ニアリーイコールアイ「――っふぅ、は、っ」
じっとりと汗ばんで蒸気した頬に張り付く艶やかな黒髪を、優しく外しながらそっと手を添える。少し体温の低い僕の手が気持ち良いのか、自身の熱を逃すようにその手に擦り寄ってきた。艶めかしい様子に自然と喉が上下するのを感じ、細く吐く息に昂まる熱を混ぜて懸命に理性を繋ぎ止める。
「大丈夫? 今回の結構辛そうだね、早く薬効いてくるといいけど」
「さ、とる、ゴメン、こんな、」
「なーんで謝るのよ、仕方ないでしょ傑のせいじゃないよ」
ふらふらと僕の部屋に来たかと思ったら、いきなりせっせと洗濯物を漁るから何かと思ったけど、どうやら前兆が出ていたらしい。いつもきっちり傑は管理していたから油断したなぁ、ちゃんと周期気にしてあげなきゃいけなかったのに。
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