来週もまた見てくださいね!2「はぁい、始まりました。少しだけ夜更かしを。今夜はなんとスペシャルゲスト、祓ったれ本舗の夏油傑ちゃんを招待しているわよ」
深夜11時56分。ラルゥはしっとりとした声音で、パフパフパフと空気の抜けたラッパ音を鳴らした。
ラジオブースは2人掛けの机と機材が圧迫し、出入りに苦労するほど狭い。閉鎖的な空間でも不快感がないのは、ラルゥの空気が柔らかいのはもちろん、私がラルゥに全幅の信頼を置いているからだろう。笑いかけられて、自然と肩の力が抜ける。悟や硝子とコミュニティは違うが、学生のころバイト先で出会ったラルゥもまた、身内と呼べる大切な存在だった。
「紹介いただいた夏油傑です。よろしくお願いします」
「傑ちゃんはゲストっていうより、もう準レギュラーよね。今日もじゃんじゃんお便り届いているわよ」
5541