譲テツミニスカサンタ部 譲介は天井を仰いでガッツポーズをした。
自身を取り巻く様々な縁と偶然の糸が縒り合わされた人生という組紐。その先端に今この瞬間がある、そのことに感謝した。クリスマスイブの夜のことである。
「お前ェにこういう趣味があったとはなァ」
TETSUからの呆れ気味の視線すら心地よい。愛する人のミニスカサンタ姿を見る譲介の返事は決まっている。
* * *
クリスマスになんか欲しいモンあるか? 譲介がTETSUに尋ねられたのは、アドベント期間が始まったばかりのある日のこと。
「欲しいものはありませんが、して欲しいことは……無くもない、です、けど……」
「なんだ遠慮か? 言うだけ言ってみろ」
「ええと……その。なにか楽しい思い出を、といいますか」
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