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    てくとんぼ

    @Take_042

    作業途中で放置してたやつとか、年齢制限ありそうなやつとか、落書きとかあげていきたい

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    てくとんぼ

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    錬金ゼミに事件解決して欲しい!ってなって書き始めたやつ
    謎に現パロ(でもブブちゃんもデバコフ教授もいる)

    クレアは巻き込まれ体質である。
    中学の時に当時の友人に呆れ顔でそう称されたのが最初。その時はまさかと笑っていたのだが、それからまもなくたまたま立ち寄ったスーパーで立て篭もり事件に巻き込まれた。その事件自体はわずか数時間で解決しクレアにも怪我はなかったが、それを皮切りに、殺人、窃盗、事故、災害その他諸々、とにかく事件の現場に遭遇すること幾何回。小さなことから大きなことまで、その総数は両手の指が足りなくなった時に数えるのをやめてしまった。
    だから今回も大学の課題の一環で訪れた観光名所の砦跡で絹を裂くような叫び声が聴こえた時、またかと思ってしまった。案の定発見されたのは妙齢の女性の遺体。それから通報を受けてやってきた、もはや顔馴染みになっている白い髭の警部さんにおなじく「またか」と言われれば、あはは…と苦く笑うしかなかった。

    世間で有名なその手の物語で、探偵役の主人公が頻繁に事件に遭遇するのを揶揄する言葉がある。でもクレアは探偵でも警察でもない。ただの大学生であり、ごく普通の一般人だ。物語の世界ではそんな一般人でも冴え渡る頭脳で事件を解決に導いたりもするが、クレアの頭の出来は学校の成績が平均より少し良いくらいである。推理なんて生まれてこの方した事ないし出来るわけがない。本当に普通の大学生なのだ。ただちょっと事件に巻き込まれやすいだけの。……ちょっとどころではないかな。なんだか泣けてきた。
    たまらずぽろりと一粒落とした雫は、ひんやりとした吸盤が吸い取ってくれた。

    「……ブブちゃん」

    クレアの肩から下げた大きめの鞄から飛び出しているソレに、周囲からのギョッとしたような視線を感じる。初めて見る人は確かに驚くだろう。
    ブブちゃんはクレアの飼っているペットの蛸だ。蛸にしては大きすぎるんじゃないかと言われたこともあるが、蛸と言えば蛸だ。だってクレアにも解らない。小学校からの下校中、河川敷の橋の下で蹲り弱っていたところを保護してから10年ほどの付き合いだ。知り合いの大学院生には理解できないといった顔をされたものの、ブブちゃんはブブちゃんで、蛸に似てるから蛸なんだろうとしか言えない。

    そこまで考えて連絡を入れ忘れていたことに気づく。大きなことでも小さなことでも、なにか事件に遭遇したなら必ず連絡をすること。それが「彼ら」とした約束だった。
    スマートフォンを取り出しメッセージツールのグループチャットを立ち上げる。

    『シュタルクフォートで殺人事件に遭遇』

    【錬金ゼミ生】と名付けられたグループに所属するのはクレアを入れて4名。メッセージを送ってからわずか数分で返信が返ってくる。

    『嘘でしょ?』

    三日月のようなマークのアイコンで不満を漏らすルーファス。彼がブブちゃんに理解不能だと漏らした件の大学院生だ。

    『今確認したけど、本当だよ。相変わらずだねクレア』

    可愛い蟹のイラストをアイコンにしているサンドラことサンディ。歳上の彼女のことをクレアは実の姉のように慕っている。

    『サンディのツテなら間違いねーか。担当いつものオッサンだったんだろ?ルーファスちょっと行ってこいよ』

    ドクロマークのアイコンはスティールだ。最初は蜘蛛のシルエットをアイコンにしていたが、サンディの猛反発を受け変えている。サンディは蜘蛛が大の苦手らしい。

    『やだよ……ハインケル警部苦手なんだよ僕……』
    『あたし車だそうか』
    『ルーファスの連行頼むなサンディ。俺は近いから歩きで行くわ』
    『えっ、僕の意見き』

    さすが展開が早い。5分もしないで錬金ゼミのメンバーがここシュタルクフォートに集まることになってしまった。中途半端なルーファスの投稿は途中でサンディに確保されたか。気の毒に。



    錬金ゼミとはクレアの在籍する大学に存在するゼミの名前である。もちろん本当の名前ではない。通称だ。デバコフ教授が趣味でゼミ室に置いている骨董品の数々が、まるで錬金術で使われている釜のようだと誰かが言い出したのが始まりだったか。
    クレア、スティール、サンディ、ルーファス。この4人のうちクレア以外は正規のゼミ生ではない。そもそも大学の学生ではなく外部の人間である。それが大学のゼミ室に入り浸っていることが問題視されないのは、ゼミの責任者であるデバコフ教授の「いいんじゃないですカ」といういい加減……寛大な発言による。

    クレアが彼らと出会ったのは2年前のことだ。課題の為泊まりがけの調査に出向いた日のこと、宿泊先のホテルで殺人事件が起きた。連絡はついたものの、酷い悪天候により到着に時間がかかる。たまたま警察や探偵が泊まっていたなんて都合の良いことがある訳もなく、既に退職した身で良ければと名を挙げたのが元警官のサンディだった。

    以下読まなくてもいい設定

    クレア
    助手役 良サポーター
    何気ない一言やたまたま持ってた道具が大活躍

    大学の課題で調査に出かけた先でいつも何かしら事件に巻き込まれる女子大生。

    ブブちゃん
    正体が一番の謎
    重大な証拠品こっそり呑み込んでたりする

    スティール
    情報収集担当 口がうまい交渉上手
    酒が入れば大抵の奴は口が軽くなるとか

    美味い飲食店から個人の裏話までなんでもござれな情報屋。養父の仇の情報を探して情報屋を始めた。

    サンディ
    物理担当 腕っ節最強
    犯人を取り押さえる役

    元刑事でハインケル警部とも知り合い。刑事をやめたきっかけは守るべき人を守れなかったから。
    先輩にニコライ後輩にユウとジャンがいる。

    ルーファス
    情報精査担当
    スティールが集めてきたものを一つに繋げる役

    探偵じゃなくて学者なんだけどなあ!とぼやきながらもクレアが巻き込まれた事件を解決してくれる。
    大学院生。
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    Replies from the creator

    てくとんぼ

    DOODLEユウの宛先のない手紙の話
    拝啓 遠き世界のあなたへ 

     あれから季節はめぐり、ルクセンダルクには二度目の春が訪れています。そちらはお変わりないでしょうか。

     ティズさんの為に駆け付けてきたアニエス様を連れて湯船に戻ろうと山を下る途中、オレはそこで初めてオレの中からあなたがいなくなっていることに気がつきました。何度も助けて貰ったのに、お礼の一つも言わせてくれなかった。きっと、あなたがオレの元に来たのは、ルクセンダルクを邪神の魔の手から救い出す為だったのでしょう。役目を終えた魂は元の世界へ帰らなくてはならない。ティズさんからもそう教わりました。けれどどうしてもあなたに言葉を届けたくて、今こうして筆を取っています。

     あれからアニエス様は法王の座を辞し、ティズさんとご婚約されました。二度に渡り邪神を退けた奇跡の英雄と、和平を成した平和の象徴であるアニエス様の婚約は、ルクセンダルク全土で祝福されています。一部で心無い声をあげる方もいますが、英雄と名高いティズさんの存在に強くは出られないようです。ティズさん本人はその肩書きに恐縮しているようでしたが、それがお二人の幸せに繋がるならオレはそれで良いと思っています。きっとあなたも同じ気持ちですよね?
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