願いを奏でる鳥の声跳ねて、鳴いて、飛び回るのが良い事だ。
俯いて、泣いて、立ち止まるのは悪い事だ。
そうありたいと思ったから、そうしよう。
例えどう言われようと、そう決めたのだ。
だって、立ち止まったら、動けなくなってしまうから。
「う…わ、あぁー…すごい…!」
書庫の崩れた壁の割れ目にあった結界を通り抜け、狭く暗い岩壁の隙間を恐る恐る抜けた先に、優しく星が光る青と紫の混じった夜の空を見た。
ついこの前、自分は初めて『使命』を果たして地上に帰ってきたが、一度来た筈のあちこちに、見たことがない精霊たちの記憶が座り込んで居てとても驚いた。
友達の花の冠をつけた星の子が言うには、一度転生すると見えるようになる以前の季節?とやらの精霊達らしい。なんのことだかさっぱりだが、精霊から学べる感情を覚えて損はないに違いない。あっちこちに居る彼らに触れる為、以前通れなかった結界を超えて冒険していたら、この優しい色の砂漠にたどり着いたのだ。
星空というもの自体は、闇の破片が降る崩壊した遺跡のその先、浮世離れしたその景色を天の果てで見たことはある。
けれどあの生命のきらめく天の景色とここは違う。
柔らかい夜の色をした空に、見守るような温かな星がぽこんぽこんと浮かんでいる。細かな砂粒の砂漠を雲が囲い、その雲海から見たことのないほど巨大な壺や灯籠が生え、同様に大きな王冠や本が浮いてるのも見える。
きっと、それらはここの精霊たちの大切な思い出の場所なんだろう。
少し離れた小さな砂丘に、青白く光る小さな花が浮かんでいる。雰囲気からしてあれがここの精霊の記憶を教えてくれる案内人…案内花?に違いない。
だが自分はまず知らない場所に来たら、案内人さんはとりあえず置いといて、周りを冒険するのが自分のやり方だ。どこを見ようかな、見たいものがたくさんある。まずは雲に隠れても見える花火と光の帯が派手なあそこにしようかな?
そう思っていたら急に足の裏の感覚がスコンと無くなって、視界が急激にブレていく。「ヂュ」と思わず鳴き声が漏れると同時に、やっちゃった…と何度目かの後悔が浮かんだ。
自分はどうしてかわからないけど、とにかく『裏』へ落ちやすいようだ。生まれた時に見たのも、自分よりずっと上に大地と雲がある光景で、自分は空なのか海なのかわからない見えない水に浮かんでいた。一部の星の子はそれらのおかしな場所を『裏』と呼び、あまり星の子同士でも話したりするものじゃない、秘密?禁止?的なものらしい。
基本的に簡単に行ける場所ではないし一生縁のない星の子も居るらしいが、自分は壁や床に触れるだけで行けるし、今みたいにその気がなくても行けてしまう。だから、みんながそんなにタブー?扱いするのかサッパリわからない。強いて言うならまだ飛ぶのが上手じゃない自分が元の場所に帰れなくなるのが困るくらい。それも念じたらホームに帰れるからそこまで悪くないと思うのだけど。
そんな事をのんきに考えてたら、自分が落下していた事を思い出した。でもいつもの見えないお水があるから平気でしょ。と下を見たら、
至近距離で誰かと目が合った。
「……は?」
「ヂュビ?」
ガッツ―――――ン………ッ
凄まじい衝撃がきて、体が、頭がぐわんぐわんと揺れて、目がチカチカしてよく見えない。たぶんお面が無かったら即死だった。
ぐちゃぐちゃになりそうな頭の中をどうにかしようと頭を押さえていると、痛む顔面に気がついた。きっと落ちた時に下にあった何かに顔からぶつかったらしい?…なるほと、そういうのもあるのか…
今度から落ちたら早めに羽ばたいておこう…ぐるぐるする頭を抱えて考えてたら、座っているここがお水じゃない事に気が付いた。なんて言うんだっけ、精霊達を乗せる乗り物………ふね?そうだ、舟って言うんだった。これと似たのを見たことがある。
…あと、目の前にいるこれ…何?
星の子…だと思うけど、自分の知ってる星の子こんなじゃない…
そーっと指先で倒れている『ソレ』をつつく。本能が星の子だと告げているが、あまりにも知っている姿と違う。
ソレは雀と呼ばれる星の子の姿と似ている。
が、雀ではないとほとんどの星の子が口を揃えるだろう様子だった。
本来白く淡い光を放つ白銀の髪はあちこち乱れて埃が絡まったまま、雀の頭の特徴である頭頂部の跳ねる一房ほどの毛束もほつれて他と見分けがつかない。右のもみあげにある筈の髪留めは毛束ごと千切れたのかだいぶ上部分からごっそり無くなっていて、傷んだ髪が痕跡を残すのみの無惨な有り様だった。
茶色のケープはどうかと言えば、あちこちの裾が解れて毛羽立ち、箇所によっては闇による損傷のように深く裂けて痛々しい。一般的感性の星の子からしたら目を覆いたくなる様相である。服も同様に傷付き擦れていて、破けてしまった箇所も数しれない。闇の水の痕跡なのか、半身ほどがどす黒く変色してしまっていた。
決定的なのは皮膚…体の表面で、闇の破片による負傷のようにあちこちがひび割れて内側の光がか細く漏れ出していた。そんな罅が顔面から足先まで稲妻のように走り回っていて、満身創痍という言葉を体現したようであった。
闇で朽ちた星の子に亡霊が居るならば、こういった姿形をしているのだろう。光を宿し自浄と修復の働く普通の星の子からすれば、汚れや傷を纏ったままのその姿は、恐れの対象となる異様な姿であった。
人間で言うなら、大怪我を放置して死にかけ…いや死んでるのに動いている姿が近いだろう。まず幽鬼とか化け物の扱いして逃亡するのが正しい反応であるに違いない。
だが、ヂュリ助は正しい選択肢を選ばなかった。
いや、思い付きもしなかった。
「…怪我?ひどい怪我して動けなかったの?
落ちてきてごめんね!今、火当てて治してあげるねー!」
ボロボロの星の子にキャンドルで光を分ける。怪我が酷いからか回復がすごく遅いけど、少しずつ治っていく。気絶してるから伝わらないかもだけど、声をかけて励ましてあげる。
「大丈夫、大丈夫だよー。ちゃんと元気になるよー!」
誰にも助けて貰えないで、傷付いて悲しくて苦しいのは、とても辛いって知ってるから。だから、そういう星の子を助けるなんて当たり前だ。
当たり前、なのだ。
声をかけながら根気よく火を当てていくと、ケープや服は大きな裂け目は綻びが修復されて、少し使い込んだ程度の見た目に戻ってきた。頭も髪留めこそまだだが、髪は銀の輝きが戻っている。皮膚も罅の痕が多少浮き出てはいるが、もう光が内側から溢れるような事は起きていない。
これなら誰から見ても星の子扱いされるだろう見た目だろう。
「…あれ、回復してもケープエナジーひとつしかない…?
怪我して全部散っちゃったの?」
「………ぅ、ぐ…」
「起きた?起きた?わぁい!良かった!」
「………なんだお前…」
予想に反して低めの声質の星の子が目を覚ました。頭をさすって酷く不機嫌そうな相手に落ちてきた事を謝ろうとしたら、ハッとした星の子が立ち上がった。そして治った腕やケープを見て驚いている。
「………治ってる…」
「うん!自分がしたの!痛いのが無くなって良かったね!」
「勝手な事をッ!」
「……………ヂュリ?」
怒鳴られた。
なんで?
ぽかんとしていたら、目の前の星の子が拳を震わせながら矢継ぎ早に声を荒げて怒り出した。
「余計な真似を…!やっと、やっと終わりに辿り着けたかもしれなかったのに!ああ、クソ!使命を何度果たしても!全ての羽を散らしても!原罪で何度朽ち果てようとしても!精霊から羽を拒絶しても!………ッ…何をしても俺達星の子は終われない!!!何度でも同じ表舞台に立たされる!だから…だから『裏』でなら、普通に散るのでなく時間をかけて風化すれば、精霊共やあの鳥の思う通りにならずに終われるだろうと思ったのに!
クソが!!!………クソがぁ…っ…」
一息にそう言うと、星の子は拳を舟の床に叩きつけて、ぐったりうなだれた。
舞台?鳥?なんの話だろう?
「…どうしたの?なんでそんなに苦しそうなの?」
「……………疲れたんだ」
「何に?祈ったらホームの島に帰れるし、ゆっくり休めるエリアでもどこでも行けるでしょ?」
「…偽物共の居る所でなんか休みたくない」
「ニセモノ…?」
「そうだ、お前もここに来たんならわかるだろう。精霊や大精霊達は…全部作り物…舞台装置みたいなもんだってな」
わかるようでわからない。
確かに『裏』は変な場所で、時々変なものが浮いてたり、精霊達がポンと宙に立ってたりする。その『裏』に居る彼らは自分達星の子に反応を返す事はない。
その様子を『偽物』と表現するなら、まあ、そうなのかもしれない。でもそうでもない気もする。
むむむ…と唸っていると、少し落ち着いたらしい星の子が話しかけてくる。
「…お前。どこから来た?普通『裏』には来れないだろう」
「ん?自分はねー、こういう変なとこに来ちゃうんだー。体質?ってやつー?」
「………なんじゃそりゃ」
「すごい?すごい?」
「どうでもいい」
「ヂュブェ〜」
冷たい反応!お友達は褒めてくれたのに!
ぷんぷんと感情を露わにして怒りを伝えても、星の子はこちらを全く見ないで何か別の事を考えている様子。
「全部振り出し…やり直すか…
………いやどうせなら別を…」
「びっくりするほど聞いてない!!!
こみゅにけーしょんぶれいく!!!」
「うるさい、お前帰れ」
「冷たいひどーい!助けたのにお礼もなーい!」
「最初に加害してきたのはお前だ」
「わざとじゃないもーん。
あとお前じゃなくてヂュリ助だもーん」
「なんだその名前……どうでも良いが」
「ねーねー、そちらのお名前はー?」
「そんなもの無い」
「えー!?あるでしょ?
友達から呼ばれる時困るでしょー」
「俺は友達が居ない」
「そーなのー?じゃー自分で考えて呼ぶね!」
「呼ぶな」
「雀っぽい星の子………すのこ?」
「殴るぞ」
「っ!」
体が雨林の雨に打たれたような、慣れた冷たい感覚がした。
怖い。怖い、怖い!
咄嗟に胸のコアを押さえて隠す。足を半歩後退りさせて目の前の星の子から距離を取る。
目の前の星の子は急に変わった自分の態度と反応に少し驚いたようだったけど、ああ、と小さくぼやいて独り言のように小さく謝罪を吐き出した。
「…悪かった。本気で殴るつもりは無いんだ」
ほんの少しバツの悪そうな、でもさっきより柔らかくなった声だった。
それでも胸に溢れてきた感情が止まらない。
脅威が無くなったのもあって、その場にしゃがんで頭を抱え込む。足が震えて動けない。
「…プェェ…」
涙と一緒に思わず声が漏れる。それは、強くなりたい今じゃなくて〝昔の自分〟の声だった。
今の小鳥の主張する声が好きなのに、大体の星の子達はみんな「変だ」「耳障り」「不正、改造の声」だと言う。そして追い払おうとしたり、拳を振り上げてきたりして除け者にしてくる。
おかげで、叩かれると痛いコア周りを庇ったり、咄嗟に逃げ出す為の体の動かし方ばかり上手くなっていくのが、すごく、ただひたすら、悲しかった。
一人ぼっちで苦しいのが嫌なのに、変わろうとして決めた鳴き声ひとつで拒絶されるのが、こんなにも心を痛めつけるだなんて思わなかった。
この声を諦めたら良いのかもしれない。でもそれは、自分が初めて抱いた夢を捨てるようでできなかった。〝誰かを助けられる星の子になりたい〟なんていう願いが、そこまで周りに否定されるほど悪いものだなんて思いたくない。
「泣くなよ。俺が悪いみたいじゃないか」
手のひらがわしわしと頭をかき回すみたいに撫でてきた。
星の子の温かい光を感じる手が、久しぶりに痛くなくて。慰められてるのに涙が止まらなかった。
「………ふん、声で爪弾き者にされて逃げ回ってた、と」
「…ヂュピ」
泣きながら自分は星の子に説明した。順に話せていなかったかもしれないけど、だいたいわかってくれたらしい。
「お前、これからも否定する奴等から逃げ回るのか」
「…」
「厳しい事を言うが、今のまま夢を叶える事はできないぞ。
自分すら泣かせるような奴が、他人を助けられる訳がない」
「プェ……」
わかってた。けど自分以外にそう突き付けられると苦しくて、また勝手に涙が溢れてくる。
「だから泣くなって。
………あ〜〜〜………
…仕方ない。どうせ俺の計画もオシャカになったんだ。お前の夢に少しくらい付き合ってやる」
「…ヂュ…?」
「…お前を助けてやるって言ってるんだ」
オシャカ?はわからないけど、生まれてから2人目の助けてくれる星の子が目の前に現れた事だけはわかった。
仮面の縁から落ちる涙を拭って、きちんとその星の子に向き直る。
「ほんと…?ほんとに…?」
「ああ、本当だ。だが、泣き言言ったら速攻見捨てるから食い付いて来い」
「うん、うん!がんばる…!お願いします!」
こうして、星の子―『師匠』との出会いと特訓が始まった。
『師匠』は勝手に自分が呼び始めた名前…名前?だけど、呼び名が無いのは困るからって師匠も納得してくれたらしい。
師匠は毎日、体の動かし方や星の子の格闘術を叩き込んできた。正直キツかった。使える物はなんでも使えって言って、その辺に落ちてた壺ぶん投げるわ、ケープでしばいてくるわ、足元の砂で目潰ししてくるわでめちゃくちゃだった。でも、
「お前のその声と夢を貫きたいなら、文句付けてくる輩をまとめて黙らせるくらい強くなれ。星の子達全員が善でないのは、お前が身を以てわかってるだろう。
それが出来てやっと、お前はお前が守りたい物を守れるスタートラインに立てる」
そう言われたらその通りだし、実際の喧嘩で相手が想定してなかった事をしてきても「卑怯だ!ソレ無し!」は通じない。
正しくてもなんにも出来ない星の子ではダメで、卑怯だろうが強い星の子でないと通じない論がある。理不尽だけどそういうものだ、と師匠は面白くなさそうに教えてくれた。
そうした特訓で話すうちになんとなく師匠がわかってきたのだけど、きっと師匠は古い生まれの星の子なのだろうと思う。あまり話したがらないけど、精霊や大精霊達、そしてこの世界を酷く嫌っている。昔に彼らが好き勝手したのと、星の子に全部の後始末を押し付けたのと、世界そのものの造り?にひどく怒っている。だから星の子をやめたいと言っていた。
(出会った時、自らを痛め付けてボロボロだったのは、星の子である事からの解放の手段のひとつだったらしい。)
自分としては、そんな昔の事はわかんない。でも精霊達が困ってるのなら助けたいと思う。それだけ。
世界の造りについては…初めから『裏』含めて世界とはこういうものだったと思うから、そこは徹底的に師匠と意見が合わない、みたい?ちょっと難しい。今でもわかんない。
そんなことより自分は強くなりたかった。誰かが怯えたり、悲しんだりするのが嫌だから、闇の水や暗黒竜みたいな怖いものからも助けられるようになりたい。
…その原因が例え良くない星の子でも、自分に取り除けるのならやらなければと思う。
それが〝昔の自分〟が言葉や暴力で虐げられても、どうしてもやりたかった事だから。他の誰かが同じ目に遭わないよう、遭っていてもその場ですぐ守れるようになろう。
その為に、師匠の教える特訓の内容を一日でも早く身につけようと必死になった。飛行、格闘、直感…情け知らずな訓練と練習ばかりだったけど、それでも今ここで諦めたら夢から遠ざかるってわかってるから頑張れた。
そうして、叱りと赤点とケガまみれの毎日をを経て、少しずつ体の動かし方の理解と及第点の日が増えてきて―――
ようやく合格点をもらえたのだった。
合格を言い渡されてしばらくしたとある日。
夢見の街で火種集めをしていた時に、ふと見上げると星の子を宿した流れ星が隠者の峠の方向へキラキラと落ちていくのが見えた。
星の子が生まれるのは孤島がほとんどだが、そうでない事もある。
自分もそうだった。あれは―わからないなりに不安でいっぱいだったのを覚えている。
「…変なとこで生まれて、なーんにもわからない星の子には、助けがいるよね!」
ヂュリリッ!
周りを気にせず特徴的な声をあげて、目立つ赤いマフラーのようなケープをはためかせて、やりたい事をできるようになった星の子が、自信満々に真っ直ぐ一の字を描くように雲を作って飛んでいく。
そこで長い付き合いになる出会いがあるなんて、予想もしていなかったのだけども。
「―――と、いう光の滲むよーな過去があって!今の格好良くてつよつよなヂュリ助が居るのさ!」
「そんなに格好よくないあほあほヂュリ助しか居ないよ?」
「ネーヴひどい!ばか!まぬけ!はんごんたん!」
「………あんぽんたん、の事?」
「あ、それそれ〜!」
緊張感の無い緩々とした態度でヂュリ助が訂正を素直に受け取るのを見てため息が漏れる。
正直、この格好いいの大好きキッズが語る内容が、一体どこまで誇張無しの真実なのか分かったものではない。
が、あまり話を整合性のとれた具合に仕上げる話の技量もない筈なので、概ね正しい内容なのかもしれない。
「にしても、師匠ねぇ…会った事ないわ」
「自分は時々会いに行って特訓つけてもらうんだけど、師匠は気難しーからあんまり他の星の子に会いたがらないのよねー」
「へえ?」
「精霊っぽい姿が嫌みたい」
「ああ、だから自分は最初の星の子の姿なんだ?」
「たぶん?『裏』から出たがらないし、星月夜の砂漠か…たまにオーロラさんのコンサートホールに居るくらいしか見たことないや」
「なぜコンサートホールに…」
「あの歌が好きなんだって」
「あー………ああ?」
いくら歌が好きでも、精霊の姿が嫌なのにその姿を真似する星の子が山程来る場所に来るのはどうなのか。
…古い星の子の性格は難があるのが多いと聞くし、考えるのも意味がないのかもしれないので、この考えは永遠に保留する事にした。
そんな事より、気になる事が私にはある。
「ヂュリ助」
「ん?どしたのネーヴ?」
「今は幸せ?」
「毎日楽しい!!!
ネーヴやみんなが遊んでくれる!!!
ちょー幸せー!!!」
「なら良かったね。
…今日は足伸ばして花でも見に行こっか」
「わーい!行く行く〜」
昔泣いてた星の子が、今幸せに笑ってるぐらい素敵な事はない。それが恩人なら尚更だ。
きっとこのおバカさんは、自分が誰かを助けた分だけ他人に大切に思われてる事なんか気がつかないだろうから、危ない事がないように、私がしっかり支えて、助けてあげよう。
あなたの瞳によく似た、ハーデンベルギアの花束を。
完