やり直す勇気を その知らせは東の空を照らす朝日と共にルクセンダルク全土に響き渡った。
「正教騎士団三銃士ユウ・ゼネオルシア!ここに邪神を打ち倒した事をご報告いたします!」
決戦の直後だというのに疲れを感じさせない若き騎士の声がそう告げるのを、ジャンとニコライはガテラティオの大聖堂で聞いていた。連絡手段となっているクリスタルの欠片はかなり小さい。そこに映し出されているはずの光景は二人からは見えないが、声の主はきっと身体中に傷を負いながらも晴れ晴れとした顔を見せているだろう。難しい任務をこなした後いつも嬉しそうに笑っていたのと同じように。
「やったんだなあいつ」
大聖堂内に待機していた人々が沸き立つ様子を遠目に見ながらジャンはぽつりと呟く。誰に向けた言葉でもなかったが傍にいたニコライには聞こえたようで小さな頷きが返ってきた。
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