初仕事ーあのね!
確かにこの後何か言われた。夢で言われた事なんて、起きたら忘れるのは当たり前。でも、何故かこの夢で言われたことだけは忘れてはいけない気がした。
午前4時30分、いつも自分で起きれるはずのない早朝だった。最近は変な考え事をしてしまうことが多い。気持ちを切り替えるために、1度顔を洗ってこよう。
洗面所につき、顔を洗おうと鏡を見る。そこには、寝ぼけてるせいか女性の姿が見えた。高身長で、桃色の長い髪と瞳の女性。その人はただ優しく、どこか寂しそうな目でこちらを真っ直ぐと見つめていた。初めて見る顔なのに、ずっと見ていると懐かしい気持ちになる。あの夢の声を聞いている時と同じ、少し嫌な感じのするあの気持ち。この女性はいつも聞く声の主なんだと何となく思った。
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