Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    guchiko

    @guchiko83kiiro

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 23

    guchiko

    ☆quiet follow

    藍湛と魏嬰♀の出会い~告白までの話。
    藍湛視点で話が進みます。
    「ひめはじめ」の番外編話!!

    「ひめはじめ」は↓ここから読めます。
    ポイぴく:https://poipiku.com/2398218/5911112.html
    pixiv  :https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16993599

    ※設定
    忘羨は互いに様々な事情で日本の学校に通います。

    #魔道祖師
    GrandmasterOfDemonicCultivation
    #忘羨
    WangXian
    #魏嬰♀
    #現代AU
    modernAu

    告白彼女と最初に会ったのは、中学の入学式の日だった。新入生は入学式の前に一度、発表された自分のクラスに集まることになっていた。私は自分のクラスに向かい、そこで彼女を見たのだ。
    クラスに入ると既にクラスに集まっていた生徒が、一斉に私の方を見てくる。彼女も私に視線を向けていたが、その時は別段気にも留めてなかった。みんなが一斉に見てくる理由は分かっていた。それは私の容姿だ。私自身はどうとも思っていないが、世間が言うには100年だか、1000年だかに一度の美人らしい。そのせいで皆、見てくるのだ。皆から注視される中、黒板に書かれている自分の席に着く。周りはどう話していいのか分からず、誰一人として話しかけてこなかった。ただ、ひそひそと遠巻きに話しているだけだった。そんな中、彼女の声が耳に入ってきた。
    「ねぇ、あれ誰?」
    「はぁ?知らないの?あれは、藍忘機。うちと同じ四大世家の藍氏の二の若様。」
    「あぁ、あの。・・・じゃあ、生徒会長の弟なんだ!」
    「そう、生徒会長——藍曦臣の弟。魏無羨、行くわよ。」
    「はぁ?行くってどこに?」
    「挨拶に!!いくら学校だからと言って、挨拶しないのは失礼よ!」
    その会話が終わると、彼女たちが私の席にやってくる。
    「初めまして。あなた藍氏の二の若様よね?」
    私は彼女たちに目を向かる。
    「私は魏嬰、魏無羨よ。こっちは、妹の――。」
    「江晩吟と言います。」
    「妹?」
    私は彼女たち二人を見て、首を傾げた。どう見ても外見が似ても似つかないからだ。
    「あぁ、私は養女で、江澄より少し誕生日が先なのよ。だから"お姉ちゃん"なの!」
    「何が"お姉ちゃん"よ!」
    彼女——魏嬰は義妹の江澄に肘で小突かれる。
    「お姉ちゃんでしょ?」
    「はい、はい。そう言うことにしておきます。」
    二人は少しじゃれ合った後、もう一度私に向く。
    「クラス同じだし、これからよろしくね。」
    魏嬰は明るい笑顔を向けて、そう言った。
    「よろしく。」
    挨拶を交わすと、このクラスの担任の先生が入ってきて、席を立っていた生徒は一斉に座り皆静かになった。
    魏嬰と最初に言葉を交わしたのはそれだけで、そこからしばらく話すことはなかった。
    次に話したのは、入学して1か月たった頃だった。先生が"そろそろ名前を覚えただろう"と、席替えをすることになった。くじで決めた結果、たまたま魏嬰と隣の席になった。
    「藍の二の若様。席、隣ね。よろしく。」
    彼女は自分の席を移動させてくるなり、開口一言そう言った。
    「よろしく。」
    私は一言だけ、そう返した。
    「えぇ!?それだけ?素っ気ないなぁ~。」
    魏嬰は少し拗ねたように振舞うが、そこからはことあるごとに話しかけることが増えていった。最初はうるさいと思うこともなかったが、このクラスで唯一話してくれるのが魏嬰だったし、彼女のおかげで今まで話してこなかった同級生からも話しかけられるようになった。
    それから夏休みに入り2学期を迎えた時に、このクラスで2回目の席替えを行った。2回目の席替えでは魏嬰と離れ、これで静かになると思いつつもどこか淋しく感じる部分のあったが、休み時間には魏嬰が私の席まで来て話しかけてくれた。私は彼女に対して相変わらず、素っ気ない態度をとっていたが、そのやり取りがどこか心地よかった。だがその反面、彼女は誰に対しても気さくに接するので、他の男子と話している姿を目にしてしまうと、どこかで嫌な気分を感じてしまっていた。その時は何に対して、この感情を抱いているのかが分からなかった。
    10月を迎え中間テストが終わった頃、魏嬰が髪を下ろして登校してきた。彼女は寒くなってきたから下ろしたと言っていたが、本当の理由を知るのはそれから1か月たった頃だった。
    たまたま帰り際に、魏嬰が2、3年の女子の先輩と3年の男子の先輩たちに連れられて、人気のない体育館裏に向かうのを目にした。なんだか不穏な気配を感じて、彼らに気づかれないようについていくことにした。物陰に隠れて様子を見ようとした時、衝撃的なものが目に入ってきた。
    魏嬰は叫ばれないようにタオルで猿轡をされ、一人の男子生徒に背後から羽交い絞めにされていた。必死に抵抗するが、体格差や力の差で逃げることが出来ない。そして、もう一人の男子生徒はあろうことかズボンを脱ごうとしている。女子生徒たちは携帯を取り出し、これから行われる行為に対して写真を撮ろうをしていた。それを見た瞬間、一気に怒りが頂点に達していた。
    「何をしている!!」
    咄嗟に飛び出し、普段出さない大きな声で叫んでいた。その場にいた全員が私の方を向く。
    「あぁ?なんだ?」
    女子生徒はマズいといった様子で、急いで携帯をしまう。男子生徒は私のことなど、気にしていないようだった。
    「おっ!美人の1年じゃん。どうした?お前もヤリたいのか?」
    私はその言葉を吐いた男子生徒目掛けて、殴りかかっていた。彼も私の攻撃に備えて、殴りかかろうとする。だが、私はその拳をかわし、背後に回り彼の背中を蹴り飛ばした。
    「私にそんな下品なものを見せるな。」
    蹴り飛ばされた彼は、あまりの衝撃の強さに立ち上がれずにいた。女子生徒たちはその光景に驚き、その場から走り去っていった。続いて未だ魏嬰を羽交い絞めにしている男子生徒に目を向ける。男子生徒は目を向けられた瞬間、恐れおののき女子生徒同様逃げてしまった。そして、地面に転がっていた男子生徒も、待ってくれと叫びよろよろしながら逃げていった。
    「魏嬰、大丈夫か?」
    即座に駆け寄り、猿轡のタオルを取ってやる。すると口の中にまで、別のタオルを詰め込まれていて、それを吐き出した。
    「ゴホッゲホッ・・・。」
    魏嬰は少し涙目になりながら、せき込んでいた。喉のところまで、押し込まれていたようだ。私は落ち着くように魏嬰の背中を摩った。
    「らん・・じゃ・・ん。ありが・・・とう。」
    魏嬰は落ち着くと、私を見てお礼を言ってくれた。
    「魏嬰、もしかして、ここ最近制服を汚していたのも、びしょむれになったのも彼らのせいか?」
    「・・・・。」
    私はふとここ最近の魏嬰のことを思い出し尋ねてみたが、魏嬰は視線を逸らし答えなかった。それは暗に肯定していた。確かめるように魏嬰の下ろしている髪を上げると、制服で死角になるところに針の刺し傷や、浅く切られた切り傷があった。髪を下ろしていらのは、制服の死角になると言っても、角度によっては見えてしまうため、その傷を隠すためのものだった。
    私は思わず魏嬰を抱きしめていた。"なぜ、先生に言わなかったのか?"という思いがあったが、魏嬰が江家の養女であることを思い出したら、口にすることが出来なくなっていた。恐らく"江家に迷惑を掛けたくない"という、気持ちがあったので言えなかったのだ。そう思い至ると、今まで言えなかったことの辛さを考えれば、抱きしめずにはいられなかった。
    「藍湛?」
    「魏嬰、もういい。」
    「何が?」
    「もう、我慢しなくていい。」
    そう言うと、魏嬰は少しづつ泣き始めた。

    その後、私は魏嬰を連れて職員室に向かった。彼女にとっては不本意だっただろうけど、これ以上魏嬰が傷つかないようにするために、説得して今まで受けてきたことを先生たちに話してもらった。最終的には育て親である江宗主にまで伝わり、魏嬰を傷つけた彼らは刑事事件として扱われることになった。
    その過程で私は何故、魏嬰が襲われ嫌がらせを受けていたのか分かった。私の知らない間に、校内で私のファンクラブのようなものが出来ていた。そのファンクラブの一部の人間が、私に話しかける魏嬰を快く思ってなく、私から引き離すために嫌がらせをしたそうだ。確かに彼女たちからしたら、魏嬰が私に嫌がらせをしているように見えていたようだった。私は魏嬰に対して、素っ気なく返していたからだ。
    私は魏嬰に尋ねた。
    「何故、私に話かけ続けた?私に関わらなければ、嫌がらせを受けずに済んだはず・・・。」
    「それは、違うでしょ!確かに藍湛と話さなければ、嫌がらせは無くなったかもしれない。けど、私が藍湛と友達になりたいのに、なんで嫌がらせを受けたからって、友達になるのを止めなきゃならないの?」
    その言葉に私は何も言えなくなった。普段は明るく冗談や揶揄うことしかしないのに、この言葉が魏嬰自身の本質を知ったような気がした。

    それから私は魏嬰と話すことが増えていった。話を掛けられたらなるべく長めに返事をしたし、揶揄われれば素っ気なく返すこともあったけど、やはり魏嬰と話していることが心地よかった。
    そんな日々が過ぎるのはあっという間で、すぐに進級の季節を迎えた。そして、私は新しいクラス表を確認すると愕然とした。何故なら、魏嬰と別のクラスになっていたからだ。正直私の中で、ここまでショックを受けるとは思っていなかった。まったく話さなくなるわけではないのに、魏嬰と話す機会が減ってしまうのが、心寂しく感じられた。
    魏嬰との関りが減って、しばらくたった頃。とあるテレビの特別番組のコーナーで、この学校が舞台となることになった。そのコーナーとは全校生徒が校庭に集まり、選ばれた代表者が屋上で、各々主張したいことを叫んでいくという趣旨だった。私はそのコーナーに出ることにした。
    収録当日、選ばれた代表者は、最上階の教室に集められた。私の順番は最後から三番目。主張していく生徒の声と、校庭からの全校生徒の声が聞こえてくる。一人、また一人と教室から去っていき、ついに私の名前が呼ばれる。待機用の教室を出て1階分の階段を上ると、その瞬間が一歩一歩近づいてきていた。屋上に出ると主張をし終えた生徒が進行役のアイドル二人とで会話をしている。彼らが二言三言話した後、前の生徒が離れて行って、私はその生徒と入れ替わるようにアイドルのそばに寄っていった。簡単にいくつか説明されて、カメラが回り出す。
    「君、イケメンだね!名前は?」
    「藍忘機と言います。」
    「中国人?日本語、上手だね。」
    と他愛のない会話をして、どんな主張をするか尋ねられる。
    「今回は、何を主張するんですか?」
    「私は、ある人に伝えたいことがあるんです。」
    『おっ!!』
    進行役の二人が何かを察したような反応を見せる。
    「伝える相手は、女の子?」
    「はい。」
    「好きな子?」
    「・・・はい。」
    私は耳を赤くさせて頷いた。
    その後二人のアイドルから、勇気をもらうように握手を交わし、設置された舞台へと昇っていった。
    私は舞台に立つと安全用のベルトを腰に巻かれた。そして私の主張が始まる。
    「2年1組、藍忘機。今日は、ある人に伝えたいことがある。」
    『なーにー?』
    私が精いっぱいの声で言うと校庭にいる全校生徒が、レスポンスを返してくれる。
    「2年2組、魏無羨。」
    そう言うと当の魏嬰は"私?"と言う顔をして、隣にいた江澄に慌てふためくような様子で、何かを話しかけていた。
    「魏嬰。私は最初、君のことを不真面目でふざけるのが、好きな生徒だと思っていた。けど、話しかけてくれたことによって、皆が私に話しかけてくれるようになったし、友達が増えた。それと君と話していると楽しかった。」
    ズボンを握り締める手に力が入る。魏嬰のいるあたりを見ているのに、彼女がどんな表情をしているのか、目に入らなくなってくる。
    「この学校で去年、ある事件が起きた。君はその事件に巻き込まれて、私はその現場に居合わせて、君が何をされるかを目撃した時に、我慢できずに手を出してしまった。」
    一度、唾を飲み込む。
    「あの時は気づかなかったけど、進級してクラスが分かれてしまって、気づいたんだ。」
    握り締める拳が震えてくる。
    「君と話す機会が減って、寂しく感じた。」
    あの事件の時は恐怖なんて感じなかったのに、今は自分の気持ちを伝えるのが怖く感じる。
    「魏嬰。私は、君のことが好きだ!!」
    その瞬間、全校生徒が一気に湧く。泣きそうになる気持ちを奮い立たせて、彼女に思いが届くように叫ぶ。
    「私の恋人になってーー!!」
    想いをぶつけると、さらに一層学校全体が湧いた。一頻り騒ぐと徐々に、静まり返ってくる。全校生徒が魏嬰の返事を待つが、なかなか魏嬰は言葉を発さない。彼女に視線を向けると、俯いているようだった。その様子を見て、もしかして私の気持ちは嫌だっただろうか、迷惑だっただろうかと思ってしまう。そんな気持ちに駆られていると、ようやく魏嬰から返事がされる。
    「藍湛!!そこで、待ってて!!」
    魏嬰はそう言うと、全速力で校舎に向かって走っていく。どうやら、ここに向かっているようだ。5分ほど待っていると、魏嬰が屋上に現れる。息を切らせながら、ゆっくりと歩き舞台に上がってくる。
    「魏嬰・・・。」
    彼女が私の隣に来ると、見つめてくる。
    「藍湛、ほんと?」
    私にしか聞こえない声で尋ねてくる。私は魏嬰にゆっくりと頷く。
    「藍湛・・・・。」
    魏嬰は私の名前を呟くと、ゆっくりと1回深呼吸をする。
    「藍湛、藍忘機!!私も・・・・。」
    そして私に向かって、今度は校庭にいる全校生徒にも聞こえるように、声を張り上げる。
    「私も・・・・、私も、大好きだーーーーー!!!」
    魏嬰はそう叫ぶと、感情の高ぶりが頂点に達したせいか、真珠のような涙を幾筋も流していた。私は思わず彼女を抱きしめた。すると、一気に歓声が沸いた。
    その後、進行役のアイドル二人が舞台に上がり、私達に"その手を絶対、離しちゃだめだよ"と言ってくれた。抱き合ったあと、身体は放したが手を繋いだままでいたからだろう。それを見て彼らはそう言ったのだと思った。
    「はい。」
    私は素直な気持ちで頷いた。


    私は主張を終えると魏嬰と全校生徒のいる校庭に向かった。その途中、3階まで下りてきたところで、魏嬰が私に声をかけてきた。
    「藍湛、本当だよね?」
    私は魏嬰の顔を見る。彼女はまだ、現実を受け止め切れていないようだった。自分が屋上で言ったことも、もしかしたら夢なのではないかと思っているような、不安げな表情を浮かべていた。
    「うん、本当。私も、夢を見ているような感覚だけど、現実。」
    「藍湛・・・・。」
    「魏嬰?」
    魏嬰は私の名前を呼んで黙ってしまうが、私の手を引っ張って物陰になるトイレの入り口まで引っ張る。完全に視覚となるところまで来ると、ようやく口を開く。
    「藍湛、夢じゃないなら、・・・・キス・・して。」
    頬を紅くして、言う魏嬰がいつもの彼女と違って、可愛らしく見えた。私も頬を熱くしてしまう。
    「・・・・うん。」
    魏嬰の頬を両手で優しく包み込む。そして顔を近づけていく。早鐘のようになる心臓が、周囲の音をかき消していった。まっすぐ近づけていくと、唇より先に鼻の頭が、ぶつかってしまう。
    「ふはっ。」
    「フッ。」
    お互い閉じ掛けていた瞼が見開き、失笑してしまう。
    「そうか、首を傾けないといけないんだね。でないと、鼻がぶつかっちゃうんだ。」
    魏嬰の言葉に、私は微笑む。
    「魏嬰。」
    「うん。」
    しきり直して、もう一度、顔を近づけていく。今度は鼻がぶつからないように。互いの柔らかい唇が重なった瞬間、心の中に幸せが広がっていった気がした。このままこの時間が永遠に、続いてほしいと思うほど。だが、彼女の唇は数秒経つと離れていってしまった。寂しくはあったが、彼女をもう一度見ると、魏嬰も幸せそうな顔をしていた。
    「嘘じゃ、ないんだよね・・・。」
    「うん。」
    魏嬰は私に尋ねているのではなく、自分に言い聞かせるように言っていたが、私はその言葉に頷いた。
    「嘘じゃない、現実。魏嬰、もし信じられないのなら、毎日キスをしよう。そうしたら、私たちが恋人同士だって確認できる。」
    「うん!!毎日しよう!毎日したい!」
    魏嬰は私の言葉に、きらきらとした瞳で頷いた。
    この時私は一生涯、魏嬰と共にいるとは、思っていなかった。けれど魏嬰が、私から離れていくということも、頭になかった。
    「藍湛、行こう。」
    「うん。」
    この繋いだ手を離さないように。

    ***********
    おまけ

    「姉さん、どうして人は好きになるの?」
    「どうしたの?そんなこと、突然聞いて?好きな人でもできたのかな?」
    魏嬰が何気なく訊いたことに、義姉の江厭離はそう尋ね返した。
    「そんなんじゃない。何気なく、思っただけ!!」
    「そう?でも、最近少し元気ないような気がするけど?もしかして、藍家の子と別のクラスになっちゃったから?」
    魏嬰は義姉に言われて、図星とばかりに黙ってしまう。
    「分からないんだ。」
    「分からない?」
    「藍湛と別のクラスになって、話す機会が減って・・・・。なんか・・・・、空っぽになったというか、淋しいというか・・・。」
    姉の厭離はそう言う魏嬰の表情を見て、本人ですら気づいていない気持ちを察する。
    「阿羨。」
    厭離は魏嬰を見て優しく微笑む。
    「阿羨は、その子のこと好きなのね。」
    「そんなんじゃない!!」
    「そうかしら?でも、他の子とも別のクラスになったけど、その藍家の子だけ淋しい気持ちになるんでしょ?」
    「・・・・・。」
    魏嬰は黙ってしまう。だが、よくよく考えてみると、義姉の言う通り藍湛にだけ、淋しい思いを感じていた。
    「好き・・・なのかな?」
    厭離は魏嬰を優しく抱きしめる。
    「そのうち、分かる時が来るわ。もしかしたら、告白されてはっきりと分かるかもしれない。」
    魏嬰は抱きしめてくれる義姉を見つめる。
    「分かる?」
    「告白されて、ものすごく嬉しいって思ったら、それは"好き"って気持ちじゃないかしら。」
    「姉さん・・・・。」
    「そしたら、阿羨の気持ちも素直に伝えると良いわ。」
    義姉は背中をポンポンと優しくたたきながら、そう言った。
    魏嬰がその気持ちにはっきりと分かるのは、もう少し経ってからになる。






    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭😭👏🙏💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works