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    はなむら

    @bond_bmb

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    POIPOI 26

    はなむら

    MEMO初期ル×ル出逢い編。気が向けば続くかもしれません。「……ニンジャジャン、好きなんですか?」

    ニンジャジャンのヒーローショー観劇で隣になったのは、お揃いの髪と瞳の配色を持ち、ジャケットをきっちりと着こなす男性。
    子供やその親が並ぶ中、お一人様の男性客というだけでも珍しいのに──自分の事は棚に上げておくが──隣に座る兄弟のような彼が気になり終演後に声をかけてみる。

    「ん?年は同じようなもん……かな。面倒だから、敬語はナシでいいかい?」

    こちらを一見する目は鋭いもので、探偵や同業者、もしくはマやヤのつく自由業のような匂いを感じ取る。直感的な警戒を出さないよう気をつけながら頷けば、彼は続きを話し始めた。

    「僕はヒーローものの作品が好きなんだ。ニンジャジャンは今回が初めてだったけど、とても楽しめたよ」

    元から気になっていたんだ、と軽く笑む姿に、同世代の同じ趣味を持つ仲間が出来たようで嬉しくなる。

    「僕もヒーローものが好きで、少し話をしてみたいと思ったんだ」

    「お誘いは嬉しいんだが、時間がなくてね。また今度でもいいかい?」

    頷けば、彼はジャケットの胸ポケットから名刺を取り出す。受け取り見れば名前とアドレスだけの簡素なもの。

    「… 834