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    misano414

    @misano414

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    misano414

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    バディミ、人魚姫パロ。
    書き直すのでこれは供養。未完。

     仮面の詐欺師が、何となく浮かない顔をしている。
     一歩外に出れば、無表情か柔らかい笑顔かで、感情を必要以上に外に出さないこの男の、そういったちょっとネガティブな表情を、モクマはよく見抜く。元来人の感情に敏感な方であり、また、彼の相棒として長らく一緒に寝食を共にしてきたからであろう。
    「どうしたの、チェズレイ」
     そういうわけで、モクマは正面から明るく声を掛ける。
    「浮かない顔をしちゃって。美人さんが台無しよ?」
    「…………」
     チェズレイは、無言で、持っていたタブレットを見せた。
     そこには、遠く離れたエリントンの、とある家の内部が映し出されている。距離をものともしない鮮明な映像の中に、ベッドに突っ伏して動かない成人男性が一人。
    「スイ嬢が、重大発表をするというニュースがありまして」
     あくまで、重大発表という触れ込みなのに、メディアが勝手に結婚秒読みだの熱愛発覚だの、色恋沙汰として煽りに煽った。憐れルーク・メディアに踊らされた・ウィリアムズ、見事にショックを受けて寝込んでいるというわけだ。
    「あちゃー」
     モクマの第一声はそれだった。
     大祭KAGURAが終わり、ミカグラを発った日、スイがルークに一世一代の告白をしたことは知っていた。その時は、彼女が未成年だからといったんは保留にしたものの、そこからも二人の交流が続いている。というより、スイからルークへの気持ちが判りやすいように、ルークからスイへの気持ちもたいへん見ていて判りやすいのだが、まさか無自覚だったのか。無自覚だったんだろうなあ、とモクマは思う。そして、きっとこっちも、と相棒をちらりと見やるのだ。
     心配する表情なら判る。もしくは可愛らしいと慈しむ表情でも、判る。けれどチェズレイは、本当に苦しそうな、寂しそうな顔をしている。
    (ねえお前さん、今どんな顔をしているか判ってる?)
     判ってないんだろうなあと、モクマは今度は天を仰ぎたくなる。
     この麗人もまた、ルークに恋をしているのだ。
     この、自覚がない、というのが、大変めんどくさい事態を引き起こす。
     それは次の日のことだ。
    「スイ嬢の重大発表は、ちょうど2週間後に行われるそうです」
     確か、部下から上がってきた犯罪組織について色々情報を整理していた途中だった。顔色一つ変えず、チェズレイがそう言うものだから、一瞬、その組織のトップがスイなのかと混乱したぐらいだ。
     あの懐かしい海底ミュージアムが、正式に新しい観光施設として稼働するとのことで、そのお披露目も兼ねた式典が開催される。その場で、スイが、くだんの重要発表も行うのだ。チェズレイは、淡々と言い重ねる。当日、その場に潜入してスイ嬢を連れ出しますと。
    「……は?」
    「ボスとスイ嬢を引き合わせて、ボスにはスイ嬢から直接、重大発表とやらを訊いていただきます」
    「……なんで??」
     モクマは時々、この相棒の考えていることが判らない。
     今を華やぐスイ・アッカルドと、しがない警官ルークを直接会わせる。そのためにチェズレイが立てた作戦はとてもシンプルなものだった。海底ミュージアムに忍び込み、本物のスイと偽物のスイをすり替える。チェズレイ本人がスイに扮して時間を稼ぎ、その間にミュージアムのあのトロッコの傍まで、アーロンに運ばせる。
    「アーロンが協力してくれるの?」
    「あまりにも落ち込んでらっしゃるボスを見てられない、という一点で、利害が一致しましたので」
     そんな淡々と。いやでも、アーロンは、チェズレイがルークに抱く想いは知らないだろうから、となると、単にルークの背中を押すためだけに応じたのか。一応、モクマは自分の役目を尋ねてみるが、今回はお留守番ですとすげなく返された。だから、ルークが心配だから一緒に行かせてくれと頼みこむ。チェズレイは僅かに目を見開いたものの、
    「そうですか」
    とモクマの言い分を認めた。
     そうして、あっという間に2週間が過ぎた。
     先に海底ミュージアムに潜入していたモクマとルークは、後から姿を現した、偽物のスイに目を見張った。チェズレイがスイに変装するのは二度目だが、本当にそっくりで、一言二言喋ったところで全く本物と遜色がない。ルークに至っては、にこりと微笑まれて妙にドギマギする次第だ。
    「では参りましょうか、怪盗殿」
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