カイザーが熱出したときいて、お前は昨年まで小児科だっただろうがとノアが言って看病する話 捏造しかない義親子設定ノアとカイザーの話
カイザーが熱を出したと小耳に挟んだ。
カイザーはノアの息子である。
といっても、養子。ドイツに来たばかりの頃、ボロボロだったカイザーをノアが拾って養子にした。
そこからの付き合い。
フットボールの才能があったから、自分が所属するチームのトライアルテストを受けさせてみれば、見事合格するくらい才能豊かなちょいと小生意気な息子である。
そんなカイザーは、ノアをいつまで経っても頼らない。
下部組織の新入りが熱出したらしいと、メンバーが話題にするのをノアは聞いて溜息を吐いた。
またアイツは俺を頼らない。
それで仕方なく、寮のカイザーの部屋をこっそり尋ねれば、父親権限で合鍵を使って中に入ると、ベッドの中に埋もれるカイザーを見つけた。
苦しそうに熱い息を吐いて、でも絶対に弱音を吐くまいと小さく身を丸めて眠るカイザーの額に手を当てると、随分と己が想像していた以上に熱かった。
それで、持ってきていた薬の中でも一番効き目のいいモノを取り出すと、眠るカイザーの布団を捲り上げた。
そのまま丸まった四肢を解いて、うつ伏せにさせるとズボンを下着ごと引きずり下ろす。
ここでやっとカイザーは、今、自分の身に危機が訪れていることに気付いて、熱で朦朧とする意識から浮上した。
目を覚ますなりギョッと目を剥く。
「っなにしてんだこのクソ変態!!!!!!」
しゃがれた声で、今出せる限界の声を発して紛糾すれば、ノアはなんだ起きたのかと、薬のパッケージを善意でカイザーに見せた。
「想像以上に熱が出ている。コイツが一番効率が良い」
ノアがカイザーに見せたのは、幼い頃も無理くり挿られたことがある恐怖の物体ーーー坐薬だった。
それが、また、今、まさに目の前にあって、剥き出しにされた尻をノアが鷲掴んでいる。
ヒッと恐怖が蘇ってカイザーは小さな悲鳴を上げると、節々が痛くて苦しいのに一生懸命、本人的にはそりゃもう必死でジタバタともがいた。
が、ノアからしてみれば、ぺそぺそと手足を動かしてるだけで、コイツは何がしたいんだ?と首を傾げて、尻をグイッと無遠慮に開いて、肛門を外気に晒した。
ヒクヒクと動くその窄まりを見て、ノアは過去を振り返った。
あの頃はまだ幼かったから、容赦なく片手で簡単に坐薬を押し込んだ。
今はどうだろうか?
しなやかに伸びた手足、美しく成長した顔、少年から大人へと変わっていく体躯をジッと見る。
「嫌だやだやだ、クソ離せ~この変態サイボーグぅううう」
「ちょっと黙ってろ、熱が上がるぞ」
ノアの言う通りだが、カイザーはこれだけは我慢ならなかった。
ケツの穴に薬を挿られるなんて屈辱、しかも養父とはいえ、カイザーが恋心を持った相手にだ!!
幼い頃だって嫌だった。
今はもっと嫌だ。
そういった行為じゃなくて、治療目的だと分かっていても、もし、仮にだ。そういった反応をしてしまったらもう生きていけない。
明日からどうやって顔を合わせればいいのかわからない。
普通に憤死案件。
無理とカイザーは暴れた(ただし、しんどすぎて手足をちまっこく動かすだけ)
「諦めろカイザー、これが一番効く」
「知ってる!!!!!!」
そんなもの身を持って知っている。
だから余計嫌なんだ。
カイザーは看病ってもっとこう「口を開けろ、ふーふーあーんしてやる」とか言って、チキンスープを飲ませて貰ったり、おでことおでこをくっ付けて「まだ熱いな」なんていうイベントがあるだろ!!と叫びたかった。
だけど、まさか自分がノアにそんなことして欲しいだなんて知れたらやっぱり憤死案件なので、ぐぬぬと目尻に涙を浮かべた。
ノアにとって、己はいつまでたっても幼い行き場を失った子供のままなのかと唇を噛む。
もっと対等になりたいのに
強くなりたいのに
「くしょのぁ~」
「大丈夫か?」
熱に浮かされたままカイザーは、枕に顔を埋めてくぐもった声を発すると、それっきり動かなくなった。
それで、流石のノアも心配になって顔を覗き込めば、さっきより顔がというより、全身が熱くなって、ひと目で熱が上がったんだと気付いた。
「だから言わんこっちゃねぇ。仕方の無いヤツだな」
呆れて溜息を吐くと、ノアは昔よりずっと体格も良くなって美しく育ったカイザーを見下ろした。
こんな状況じゃなければノアの股間はしっかりと反応していた。
全く人の気も知らないでとノアは、窄まりにローションを塗り込んでから指をぬぷっと押し込んだ。
ノアの指に絡んで蠢く肉襞に、理性を押し込めたまま指を奥まで挿ると、引き抜いてから坐薬のパッケージを開けてもう一度、今度はさっきよりずっと緩くなってヒクヒクと誘ってくるそこにグッと押し込んだ。
「はぁーーーーーーーーーったく、えっろいカラダしやがって」
ぷりんと弾力もあるし、程よい大きさの尻を手早くズボンの中に閉まって、全身の汗を拭いてやると、ノアは氷枕を頭に敷いてやった。
「俺をもっと頼れよ」
看病ぐらいいくらでもしてやるんだとノアは小さく笑みを零すと、早く良くなってグランドに戻ってこいよと額にキスを落として部屋から出て行った。