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    テフテフ

    @tefusan_0305

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    テフテフ

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    ふわふわした十条兄弟の話。要目線。
    初めて書くので文章が変になってしまうのではないかと悩んだのですが、内容が内容なのでむしろめちゃくちゃでフニャフニャの文章の方が味があるのではないかと思い、書くことにしました。

    #あんさん腐るスターズ
    ansanRottenStars
    #メルヒメ
    melhime
    #ひめ要
    smallKeystone

    夢中ふわふわした兄弟の短い話です。
    ずっと要目線です。急に終わります。
    頭を空っぽにして読んでください。







    今夜はお兄ちゃんと出かけます。
    外はすでに日が落ちて、ゆっくりと冷たい夜が訪れようとしているので、
    ぼくは急いでお兄ちゃんに“空を飛ぶ方法”を教えてあげるのです。



    折り紙より分厚くて厚紙より柔らかい紙を細長く切りそろえたものを机の引き出しから4枚取り出して、そのうち2枚をお兄ちゃんに渡します。

    1枚を手に取っておみくじのようにくくって形を綺麗に整えてから、もう1枚の紙を結び目の部分に垂直になる向きでテープで貼り付けて竹とんぼの形を作ったら完成です。これを頭の上にのせて空を飛ぶのです。竹とんぼよりタケコプターに近いかもしれません。

    頭に固定はしないので頭から飛んでいってしまうかもしれませんが、紙で作った紙とんぼは軽いので飛んでいっても気が付きません。
    それに、紙とんぼがなくなっても空を飛ぶことはできるのです。



    ぼくがこうして空を飛ぶのはおそらく2回目なのですが、前回この紙とんぼを作った記憶はありません。というのも、ぼくはかなり記憶力が落ちてきているらしく前回のことはあまり覚えていないのです。

    誰かと一緒に夏の空を飛んで、花火と同じ高さで眩しくて熱い夜を泳いでいたような気がします。でもきっと覚えていないということはそれほど親しい人でも、大事な思い出でもなんでもないのです。



    ぼんやりとぼくが考え事をしている間に、お兄ちゃんも紙とんぼを完成させていました。ぼくが最後にキラキラ輝くゴールドのラメをひとつまみふりかけます。
    これはもちろん妖精の粉の役割です。やる必要もなければ前回の記憶にもない作業ですが、お兄ちゃんはじっと紙とんぼを見つめていました。



    頭に乗せる、というより髪に挟んだぼくたちが少し動くたびに頭からキラキラと粉が舞ってきます。

    外に出て、手を繋いで、暗い空を見上げると、パジャマしか着ていないのに不思議と寒さは感じませんでした。でもお兄ちゃんと繋いだ右手は確かに温かかったのです。



    前回のように上手く飛べるか不安でしたが、目を瞑ってふわふわと浮かぶイメージを思い浮かべると、いつの間にか足が地面から離れていました。

    はじめて飛ぶお兄ちゃんの冷たい両手を取ってアドバイスをします。ふわふわ、から連想して雲や綿菓子を思い浮かべるように言うと、次第にお兄ちゃんも浮かび上がりました。



    手を繋いだまま、ぼくたちはどの建物よりも高く飛びました。
    遥か下に見える人々の明かりももう他人事になり、星空と欠けた月だけの暗い空で、繋いだ手と手の間に生まれる熱だけが確かにぼくを安心させてくれるのです。



    ふいに月が雲に隠れて月光が不気味な模様を表した時、急に怖くなったぼくは一度降りようと言いました。
    急いで目を閉じて、今度はゴツゴツとして重たい石ころを思い浮かべます。
    そうするとぼくたちの身体はゆっくりと下降をはじめて、暫くしてから僕の足の裏は硬い地面に触れました。



    恐怖によるものか興奮によるものかはわかりませんが、ぼくの心臓はどきどきと早鐘を打っていました。お兄ちゃんの顔を見ると、どうやらぼくと同じ気持ちのようで、とっても嬉しくなりました。
    そうしてその時、お兄ちゃんの頭からあの紙とんぼが無くなっているのにも気付きました。



    それからふたたび空に浮かんだぼくたちは二人きりの夜を堪能しました。
    今度は建物の高さを大きく超えないように気をつけました。
    いつもと違って軽い身体は、屋根の上を緩やかに跳ねて回ったり、街頭の上に着地したりできるのです。



    温度をもたない風がぼくたちの間を通り抜けたとき、いつかのテレビで見せたのと同じようにお兄ちゃんが髪をかき上げました。

    どんな時でもやっぱり、お兄ちゃんはかっこいいのです。



    宙に浮いたまま、ぼくが手を伸ばしてお兄ちゃんに抱きつくとお兄ちゃんもぼくを抱きしめてくれたのです。

    そして目を閉じて抱きしめあったまま、上も下も右も左も分からなくなるまで空を漂いました。






    ぼくの初夢は、ぼくの一番好きな空を飛ぶ夢でした。




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