Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    harusakiriku

    @harusakiriku

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 34

    harusakiriku

    ☆quiet follow

    大正🌊←大正🎴(→)←現代🌊←現代🎴
    ようさんのこちら↓の一連の作品よりインスパイアされた三次創作
    https://x.com/yougetu6/status/1713498290287939971?s=20
    ※小説ではなくプロットもどきのあらすじです。
    ※最後に各イメソンメモあり

    #義炭
    yiCharcoal

    大正🌊←大正🎴(→)←現代🌊←現代🎴■現代炭

     炭治郎は13歳のとき、キメツ学園中学生時代、高校教師の義勇と出会い、恋をする。
    (※キメ学スピンマンガ参照・雪山遭難兄妹を助けてもらう)
     高校生になったらもっと近づける、しかし教師と生徒。卒業したらせめて思いを伝えたいと思い、それまでは生徒の距離で親しくなりたいと頑張る。
     義勇もなにくれとなく気にかけてくれ、やさしい。
     不器用な彼にどんどん惹かれていく心は止まらず、また炭治郎の成長によって、気づかなくていいことにも気づいてしまう。

    「あのひとは、おれを通して、誰かを見ている」

     炭治郎は、ふつうに運動は得意だけれども、けっして筋肉がついているタイプではない。
     炭治郎の痣は、幼いころからは少し濃い色にはなったが、今の形からは変化しない。
     炭治郎の家族は全員元気で、なにも喪っていない。

     すこしずつ「誰か」との違いを感じるたび、ほんのわずかに安堵し、落胆する義勇を、好きだからこそ気づいてしまう。
     炭治郎は――義勇に、そういう意味で、愛されていない。

     だがどうやら、彼の好きな人は自分に果てしなくそっくりらしい。
    (あんな目で見るから、勘違いをしてしまった)
     愛されるなら、代わりでもいいとすら思う。けれど嘘のつけない自分には無理だとも思う。
     彼に嘘をつかせたくないとも、思う。
     だから卒業の最後の日「好きでした」とだけ告げて、答えを聞かず、進路先も告げず、家を出る。

    ■現代義

     義勇が幼いころから徐々に思いだした、百年前の荒唐無稽な「鬼狩り」の記憶。
     頭がどうかしたのかと思ったけれども、身近にいるすべての人物が「そのころ」の者たちとあまりに近しくて、けれど問うても誰ひとり自分と同じ記憶などなく、一時期は混乱著しかった。
     おかげで誰に対しても身がまえるくせがついてしまい、無表情・無感動な男と言われるようになる。
     就職し、キメツ学園にたどり着いてようやく、幾人かは「あの時代」の記憶、ないし薄ぼんやりとしたイメージを持っていることを知る。
     ことに明白なのは学園オーナーでもある産屋敷。義勇におなじく――いやそれ以上に「あのころ」のことをすべて記憶していて、だからこの学園に「集めた」という。
    「なにごともなければいいと思っていたけれどね」
     怪異はそこかしこ、いまだ残滓がこびりついているから、気をつけてくれと言われ、胡蝶(姉)とともに、たまに鬼狩りならぬ「鬼の始末」を続けている。

    ※この学園に出る鬼は、かつての鬼のような悪辣さや能力はないが、度が過ぎるいたずらを重ねると力をつけてしまう可能性があるため、こまめに退治している。
    ※鬼舞辻についても人間になってはいるが、産屋敷憎さで政争を繰り広げている

     そうこうしているうちに、運命のきょうだいが入学してくる。
     出会いを経てすぐ、炭治郎に好かれていたことは知っていた。幼い瞳が次第に育ち、健やかに誇らかに成熟し、やがて「あの子」が超えられなかった歳に近づいて行くにつれ、正視するのがつらくなってきた。
    とても似ていて、すべてが違った。痛みを知らない明るいやさしい子で、だから惹かれた。 そして、だから、やはり、彼ではないことがどうしようもなく浮き彫りになった。
     年齢差が違う。過酷な鍛えられ方などしていないから、身体も細い。疵もないし、家族もいて、ほの暗い痛みを抱え、だからこその慈愛をたたえたあの瞳より、もっと純粋で幼い。
     違って、違って、そっくりで、違って、なにもかもが違った。
     百年前の記憶に囚われて、「あのころの」最愛をいまだずっと求め続けている愚かな男に、正しく育った「炭治郎」が見切りをつけた。
     なんて正しい姿だろう。すがしく誇らしく、うつくしくすらある。
     涙をいっぱいに溜めた目で「さようなら」を言える彼はきっと、二度と義勇に会う気などない。終わりをきちんと、自分の手で決められる、潔い強さはあの頃の彼そのものだった。
     そんなところは本当にそっくりで、魂からうりふたつで――きっと、おそらく「そのもの」でもあるのだろう。

     けれど彼にはない痛みの記憶こそが、「自分」が「彼」を愛したよすがで理由だから、それを持ち得ない「炭治郎」をそのまま愛することなど、どうしてもできなかった。
     ――ばかですね、あなた。
     もういない彼がそう言ったのが聞こえる。たしかに聞こえるのだ。
     いまでもまだ、目を閉じればどこまでも彼の姿は鮮明で、過去などではなくて、喪失の痛みにずたずたにされながら、愛し続けている。

    ■大正義炭

     あの大戦を経たのち、痣者のさだめが誰より早く発露。
     身仕舞いをする間に、思いを残したくないと兄弟子に思いを告げる。しかし、炭治郎のいのちは繋ぐべきだと、おなごと添えと言ってとりあってくれない。
    「あなたは嘘ばっかりお上手になって」
     笑って、義勇のつれない態度にもかまわずに押しかけ、好きだ好きだと繰り返すうちに、結局のところ陥落する男を抱きしめた。
    「おまえは非道いヤツだ」
    「どちらがさきに逝くかなど、わかりませんでしょう」
    「そうやっていつだっておれをおいていく。いつも、いつでもだ。おれはおまえの走ったあとを追って、追うばかりで、いつだって間に合わない」
     こんなにも思わせて、執着させて、なんて非道い、なんてわるい。
     身を結んだその夜に、嗤いながら泣き濡れる義勇を抱きしめる自分はたしかにひどい。
     それでも最後にあいしあえた。笑いあう日々も、幸福も感じた。だからきっと次も、そのさきも、ずっとずっと。
    「次に生まれてもおれは、あなたを絶対に好きになりますよ」
    「おれは、おまえ以外など、好きにならない」
     このとき、百年を経てこの言葉が呪いになるなどと、お互いに知らぬまま、来世を契るふたり。


    ■現代義炭・五年後

     炭治郎が高校を卒業して五年後、二十三歳の新社会人となり、生まれた町に戻ってくる。
     製菓学校→製菓会社で修行していたが、父の具合が悪くなり、実家を継ぐかどうかを考えるため。
     弟妹もいるし、好きにしていいと言われているけれど、結局製菓コースを選んでいるのは実家の家業があったから。
     そして、高校のころ、パンを差しいれると喜んでくれた「あのひと」の不器用な笑顔が忘れられなかったから。
    「いいかげん、未練がましい」
     とっくにふられて、見こみもなくて、なのにまだ忘れられない。だって、ずっとむかしに約束したから――。
    (って、誰に?)
     不思議と最近、奇妙な夢を見るようになっている炭治郎。そして母校の近くを通ったところで、会いたくて会いたくなかったひとに出くわす。
    「……炭治郎?」
     一度も呼ばれたことのない名前。髪を短く切ってさらに男ぶりのあがった義勇がいる。
     髪を切った姿ははじめて見た。そう思ってふと、なにかがよぎる。
     ――髪、切ったんですね……!
     いつか自分はこのひとに、そう言って笑って駈け寄った気がする。いや、そんなはずはない。わずかに混乱し、かぶりを振って炭治郎はまっすぐ向き直る。
    「ご無沙汰しています、冨岡先生」
    「戻って、きたのか」
    「ええまあ、実家を継ぐかはまだ、決めかねてますが」
     社会人経験で培われ、だいぶ馴染んだ社交辞令の笑顔。嘘をつくのは下手だけれど、礼儀を覚えるのは得意だから、とくに感情のない笑みも、覚えてしまった。
     とたん顔をしかめる義勇――冨岡。そして、不思議なことに、彼の目つきが違う。
    「背が……だいぶ、伸びたか」
    「はい、先生には追いつきませんでしたが」
     もう二十三ですよ、とからり笑えば、まるではじめて会ったかのような、見慣れないものを見るかのような目をする。
    (ああ、もう、このひとの「好きな人」とおれは、似ていないのか)
     焦げつくようなあのまなざしが、じつのところは好きだったのだ。けれどもうそれは喪われてしまった。炭治郎があの春の日に、終わりとしたのだ。
    「よろしければ、またパンを買いにでもいらしてください」
     社交辞令、社交辞令だ。かつては教師と生徒、今後は店主と客。それだけの薄い薄いつながりで、いずれは消えてなくなるだろう。
     おそらくこの、胸の痛みも。
    「それじゃあ……」
     軽く会釈し、去ろうとした炭治郎の腕が、強い力で掴まれる。驚いて振り返れば、そうした自分の行動をこそ驚いている義勇がいる。
    「どうなさいましたか?」
    「おれは、……おれは、キメツ学園の教師で、もう、三十二になる」
    「存じてますが……」
     炭治郎が彼と出会った十年前、早生まれで新卒の高校教師だった義勇は二十二歳だった。九歳違いのそれがどうした、と首をかしげれば、わななく声で彼は言った。
    「知ってほしいんだ。いまのおれを。そして、いつかのおれの話を、ばかだった男の話を、きいてほしいんだ、おまえに」
     意味のわからない言葉だった。けれど、ひどくそれが胸に響いた。なにを言えばいい、どう言えば。そう思いながら、炭治郎は無意識に口を開く。
    「髪、切ったんですね」
     義勇が目を見開いて、ああ、うん、と不器用にうなずいた。
     そして、笑う。
     桜の花びらの下、髪の短い彼が――あのころよりも、ずっと背の高い、歳を経た彼が、ほがらかに、やわらかく、笑う。
    「おれは、竈門炭治郎、です」
     掴まれた手にそっと、自分の手を重ねる。たぶん彼の知る手よりもやわらかいだろう、だが、そう――お互いに、両手で、互いを逃がすまいと握りしめることができるから。
    「冨岡義勇さん。あなたをずっと――愛してます」
     そうして桜の花の舞うなかで、強い両腕に、さらわれるのだ。

    ----------------------------------------------------------------

    以下イメソン

    ■全体テーマ
    永遠のあくる日 Ado

    ■現代炭
    ハルジオン YOASOBI
    https://www.youtube.com/watchv=T1aLD5jCx8g

    ■現代義→大正炭
    One more time one more chance(山崎まさよし)
    ■現代義→現代炭
    朝焼けの彼方に 中田裕二
    https://www.uta-net.com/song/198286/
    https://www.youtube.com/watchv=OB85FPxKbFg

    ■大正炭
    手つかずの世界 椿屋四重奏
    https://www.uta-net.com/song/30374/

    ■大正義
    かたはらに 椿屋四重奏
    https://www.uta-net.com/song/63720/

    ■現代義炭
    不時着 椿屋四重奏
    https://www.uta-net.com/song/59950/


    ----------------------------------------------------------------
    ■補足

    ちなみに大正たんは18くらいで、ぎゆは25で亡くなってて、どっちも「面影」があったときはどうしてもトミセンは過去を振り切れなかったんだけど、「知らない年齢、知らない大人の顔」の炭治郎と、当時望むべくもなかった三十路の自分で「やっと始められる」と思えた感じです( ˘ω˘ )

    ----------------------------------------------------------------

    ※あらすじフリー素材なのでFAでもこれをモトにしたSSでもお好きにどうぞ。
    (ようさん許可済み)
    ※書いたら教えてください🙏
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💒😭💖💖💖💒🙏💖💖💖💖😭😭😭😭❤👏👏😭💗💗☺😭😭👏💖😭👏💖🙏👏😭🙏🙏🙏🙏🙏👏👏👏👏👏👏👏👏💖👏👏❤❤❤❤❤❤❤😭💴💴💴
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works