THE SUN AND THE MOON「姫様は自分にとって、空に浮かぶあの月のようなひとです」
──リンクのその言葉に、私は黙って彼の視線のその先にある、夜空に浮かぶ月を見上げた。
【THE SUN AND THE MOON】
──王妃様はさながら太陽、姫様はまるで月のようですね。
幼い頃、周囲からそんな言葉をかけられるたび、大好きな母が褒められているのだと感じて、嬉しかったのを覚えている。
自分にとっての母は、優しく、時に厳しい、大好きな母親であると同時に、その存在そのものがハイラルに安寧をもたらしてくれる、尊い存在だった。
ハイラルから厄災の影が消えて久しいが、それでも民たちは母を、ハイラルを守る姫巫女として敬い、慕ってくれた。そして、母とともにハイラルの各地に赴けば、誰もがその血筋を、そして「ゼルダ」という母のその名を褒め称えた。
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