槍弓(広義)でtkb責め〜槍弓ver〜 *R15ふと違和感を覚えた。何時もなら前戯はそこそこですぐ挿れたがるのに、今日はどうにも長い…というか、ある一点に執着しているような。
それは、私の胸部で更に言うと…先端…なのだが…
今日の彼は押し倒してからずっと胸ばかり弄っている。大胸筋を下から持ち上げるように揺らしてみたり、ぎゅっと寄せて出来た谷間に唇を落としたり、その長く骨張った指で先端の周りをすりすりなぞってみたり…
最初は擽ったくて堪らなかったソコはだんだん上に登ってくる指に併せてぴりぴりとした痺れを頂点に集めてくる。それにこの状態で触られたらどうなるのだろうという不安とその奥にある期待で息が乱れた。
けれどその考えを見抜いたのか彼は一向に触って欲しい場所に触れてくれない。それがもどかしくて、我慢できなくて彼に見えないように膝を擦り寄せたり、ソコが指に触れるよう体を少し動かすが、そうすると彼の指はすぐ離れていってしまう。
どうして…こんなに触って欲しくて堪らないのに…早く早く…触って…
もう頭は触って擦って欲しい爪を立てて捻ってその舌で舐って欲しいという感情でいっぱいだ。
知らず溢れる唾液が口から一筋垂れてシーツを濡らす。
ただただ触って欲しくて見つめる彼の姿が水面越しのようにブレて歪む。
必死に目で訴える私の願いが届いたのか彼が触って欲しいかと尋ねるのに必死で首を上下に振った。
それにニコリ、と紅い眼を三日月型に歪ませてちゃんとお強請りできて偉いなと耳元に吹き込んだ。
直後、
「ッッッッ!!ッ、〜〜ッッ!!!」
劈くような刺激に背中と腰が浮き上がってガクガクと震える。口から聞くに耐えない嬌声が飛び出して止まらない。
くりくりと一番触って欲しい場所を捏ねるその指に何度でも仰け反って声が出た。
鋭い快感が全身を走る度に下腹がきゅうきゅうと疼き、奥の奥がぐずぐずと蠢く。もうとっくに形を変え上を向いている欲望がズキズキと痛みを訴え、それを慰めたくて彼の腹にへこへこと押し付ける動きが止まらない。
彼が再びニィと笑った。さぁと血の気が引き彼を止めようとする間もなく両方の胸の先が同時に捻られた。
強く、痛みと錯覚する程の快感に全身が突っ張る。ぐん、と浮き上がりガクガクと痙攣する体を制御出来ない。彼が更にぐりぐりと指を動かす。呼吸もままならないまま途切れ途切れに制止を呼びかける私に、彼は上気した顔で雄臭く笑った。
「ッッッッッッッッッッ!!!?」
左の先端が熱く、湿った何かに包まれた。ガンッと頭を殴られたかのような衝撃に目の前が真っ白に染まる。
ーーーーーーーー……ぁ
ぺちぺち、と軽い痛みが頬に生じる。どうやら意識を飛ばしてしまっていたようだ。少し眉を寄せ覗き込む彼に声を掛けようとして、声が出ないことに気付いた。
いや、声は出ている。小さく、蚊の鳴くようななんとも情けない声だ。断続的に、声帯が細かく震えるのに併せて飛び出していくのを止めたくて口を閉じようとするが、それも叶わない。
いや、口が閉じないのだ。しかも顎が勝手に上を向こうとしてしまう。どうしたのだろう、私の体は。
手は母親から離れたがらない幼子のようにシーツを握り締めて震えている。
足も伸びきって少しの弛緩も許さない。
そして、何より、さっきからビリビリと止まらない電流が胸の…先から…胸……ぁ、ぁぁ、…ぁ
ーーーーーーーーー!!!
再びガクン、と視界がホワイトアウトした。
次は全身の感覚がハッキリしている。だから今自分がどんな状態なのか知覚してしまった。
何度も絶頂している。それも何も出さないまま。だから何度極めても終わりが見えない。さらに回を重ねるごとに深く強くなっていく。
もう怖い…もうイきたくない…やめて、やめてくれランサー……!
彼に訴えるが口からはどろどろに溶けきった嬌声しか出なかった。
そして彼は嬉しそうに、とても楽しそうに笑いながら私の胸の先を弄くり回している。
「ーーーーァ!!!!!」
また、イッた。
極めすぎた体は汗が流れる刺激にも過敏に反応し痛い程の電気信号を脳にぶち込んでくる。ぐちゃぐちゃに掻き回され散り散りにちぎれ飛んでいく自我にいやいやと首を振った。
涙が止まらない。泣きすぎて鼻もぐずぐず鳴っているし熱を持った目と頭が痛い。
やめて……。お願いだから……
目が合う度彼はニッコリ笑って更に刺激を与える。
ーーーーーーーーーーーーー。
またイッた。絶頂の間隔が短くなっている気がする。このまま永遠に絶頂し続けたらという恐怖に奥歯がカチカチと鳴ってしまう。怖い。怖い怖い怖い。繰り返す私に彼が眉を下げて頬に口付けてきた。
大丈夫、お前ならできる。そうだろ?
耳に吹き込まれるその声にも反応して痙攣する。
彼の声と重なっていた体温が離れていくのにやっと止めてくれたのかとホッと息をつこうとした瞬間、
彼の、大きく開いた口の、牙が、私の、乳首に…………………………、
ホワイトアウトした頭の奥でバチンッと音がした。
間違いなく今までで一番深い絶頂だった。
数秒にも、数分にも、数時間にも感じる体感速度の中で大きな波に呑まれ続けた。
とても永い時間を過しやっと戻ってこれた私に彼が信じられないことを口にした。
「アーチャー、こんなにイケるなんてお前さんスゲェな。過去最多じゃねえか?だが、お前だけキモチヨクなるなんて寂しいじゃねえか。だからよ。俺のこともキモチヨクしてくれよ、な?」
青い獣が、深紅の瞳を細めてニィ、と笑った。