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    hananokosituki

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    hananokosituki

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    さがしもの

    練習ルツ🎈🌟ちゃん6
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    「オレを見て」

     そう言えたらどれだけいいだろうか。咲希のためならいくらでも何だってできた。そして、咲希は元気になってこれからは一歌達と一緒に困難を乗り越えながらも進んでいくのだろう。
     ──素直に嬉しいと、心から喜ばしいと思った。


    ずっと咲希を笑顔にしたいとその想いでショーを続けてきた。それはもうオレには無くてはならないものとなっている。それに、ワンダーランズ×ショウタイムのメンバー達だって居るのだ、何をそんなに寂しがっているのだろうか。大切なものが、もう二度と壊したくないものが増えてしまっただけなのに。
     ──今度こそ大切に、たいせつにしなくては。


     咲希の為に、咲希が元気になってからはショーを観に来てくれた人達が笑顔になってくれるように。一心不乱に走り続けた。
     ──走り続けるしかない。


     オレにはこれしかない。寧々のような美しい歌声も、えむのように居るだけで周りが自然と笑顔になってしまうような魅力も、類のように何でも創り上げてしまう魔法のような手も。
     ──オレには何一つ。


     オレができる事と言えばただ、ただ置いて行かれないように必死に走って走って走り続けることだ。


    「ねぇ、どうしてそんなに走り続けているの。僕だって疲れたら休憩するよ。少しくらい休んでも悪くないんじゃないかな。」

    だからね、一緒にお昼寝しよう。それで起きたら一緒にショーを観よう。あぁ、次の演目についての話でもいいね。

     ああ、ああ!お前はどうして言ってしまうんだ!
    お前はこんなオレでもいいのか。我儘で、強欲で、どうしようもなく寂しがりで、癇癪を起した子供みたいな俺を、ずっと。

    ずっと見ていてくれるのか。


    「もちろんだよ。僕にとって君は特別なんだ。大切なんだよ。もう、君が居ないなんて考えられない程には。」

    それに、それにね?

    「君が僕を見つけてくれたんじゃないか。だから次は僕が見つける番だよ。どこに居ても必ず見つけ出してあげるから。」


    そうか………そうなんだな。ずっと見つけてくれてたのか。ありがとう類。
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