我をしても治すことは出来る。

    全く無くなってしまうと、1度付いた傷は元に戻らなくなるのだ。

    ふと思う。
    羽が1本になっても、僕はまだ命を奪えるのだろうか。
    羽1本に、どれだけの精力を貯めこめるかは分からない。

    それでもきっと、一生この能力は使わないだろうな。

    この能力は、サト様も傷つけることになるだろうから。
    絶対、殺さない。

    僕は、サト様を守るんだ。
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