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    かべうちのかべ

    @mahokabeuchiaka

    まほやくのかべうち。壁打ちの結果であがった物を細々と載せる。
    学パロと両片想いが好き。

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    かべうちのかべ

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    そういうブラネロ2 展示物2
    俺はモブ。ボス出てきてないですね……

    ##ブラネロ
    ##学パロ

    <ネロさんには……>

    「さっき見かけたんだけど、今日のネロさん、めっちゃ怒ってね?」
    「おぉ……。ネロパンは野菜スペシャルだったぞ。ボス、何したんだ?」
    「なんでもまた力試しとかで1人で大ケガして帰ってきたって話だぞ」
    「肋骨折ったけど、勝ったって話だ」
    「おぉ!」
    「まじか!」
     他の仲間達の感嘆や戸惑いの声が混ざるなか、俺自身も一気に複雑な感情が渦巻く。
     流石ボス!という尊敬、ネロさんに何遍怒られても変わらない強さへの執着への呆れ、俺達も連れて行ってほしかったという悔しさ。
     ざわざわしだした溜まり場に静かに声が響いた。

    「なぁ、お前らブラッド見なかったか?」

     話題の人物の登場に周囲に緊張が走る。一気に静かになった室内に答えようとするものはいない。仕方がないので一番近かった俺が答えた。
    「……ボスは、今日はまだ見かけてないッス」
    「そうか。もし見つけたら俺に連絡くれ。もし逃げようとしたらとっ捕まえとけよ」
    「え、おれらには荷が重いかと……」
    「あのバカ、絶対安静なのに逃げ出しやがったんだ。俺に言われたって言っとけ」
    「は、はいッス!」
    「頼むな」
     笑顔で去って行くが後ろ姿には、明らかな怒りのオーラが見える。
     普段呆れながらも笑っていることの多いネロさんだからこそ、たまの怒りは恐ろしい。ボスのこと以外は、食べ物を粗末にした時くらいしか怒らないのだ。

    「目が笑ってねぇ……。ボス……」
     心配からくる怒りであることは充分に理解しているつもりだが、きっと数時間後には見つかっているであろうボスのことを思うと気の毒だ。

    でも……

    「俺らはネロさんには逆らえないっスよ……」
     こぼれ落ちた言葉にその場にいた全員が静かに、力強く頷いていた。
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    かべうちのかべ

    MENU『冬から春へ』
    の書き下ろし2作の冒頭部分抜粋しました。( )内の計は全文の長さ。サンプルはその三分の一くらい。

    『お気に入りは』←オエちゃんとネの出会いと、その数ヶ月後。(計3200字くらい)
    『宴の夜に』←ブ様とおシャイがお話するところ。(計1600字くらい)
    頒布先→ https://mahokabeuchiaka.booth.pm/items/3914349(BOOTH店舗)
    『冬から春へ』書き下ろし文サンプル『お気に入りは』

     ブラッドリーの城の近くの森で動物たちから面白い噂を聞いた。
    『俺たちの言葉がわかるやつがいる』
    『ちょっと聞かないなまりのあることばを話す』
    『近くにいると穏やかな気持ちになる』
    『食べたことのないような、甘くておいしいものをくれる』 等々。
     
     最近何もなくて退屈だし、オーエン以外で動物と話せる存在はそう多くない。それになにより、『甘くておいしいもの』が気になった。オーエンは甘いものに目がないのだ。
     巻き起こる吹雪の中を歩いているとは思えないほどに悠々と進み、しばらく行けば視界が開ける。ブラッドリーの治める領域の中へとたどり着いたのだ。今は昼前で太陽が真上に上り、先ほどとは打って変ってかなりの晴天になっている。そのおかげか、遠くの街の煙突の煙まできれいに見えているが、そちらには目もくれず、その北側へと広がる森へと歩を進めた。
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    かべうちのかべ

    DONE再掲
    ・初めて激オコしたネ君と何が悪かったか分かってないブの話

    第1回ブラネロ冬春ワンドロライ、4回目のお題:喧嘩 より。
    2021.8.30にTwitter掲載済。
    『らしくない』「……」
    「ネロ?なんだそんな恐い顔して」
    「これ……、どうした?」
    「お、それな。美味かったぜ!」
    「……食ったのか?」
    「おう」
    「昨日、これだけは食うなって、言っといたよな?」
    「そう……だったか?まぁ、でもこんな美味そうなもん我慢できねぇし、また作ればいいだろ?」
     悪びれもせずにそう言って笑うブラッドリーとは反対に、ネロは感情を落としたように無表情だ。何度か耐えるように呼吸を繰り返していたが、どうにも収まらない怒りがあふれ出す。
    唇をかみしめ、顔をゆがめてブラッドリーをにらみつけるとキッチンから荒々しく駆けだした。感情にまかせた言葉を吐き捨てて。
    「てめぇは……野菜でも食ってろ!」
    「は? おい、ネロ!」

     涙こそ出てはいないが、明らかに傷ついた表情で去って行ったネロに困惑するブラッドリーは、何がなんだかさっぱりと分かっていなかった。そのまま呆然と扉を見つめ考え込むが、何度思い返してみてもいつものつまみ食いとなにも変わらない行動だったと思う。
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