2022年交際記念日あたりに映画館デートする夫婦「香太郎さん危ない!」
声と同時に大きな手のひらにすくい上げられすっぽり包まれる。目線を上げると大きな大きな麻子の顔が心配そうに香太郎を見つめている。瞳に小さな小さな自分が映っているのに気付き慌てて周囲を見回すとビルの屋上からミニチュアのような涼村達が手を振っているのが見えた。麻子の頭は屋上より更に上にある。
「麻子さんが巨大化してる?!」
驚く香太郎に動じることもなく、さも当たり前のように麻子は言葉を続ける。
「危うく踏まれちゃう所でした。ここに入ってて下さいね。」
スルッと麻子の開襟シャツの胸元に入れられた。濃厚な麻子のにおいとえも言われぬ弾力と吸いつくような感触に包まれる。熱めの湯船に入っているような体温。
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