Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    taka_gk3100

    成人済、金カム腐/杉尾+杉尾前提右尾/読む方はリバ含め雑食/本誌派/今後の予定などはプロフカードから→ https://profcard.info/u/s5gG9tBvI9QHk4U5WGzcZohFF5l1/マロ→http://marshmallow-qa.com/taka_gk3100U

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 10

    taka_gk3100

    ☆quiet follow

    10/27の無配ハガキのSSの中身(ほんの少し追記)です。だんだん寒くなって、sgoがくっついてくれる嬉しい季節ですね☺️💓

    #金カム腐
    golden-camRot
    #現パロ
    parodyingTheReality
    #sgo
    #杉尾
    sugio

    タオルケットと秋の訪れ 俺は疲れ切っていた。
     ここのところずっと手こずっていた案件にようやく目処がついたと思ったら、今日に限って別案件のトラブルが舞い込んできた。なぜこんな日にとイライラが募っても、不可抗力で発生したものだから、恨む先すら見当たらない。
     ふらふらになりながら退社しようとドアを開けると、びゅうっと冷たい風が吹き込んだ。朝はうっすら汗ばむくらいだったのに……。
     朝の日差しの中ワイシャツで来てしまったので、辛うじて会社に置いていた薄手のジャケットを取りに戻って前を閉めた。まだまだ全然寒かった。

    「おかえり〜。今日もお疲れ」
     半分凍えながら帰った俺を、輝かしい笑顔で出迎えたのは、一緒に住んでいる杉元だ。なんと、まさかの半袖でいやがる……。
    「おい、この寒さで半袖とか正気か」
     鼻で笑うと、料理中はあちぃんだよ、となんでもないように笑うから調子が狂う。
     ちなみに俺と杉元は「お付き合い」をしていて、これはいわゆる「同棲」というやつらしい。「お突き合い」をしていた頃、ある日杉元が顔を赤らめながら、そろそろ一緒に住むぅ なんて言い出したので、とうとう家賃も払えなくなったのかと笑ってやった。そしたらこいつは、同棲だっつーの! と騒ぎ出した。
     俺は、そもそも付き合ってたのか、とか、俺になんのメリットがある、だとか、ずいぶん物好きもいたもんだな、なんて好き放題言ったが、なんだかんだ最終的に丸め込まれてしまった。分かった分かった、お前が嫌になるまででいいから、などと言いながら。まあ寄れば喧嘩の俺たちだったから、そのうちすぐ嫌になるだろうとタカを括り、好きにさせることにした。
     実際に暮らしてみて分かったのは、杉元がかなり感情豊かということだ。怒っているのはよく見ていたが、笑ったり泣いたりと毎日本当に忙しない。その上、俺に対しても笑いかけることが多くなったのは意外だった。一緒に住むと、そんなマジックも起こるものなのだろうか。もちろんデカイ喧嘩も何度かしたが、今のところ嫌にはなっていない。それどころか、気がついたら随分と時間が経ち、そろそろまた新しい季節が訪れようとしていた。
     ふらふらのまま杉元の作った飯を食べて風呂に入り、寝る準備をする。いつもならこのあと資格の勉強をするのだが、今日はもうエネルギー切れだ。先日、マットレスをいい物に買い替えたし、こんな時こそ活用しなくてどうすると自分に言い訳をする。そういえば、昨日まで暑かったから薄手の布団しかないが、それにタオルケットを二枚重ねまあ大丈夫だろう。
    「お前ももう寝るのか」
     さっきまでころころと足にまとわりついていたふぉぜ尾も、今はケージのブランケットの上に丸まっていた。ふぉぜ尾はこちらを薄めでチラ見して、また目を閉じた。コイツがいるから、昨日まではエアコンも付けっぱなしだったのにな。もはやエアコンの風の方が外気よりも暑い気がして、リモコンで電源を切った。
     寝室に移動し、先にベッドに転がっていた杉元に目をやると、まさかのタオルケット一枚だった。 見てるだけで寒いんだが。
     からだを布団に潜り込ませると、杉元がもぞもぞと抱きついて来た。その体温の高さに驚く。子ども体温というより、筋肉の熱のようなものを感じる。そりゃ薄着でいられる訳だ。
     昔は抱きついたりなんて全然しなかったのにな。そう思いながら、俺は杉元の肩に顔を埋めた。

     ジリリリ……
     不快なベルの音に目を覚ますと、思わずぶるりとからだが震えた。やはりかなり気温が下がっているようだ。
     起き上がってみると、なにか違和感があった。タオルケットはあるが、掛けていたはずの薄い布団がない。朝起きてズレてしまっていることはあるが、丸々なくなっているのはめずらしかった。
     そのままふと横を見ると、そこには見慣れたものがあった。俺の掛け布団だ。それは杉元の体に綺麗に掛かっていた。
    「お前、俺の布団取りやがったな……」
     低音でそう唸ると、実は起きていたらしい杉元がそろりとこちらを向いた。
    「えへへ……だって寒かったから」
     そう言って男はへらへらと笑った。
    ——ふつう逆じゃねぇのか?
     イラっとしながらも、時間なので起きるしかない。ごめんねぇ、といいながら上目遣いをする杉元に心底ムカつくのに、顔が良すぎて怒りきれないのがさらに腹立たしい。
     俺は腹立ち紛れに、杉元の顔面めがけてタオルケットを投げかけることしかできなかった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    hisoku

    DOODLE作る料理がだいたい煮物系の尾形の話です。まだまだ序盤です。
    筑前煮 夜の台所はひんやりとする。ひんやりどころではないか。すうっと裸足の足の裏から初冬の寒さが身体の中に入り込んできて、ぬくもりと入れ換わるように足下から冷えていくのが解る。寒い。そう思った瞬間ぶわりと背中から腿に向かって鳥肌も立った。首も竦める。床のぎしぎしと小さく軋む音も心なしか寒そうに響く。
     賃貸借契約を結ぶにあたって暮らしたい部屋の条件の一つに、台所に据え付けの三口ガス焜炉があるということがどうしても譲れず、その結果、築年数の古い建物となり、部屋も二部屋あるうちの一部屋は畳敷きになった。少し昔の核家族向けを意識して作られた物件らしく、西南西向きでベランダと掃き出し窓があり、日中は明るいが、夏場には西日が入ってくる。奥の和室の方を寝室にしたので、ゆったりとしたベッドでの就寝も諦め、ちまちまと毎日布団を上げ下げして寝ている。また、リフォームはされているが、気密性もま新しい物件と比べるとやはり劣っていて、好くも悪くも部屋の中にいて季節の移ろいを感じることが出来た。ああ、嫌だ、冬が来た。寒いのは苦手だ。次の休日に部屋を冬仕様をしねえとと思う。炬燵を出すにはまだ早いか。洋間のリビングの敷物は冬物に替えとくか。気になるところは多々あれど住めば都とはいったもので、気に入って暮らしてはいて、越してきてもう三年目の冬になった。
    3423