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    いっちょぎ

    色々やらかす腐った大人。
    現在は休暇。に大ハマりして、リゼルさんを愛でつつジルリゼを愛して精ゔんを可愛がっております。

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    いっちょぎ

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    精ヴンへのお題は『金はないけどキスならあげれる』です。
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    #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/470788

    甘いちゃらぶな精ゔんです(真顔)

    「俺、今回は何気に良く働いたと思うんスけどね」
    「あ?」
     ぽつん、と呟かれた言葉に、イレヴンは訝し気に眉を寄せた。



     ―――数日前。
     幾つかある拠点の一つ。
     色鮮やかなやたら色気のある青年……イレヴンが幼子のような一途な思慕を寄せているあの穏やかな男が、少し前に冒険者最強と言われている黒尽くめの男とイレヴンと共に、三人で行きたいと言ったのは少々遠方の迷宮。
     蛇の道は蛇というべきか、意外と知られていないが、あの辺りはあまり素行のよろしくない連中の棲み処になっていた。実際、手練れの冒険者ですら被害に遭う事があるらしいのだが、イレヴンからすれば可愛らしいばかりのオイタだ。
     だが、そこにあの穏やかな男が絡むとなれば話は違う。
    「ちょっとでもリーダーに危険が及ぶようなモンは掃除しときてぇんだよなァ」
    「…………」
     たまたまこの拠点に居たのは、分厚い前髪に目元を覆い隠した男のみ。
     のんびり呟かれたイレヴンの言葉は、そのまま『掃除をしてこい』だ。当然、男に拒否権はない。
     ちらとも視線を寄越さないまま、アルコールの入ったグラスを傾けながら、まるで犬を追い払うかのようにひらひらと手を振って、イレヴンは今すぐ行って来いと男を追い出した。やれやれとため息をついて、分厚い前髪に目元を覆い隠した男は、ゆっくりと腰を上げると目的の拠点へと馬を走らせたのだ。
     目的の『掃除』は思った以上に簡単に済んだ。数が多いだけで手こずる事もなく、むしろちょこまかと逃げようとするのをとっ捕まえて処理をする方が余程手間がかかった。むせ返るような濃密な血の匂いに鼻の頭に皺をよせ、ふん、と小さく息をつくと、物言わぬ物体に変わり果てたそれらを手慣れた様子で処理していく。
     そうして、イレヴンがご機嫌で冒険者最強の男と穏やかな空気を纏ったあの男と共に迷宮へと訪れた時には、周りは綺麗に片付けられていたのだ。
     ジルは気付いていたのか微妙な顔をしていたが、リゼルは何も気付かないまま迷宮探索を楽しみ、その姿にイレヴンもジルも何も言わずに無事に迷宮を後にして、宿に戻ったのだけれど。
     そのままリゼル達と別れて拠点に戻ったイレヴンを待っていたのは、男のぼやきだった。
     ぼやきと言いつつ、相変わらず声の響きは平坦だが、さすがに疲れが取れていないらしい。
     拠点に置いてあるソファに乱暴に腰を下ろして、がしがしと頭をかく男を傍にある椅子に座って見ていたイレヴンは、不意ににんまりと笑みを浮かべると、
    「じゃあ、ご褒美、やろうか?」
     軽い足取りで男の前に立ち、腰を折るように男の顔を覗き込んだ。
    「……ご褒美? 頭が?」
    「そ」
     楽し気なイレヴンに嫌な予感を感じつつ、だが、とん、とソファの背もたれに肩を押し付けられて身動きが取れない男は、上から覗き込んでくるイレヴンの熟れた苺のような赤い目を見上げて首を傾げる。口許以外表情を窺う事が出来ない男を見下ろしながら、イレヴンは機嫌よく喉の奥で笑うと、不意に男の腰を跨ぐようにどすん、と腿に乗り上げた。
    「ぅぐ」
     そして、思わず口の中で呻き声をあげた男の首にするりと腕を回しながら、耳元に唇を寄せる。
    「……金はねぇけど、キスならやれるんだけど?」
     そのままかぷ、と男の耳朶に噛み付くと、男はしばし躯を強張らせていたが、不意に「はー……」とそれはそれは深いため息をつきながら密着するようにイレヴンの腰を抱き寄せた。
    「それがご褒美ッスか?」
    「何だよ、不満か?」
     すり……、と腰を擦り寄せながら唇を尖らせるイレヴンを見上げながら、男は口許に薄い笑みを刷く。
    「最高のご褒美ッスよ」
     そう言って笑う男の唇に、イレヴンは噛み付くように唇を重ねた。ちゅ、と可愛らしく音を立てた唇は、すぐに深く重なって貪るようなそれに代わる。口腔内のあちこちを舐め上げられ、舌先を吸い上げられ、引き込まれた先で歯を立てられる。じゅる、と水音を立てながら舌が絡んで、口腔中を這い回る男の舌に刺激をされて溢れる唾液を飲み込んで、唇が濡れ濡れと赤く染まる頃、ようやくイレヴンは満足したのか唇を離した。
    「……っ、ふ、は・ぁ……」
     ぐい、と手の甲で唇を拭って男の腰から下りようとしたイレヴンは、だがそれを許さぬように男の腕に互いの腰を密着させるように抱き込まれて、びくん、と肩を跳ね上げた。
    「! お、前なァ……」
    「ご褒美、もう少しくれても良いでしょ」
     男の手がイレヴンの臀部を掴み締め、やわやわと揉んでくるその手に眉を寄せながら、今度はイレヴンが「はー」と盛大にため息をつく。
    「金も何もいらねぇから、頭、喰わせて下さい」
    「……満足させろよ?」
     密着した腰から互いのちりちりとした欲を感じて、イレヴンはとろりと目を細めながら込み上げる劣情にぺろりと自分の唇を舐める。そのちろちろとした二又の舌先に煽られたかのように、再び重なってきた唇に、イレヴンは笑って目を閉じた。
    「腰が抜ける程抱き潰してあげますよ」
    「楽しみだなァ」
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